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52:聖女も普通の女の子(シエラ)
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あの後、結局ヴァイオレットはわんわんと泣き止まなかったので、キースはヴァイオレットを慰めたまま付き添い、別室に行くことになった。
「・・・・なんていうか、ヴァイオレットさんとはお付き合いは短いので詳しくは知りませんけど、あんな風に泣くんですね。ちょっと驚きました。」
と、スカーレットさんは意外に思ったらしい。
「まぁ、見てても分かり易いくらい好意がまる出しだったもんなー」
なるほど、ランベルトさんから見ても彼女は態度に出していたのね。
「あ、いいえ。そういう意味じゃなくって・・・聖女ってかなり特別な存在って感じじゃないですか?だけど・・・あぁやって泣いている姿見て、あぁ年相応の女の子だったんだなって思ったんです。」
うん。それはすごくわかる。私も今はアルバードが好きだから、わかるけど、ホントに恋愛って身分とか関係ないんだなって。・・・とはいえ、貴族は政略結婚がほとんどだから、なかなか恋愛結婚は難しいんだけどね。
『聖女の儀』で以前彼女を見かけた時もすごく尊いっていうか、特別な人って感じがしたものね。それにあの時よりも今の方がヴァイオレットさんは美しさに磨きがかかっていたと思うけれど、よくアルバードも落ちなかったものね。・・・
多分、彼女は自分で言っていたように告白することを一大決心していたんだろう。それが思いもしないところで、好きな人が婚約してたなんて知ってしまったから、取り繕うことができずに、取り乱したんじゃないかと思う。
「ま、驚いたけどさ、聖女はまだ17歳だろ?」
「そうですね、私達より年下の女の子でしたもんね。」
うん、スカーレットさんもランベルトさんも、明かに私よりも年上っぽいもんね。
アルバードの方を見ると、明かにアルバードは落ち着きなさそうにしていた。ヴァイオレットさんが出て行ったドアの方をチラチラ見て、かなり気にしている様子。無理もないわよね。泣いてる女の子を放っておける性分じゃないでしょうし。だけど、一緒にはついて行かなかった。多分、私に遠慮したんだと思う。
「アルバード、心配?」
「あ、あぁ。取り合えず当事者だしな。確かに懐いてるなーとは思っていたけど、てっきり兄としてだと思ってたから・・・まさか、そっちのとは・・・」
うん、イライザさんの情報通りだわ。だけど、今となっては、わかった以上有耶無耶にするわけにはいかないからね、
「アルバード、行ってきてあげて。」
「え?」
「彼女、・・・ヴァイオレットさんとちゃんとお話したほうがいいと思う。だから行ってあげて。」
「いいのか?」
うん、やっぱり婚約者の私に気遣ってくれていたんだよね。わかるよ、そういうアルバードの気持ち。
「うん。」
私はアルバードが安心するように、少し微笑んで見せた。
「わかった。シエラ嬢ありがとう。」
アルバードはそう言って、バイオレットさんがいる、別室に行ってしまった。
その様子を見ていた、スカーレットさんが遠慮がちに聞いてきた。
「あの・・・・殿下いいんですか?」
「ん?何がかしら?」
「アルバードさん婚約者なんですよね?行かせても良かったのかなって。」
「スカーレットさん気遣ってくれてありがとう。きっと彼女は、ヴァイオレットさんはずっと前からアルバードが好きだったと思うのよ。だから、こうなった以上は、ちゃんと向き合ってお話をして、けじめを着けないとねって思ったの。・・・私の思い上がりかもしれないけどね。」
そういうと、スカーレットさんは少し驚いたようだったけど、首を横に振って、
「思い上がり何て・・・そんなことはないですよ。」
と、少し微笑んでくれた。
「王女様・・・尊い・・・」
とランベルトさんは、なぜかキラキラした目で私を見ている。
・・・なんだろう?この視線は気のせいかデジャブを感じるわね。
「・・・・なんていうか、ヴァイオレットさんとはお付き合いは短いので詳しくは知りませんけど、あんな風に泣くんですね。ちょっと驚きました。」
と、スカーレットさんは意外に思ったらしい。
「まぁ、見てても分かり易いくらい好意がまる出しだったもんなー」
なるほど、ランベルトさんから見ても彼女は態度に出していたのね。
「あ、いいえ。そういう意味じゃなくって・・・聖女ってかなり特別な存在って感じじゃないですか?だけど・・・あぁやって泣いている姿見て、あぁ年相応の女の子だったんだなって思ったんです。」
うん。それはすごくわかる。私も今はアルバードが好きだから、わかるけど、ホントに恋愛って身分とか関係ないんだなって。・・・とはいえ、貴族は政略結婚がほとんどだから、なかなか恋愛結婚は難しいんだけどね。
『聖女の儀』で以前彼女を見かけた時もすごく尊いっていうか、特別な人って感じがしたものね。それにあの時よりも今の方がヴァイオレットさんは美しさに磨きがかかっていたと思うけれど、よくアルバードも落ちなかったものね。・・・
多分、彼女は自分で言っていたように告白することを一大決心していたんだろう。それが思いもしないところで、好きな人が婚約してたなんて知ってしまったから、取り繕うことができずに、取り乱したんじゃないかと思う。
「ま、驚いたけどさ、聖女はまだ17歳だろ?」
「そうですね、私達より年下の女の子でしたもんね。」
うん、スカーレットさんもランベルトさんも、明かに私よりも年上っぽいもんね。
アルバードの方を見ると、明かにアルバードは落ち着きなさそうにしていた。ヴァイオレットさんが出て行ったドアの方をチラチラ見て、かなり気にしている様子。無理もないわよね。泣いてる女の子を放っておける性分じゃないでしょうし。だけど、一緒にはついて行かなかった。多分、私に遠慮したんだと思う。
「アルバード、心配?」
「あ、あぁ。取り合えず当事者だしな。確かに懐いてるなーとは思っていたけど、てっきり兄としてだと思ってたから・・・まさか、そっちのとは・・・」
うん、イライザさんの情報通りだわ。だけど、今となっては、わかった以上有耶無耶にするわけにはいかないからね、
「アルバード、行ってきてあげて。」
「え?」
「彼女、・・・ヴァイオレットさんとちゃんとお話したほうがいいと思う。だから行ってあげて。」
「いいのか?」
うん、やっぱり婚約者の私に気遣ってくれていたんだよね。わかるよ、そういうアルバードの気持ち。
「うん。」
私はアルバードが安心するように、少し微笑んで見せた。
「わかった。シエラ嬢ありがとう。」
アルバードはそう言って、バイオレットさんがいる、別室に行ってしまった。
その様子を見ていた、スカーレットさんが遠慮がちに聞いてきた。
「あの・・・・殿下いいんですか?」
「ん?何がかしら?」
「アルバードさん婚約者なんですよね?行かせても良かったのかなって。」
「スカーレットさん気遣ってくれてありがとう。きっと彼女は、ヴァイオレットさんはずっと前からアルバードが好きだったと思うのよ。だから、こうなった以上は、ちゃんと向き合ってお話をして、けじめを着けないとねって思ったの。・・・私の思い上がりかもしれないけどね。」
そういうと、スカーレットさんは少し驚いたようだったけど、首を横に振って、
「思い上がり何て・・・そんなことはないですよ。」
と、少し微笑んでくれた。
「王女様・・・尊い・・・」
とランベルトさんは、なぜかキラキラした目で私を見ている。
・・・なんだろう?この視線は気のせいかデジャブを感じるわね。
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