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22:晩餐会~前編~(シエラ)
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困った。
予想の範疇ではあったのだけど、当然といえば当然なのだけど、晩餐会のお誘いが、バランドール王からありましたー!
「何て、断ろうかな~」
「困りましたねぇ。」
シエラ一行は港に着くや否や、すぐさま王宮に通された。そして、本日は晩餐を共にしようと、バランドール王からお誘いがあったと、そういう経緯だ。
そしてバランドール王宮の客室でシエラ達はあてがわれた部屋に通された。
今のシエラは夜には元の姿に戻ってしまう。バレる訳にはいかないので、体のいいお断りの理由をシエラとユーナは思案に暮れていた。
「んっふっふっふっふっふっ。」
「イライザさん、怖いです。」
「あ~我ながら自分の才能が怖いわ!」
・・・自画自賛してる。イライザさんらしいと言えばそうなんだけど。
ここ数日で、シエラはイライザのことが、かなり理解できていた!
「もしかして、何か策があるんですか?」
「そうよ~この!私が!何も策を講じてないなんて訳ないじゃない!」
イライザさん、ものすごくわかり易い、どや顔だわ。ピシって指刺されてるのが気になるけど。
「では、どんな策なんですか?」
「ちゃ~~ん!見て~~~!」
そういうと、何かをネックレスを両手でつまんで見せてくれた。
「これは?」
「幻惑を見せる魔法がかかっているネックレスよ。これで大人になっても、幼女のお姫様のままの姿が周りには見えるってわけ。」
はい、とイライザさんはそのネックレスを渡してくれた。
「この、ネックレスが・・・魔法のアイテムなんですね。」
私は渡されたネックレスをマジマと見ていたんだけど、普通の綺麗なネックレスにしか見えない。
「本当なら変身魔法なんかもあるのだけどね、だけど今のお姫様じゃ呪いが身体に燻っている状態だから、直接身体に薬や術の類をかけるのは良しではないと判断したわけ。で、この幻惑魔法なら、お姫様の外回りをコーティングしてくれるから、身体にも優しい魔法って寸法よ!」
凄い!だとしたら助かるわ!だけど・・・
「疑うわけじゃないんですけど、ここバランドールは魔法に長けている国です。バレませんか?」
私はすぐさま思った疑問を投げかけてみた。
「ふふっ、私を甘く見ちゃだめよ!黒の魔女の二つ名は伊達ではないわ。」
あれ?髪が黒いからだけって言ってなかったけ?
「お姫様は呪われて魔力を帯びている状態だからね、それが都合よく隠れみのになってくれるのよ。もちろんバレにくいよう更に細工も施してあるけどね!」
「すごい・・・イライザさん考えてくれてるんですね。」
イライザさんが高名な魔女とは聞いていたけど、なんか今初めて実感したかも!
「気のせいかしら?なんか失礼なこと考えてない?」
「キノセイデスヨ、キノセイ。」
怖い!魔女の第六感恐るべし!
「まぁ・・・強いていうと、懸念があるのは、アルトかしら?」
「アルバードが?なぜですか?」
「そりゃ、あいつS級よ!そのランクは伊達じゃないわよ。」
「でもアルバード魔法は専門じゃないから言ってましたよ?」
「専門じゃない?あいつがそう言ったの?」
そういうと、イライザさんは何かを考えてるようで・・・
「ん~~まぁそう言われると、そうかもしれないけどねぇ。うーん・・・。」
あれ?なんか煮え切れない態度?
「ま、まぁそのことは今はいいわ。」
あれ?はぐらかされた?
「身体は元の姿に見えていないとはいえ、着ているドレスはそのまま子供サイズに変換されて見えるだけだから、ユーナさん、支度はバッチリお願いね!」
「はい、かしこまりました。」
不安要素はこうして、イライザさんの魔法のネックレスでなんとか回避できそうだった。
イライザさんが居てくれてホント良かった!
予想の範疇ではあったのだけど、当然といえば当然なのだけど、晩餐会のお誘いが、バランドール王からありましたー!
「何て、断ろうかな~」
「困りましたねぇ。」
シエラ一行は港に着くや否や、すぐさま王宮に通された。そして、本日は晩餐を共にしようと、バランドール王からお誘いがあったと、そういう経緯だ。
そしてバランドール王宮の客室でシエラ達はあてがわれた部屋に通された。
今のシエラは夜には元の姿に戻ってしまう。バレる訳にはいかないので、体のいいお断りの理由をシエラとユーナは思案に暮れていた。
「んっふっふっふっふっふっ。」
「イライザさん、怖いです。」
「あ~我ながら自分の才能が怖いわ!」
・・・自画自賛してる。イライザさんらしいと言えばそうなんだけど。
ここ数日で、シエラはイライザのことが、かなり理解できていた!
「もしかして、何か策があるんですか?」
「そうよ~この!私が!何も策を講じてないなんて訳ないじゃない!」
イライザさん、ものすごくわかり易い、どや顔だわ。ピシって指刺されてるのが気になるけど。
「では、どんな策なんですか?」
「ちゃ~~ん!見て~~~!」
そういうと、何かをネックレスを両手でつまんで見せてくれた。
「これは?」
「幻惑を見せる魔法がかかっているネックレスよ。これで大人になっても、幼女のお姫様のままの姿が周りには見えるってわけ。」
はい、とイライザさんはそのネックレスを渡してくれた。
「この、ネックレスが・・・魔法のアイテムなんですね。」
私は渡されたネックレスをマジマと見ていたんだけど、普通の綺麗なネックレスにしか見えない。
「本当なら変身魔法なんかもあるのだけどね、だけど今のお姫様じゃ呪いが身体に燻っている状態だから、直接身体に薬や術の類をかけるのは良しではないと判断したわけ。で、この幻惑魔法なら、お姫様の外回りをコーティングしてくれるから、身体にも優しい魔法って寸法よ!」
凄い!だとしたら助かるわ!だけど・・・
「疑うわけじゃないんですけど、ここバランドールは魔法に長けている国です。バレませんか?」
私はすぐさま思った疑問を投げかけてみた。
「ふふっ、私を甘く見ちゃだめよ!黒の魔女の二つ名は伊達ではないわ。」
あれ?髪が黒いからだけって言ってなかったけ?
「お姫様は呪われて魔力を帯びている状態だからね、それが都合よく隠れみのになってくれるのよ。もちろんバレにくいよう更に細工も施してあるけどね!」
「すごい・・・イライザさん考えてくれてるんですね。」
イライザさんが高名な魔女とは聞いていたけど、なんか今初めて実感したかも!
「気のせいかしら?なんか失礼なこと考えてない?」
「キノセイデスヨ、キノセイ。」
怖い!魔女の第六感恐るべし!
「まぁ・・・強いていうと、懸念があるのは、アルトかしら?」
「アルバードが?なぜですか?」
「そりゃ、あいつS級よ!そのランクは伊達じゃないわよ。」
「でもアルバード魔法は専門じゃないから言ってましたよ?」
「専門じゃない?あいつがそう言ったの?」
そういうと、イライザさんは何かを考えてるようで・・・
「ん~~まぁそう言われると、そうかもしれないけどねぇ。うーん・・・。」
あれ?なんか煮え切れない態度?
「ま、まぁそのことは今はいいわ。」
あれ?はぐらかされた?
「身体は元の姿に見えていないとはいえ、着ているドレスはそのまま子供サイズに変換されて見えるだけだから、ユーナさん、支度はバッチリお願いね!」
「はい、かしこまりました。」
不安要素はこうして、イライザさんの魔法のネックレスでなんとか回避できそうだった。
イライザさんが居てくれてホント良かった!
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