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「私、決めた! ブルゥ兄さんと結婚する!!」

「イ、イザベラさん? どうしちゃったの!? 
 突然のイザベラさんの宣言に水を吹き出しそうになった。

「ラズィさん、ここは私にぴったりの場所だってわかったの!
 ラズィさんのお母さんとは嫁姑の問題なんか起きそうもないし、小姑はラズィさんでしょ? お父さんはいちごバカで、領の繁栄やお金稼ぎに無頓着・・・・・・
 ブルゥさんってさぁ、空気みたいな感じじゃない? 
 自己主張しないしさ、かといってオドオド人目を気にしてるようでもなくって、いつもニコニコしてる。
 そのくせ、客間に用意された自分のベッドにちゃっかりと寝ちゃってる図太さ!
 気に入ったわぁー! あのお父さんとお母さんの子なら浮気しそうもないしネ!
 問題ナッシングよぉー!!!」
 拳を高くつきだして宣言するイザベラさん。

 私からは何にも言うことはありません。
 学園のときのイザベラさんとぜんぜん違って、生き生きしてるから、いいかもねーと思う。

「イザベラさんはブルゥのお嫁さんかい? 」
 父 起きてた・・・・・・
 お父さんは、むっくりと起きて、「んーん」と深く考え始めた。
 もしかしたら、婚約者がいるとか? それともイジワル顔だから反対?
 あっ ピンク頭じゃないからダメ! とか・・・・・・

 私とイザベラさんはちょっと不安になる。



「イザベラ・ベリー・・・・・・あったかなぁ・・・そんなベリー類は・・・・・・」
お父さん、あなたって人は!

「お父様 新しい品種を作ったらいいではありませんか。 イザベラベリーを!!」
 イザベラさんはお父さんの手をしっかりと握りしめて、目をキラキラさせてじっと見つめた。
(ちょっと、コワイです。 イザベラさん 脅迫顔です、それ!)

「おぉー さすが侯爵ご令嬢! 私に新種を作れとご命令になる。
 ブルック・ベリー 謹んでご命令を承ります! では、さっそく!!!!」
 父は、家を飛び出てどこかに行ってしまった。

「ラズィさん、これって、結婚してもいいってこと?」
 不安顔のイザベラさんがこっちを見る。
「さぁ・・・・・・
 でも イザベラ・ベリーって言ってたから、一員として認めるってことじゃない?
 もしかしたら、新種ができるまでは、結婚はダメ・・・・・・とか?」

ちょっと凹むイザベラさん。

「ベンジャミンベリーを作ったら、僕は、お父様にラズィとの結婚を認めてもらえるのか! 」
 なぜ、ここにベンジャミンさん 起きてくるのよー

「ラズィ、待ってて! 必ずベンジャミンベリーを、僕の手で生み出してみせるから!」
 ベンジャミンさんも、お父さんを探すように外へ飛び出していった。

 なんでこうなった・・・・・・

「ラズィさん、私、負けない! 
 ベリー領のいちごをブランディングしてみせるわ! 
 お母さんと一緒にジャムを作って、ベリー領のジャムを高級品に押し上げるのよ!
 そして、ベリー家にイザベラあり! と言わせて見せる!」

 オォホホホホホッツ!!!
 ベリー領の青空に高笑いがとっても似合います。 
 イザベラさん!!




 それから数年後、王国は、いちごジャムパンのブームで盛り上がったとか・・・・・・



おしまい
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