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41:ギルド長からの依頼~前編~(アルバード)
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というわけで、俺は目的のバジリスクの討伐をサクっと終え、ただいま、獲物のバジリスクを引きずって帰路についている。・・・んだが・・・目の前には『魔獣の森』が広がっている。
う~~、くっそ絶対あいつ狙って言いやがったな!
話は遡ること、俺がギルドの受付に行った時のことだ・・・・
「バジリスクですか?」
「あぁ、依頼が来ていなければ、生息している所を教えてほしい。」
「えっと、そんなに簡単に討伐できるものでは、ありませんし、ましてやソロでは・・・」
まぁ受付嬢が怪訝な顔をするのも無理はない。普通はバジリスクはソロ討伐なんてやらないからな。
「Sランクだ。」
「え?」
「俺はSランクのアルバードだ。って言えばわかるかな?」
「!!あの、アルバードさんですか?」
「そういうこと。ほら、プレートもあるでしょ?」
俺はSランクの証明である、胸元のプラチナ色のプレートを見せた。
ちなみに冒険者は皆それぞれの階級に応じたプレートを身に着けている。身分証明書みたいなものでもあるし、縁起の悪い話だが、死体になった場合そのプレートをもって身元確認をすることもできるからだ。
「す、すみません!まさかSランクの方とは!ちょちょっとお待ちください!」
そういうと、受付嬢は慌てて奥にいった。俺大抵の受付では顔覚えられているから、あの子は新人だなーなんてことを思いながら待っていた。
「あの・・・すみませんが、ギルド長がお会いしたいと、お手数ですが、応接室まで来ていただけますか?」
受付嬢は戻ってくるなり遠慮がちにそう言った。
「うーん、まぁいいけど・・・」
俺は端切れが悪かった。だってなんか挨拶とかですまさなそうな気がするからね!
面倒なことなら、マジ勘弁!
「どうぞこちらにお座りください。すぐにマスターは参りますので。」
俺はソファのある部屋に通された。出されたお茶を飲んでいたら、ギルド長とやらはすぐに来た。
「お待たせして、申し訳ありません。」
あれ?!
「誰かと思っったら、ヤンだったのか!」
「久しぶりだね、アルバード。」
そいつは俺と同じ黒髪の、目は開いてるのか開いてないのかよくわからない細目の男で、一見やさ男風だが、そうじゃないことを俺はよく知っている。Aランク冒険者だが、実力はAランクではない。わざとSランクにならないようにしているが、それは彼の職業柄のようだ。
顔見知りなのは、当然ヤンとも何度かパーティを組んでいたからだ。
ヤン・リーリン、東の国の出身の珍しい職業で『忍者』なんだが、此方で言うところの、諜報員と暗殺者(アサシン)の中間ぐらいって言ってたな。ってあれ?
「てか、なんでヤンがギルド長やってんの?」
「あぁ、代理でね、いわゆる期間限定ってやつだよ。」
ヤンがそんな柄じゃない役職になってるってことは、必ず何か裏があるはずだ。だが俺はあえて聞かない。だって絶対面倒くさそうなのが目に見えている!
「はぁーなんか今日はやたら久しぶりに合う奴が多すぎて、びっくりするよ。」
「その言い回しだと、聖女ヴァイオレットと守護者キースにも会ったみたいだね。」
「あぁ、ついさっきな。」
「ふむ、なら話がは早い。」
「うわ!なんか嫌な予感しかしない。」
「ふふっ察しがよくて助かるよ。」
「うわ~~聞きたくないー」
俺は耳をふさいだが・・・うん、知ってるゴツイ男がそれやっても見苦しいだけだって!
「まぁまぁそう言わず、聞いてくれ。聖女の依頼した『特別依頼』のことだが・・・」
「聞きたくないって言ったじゃねーか!俺まじで他所に構ってるほど余裕ないし、それに今更俺がしゃしゃり出たら、キース辺りが面倒なことになりそうだろ!」
「アルバードは面倒事は嫌うけれど、なんだかんだとね・・・」
ヤンは俺を見てニヤニヤしてる。俺はこいつのこういうところが苦手なんだよ!
う~~、くっそ絶対あいつ狙って言いやがったな!
話は遡ること、俺がギルドの受付に行った時のことだ・・・・
「バジリスクですか?」
「あぁ、依頼が来ていなければ、生息している所を教えてほしい。」
「えっと、そんなに簡単に討伐できるものでは、ありませんし、ましてやソロでは・・・」
まぁ受付嬢が怪訝な顔をするのも無理はない。普通はバジリスクはソロ討伐なんてやらないからな。
「Sランクだ。」
「え?」
「俺はSランクのアルバードだ。って言えばわかるかな?」
「!!あの、アルバードさんですか?」
「そういうこと。ほら、プレートもあるでしょ?」
俺はSランクの証明である、胸元のプラチナ色のプレートを見せた。
ちなみに冒険者は皆それぞれの階級に応じたプレートを身に着けている。身分証明書みたいなものでもあるし、縁起の悪い話だが、死体になった場合そのプレートをもって身元確認をすることもできるからだ。
「す、すみません!まさかSランクの方とは!ちょちょっとお待ちください!」
そういうと、受付嬢は慌てて奥にいった。俺大抵の受付では顔覚えられているから、あの子は新人だなーなんてことを思いながら待っていた。
「あの・・・すみませんが、ギルド長がお会いしたいと、お手数ですが、応接室まで来ていただけますか?」
受付嬢は戻ってくるなり遠慮がちにそう言った。
「うーん、まぁいいけど・・・」
俺は端切れが悪かった。だってなんか挨拶とかですまさなそうな気がするからね!
面倒なことなら、マジ勘弁!
「どうぞこちらにお座りください。すぐにマスターは参りますので。」
俺はソファのある部屋に通された。出されたお茶を飲んでいたら、ギルド長とやらはすぐに来た。
「お待たせして、申し訳ありません。」
あれ?!
「誰かと思っったら、ヤンだったのか!」
「久しぶりだね、アルバード。」
そいつは俺と同じ黒髪の、目は開いてるのか開いてないのかよくわからない細目の男で、一見やさ男風だが、そうじゃないことを俺はよく知っている。Aランク冒険者だが、実力はAランクではない。わざとSランクにならないようにしているが、それは彼の職業柄のようだ。
顔見知りなのは、当然ヤンとも何度かパーティを組んでいたからだ。
ヤン・リーリン、東の国の出身の珍しい職業で『忍者』なんだが、此方で言うところの、諜報員と暗殺者(アサシン)の中間ぐらいって言ってたな。ってあれ?
「てか、なんでヤンがギルド長やってんの?」
「あぁ、代理でね、いわゆる期間限定ってやつだよ。」
ヤンがそんな柄じゃない役職になってるってことは、必ず何か裏があるはずだ。だが俺はあえて聞かない。だって絶対面倒くさそうなのが目に見えている!
「はぁーなんか今日はやたら久しぶりに合う奴が多すぎて、びっくりするよ。」
「その言い回しだと、聖女ヴァイオレットと守護者キースにも会ったみたいだね。」
「あぁ、ついさっきな。」
「ふむ、なら話がは早い。」
「うわ!なんか嫌な予感しかしない。」
「ふふっ察しがよくて助かるよ。」
「うわ~~聞きたくないー」
俺は耳をふさいだが・・・うん、知ってるゴツイ男がそれやっても見苦しいだけだって!
「まぁまぁそう言わず、聞いてくれ。聖女の依頼した『特別依頼』のことだが・・・」
「聞きたくないって言ったじゃねーか!俺まじで他所に構ってるほど余裕ないし、それに今更俺がしゃしゃり出たら、キース辺りが面倒なことになりそうだろ!」
「アルバードは面倒事は嫌うけれど、なんだかんだとね・・・」
ヤンは俺を見てニヤニヤしてる。俺はこいつのこういうところが苦手なんだよ!
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