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159:合流2

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 僕の前を両手斧を振り回しながらラルフさんがゴブリンの群れをかき分けるように進んでいく。

 ラルフさんが切り開いた空白地帯に滑り込むようにして入った僕は、土壁を設置してゴブリンの分断を図った。

 後ろからはリサさんが【流星雨】を放ちながらこちらに向かってきているようだ。他の面々はリサさんの周囲を守り露払いの役目を担っていて、精霊達も同じく上空から【風刃】を放ち援護している。

「防壁前で戦っていた者達がこっちに向かってきますね! それにあれはニースちゃんかな?」

 ラルフさんの言葉に僕が上空を見上げるとルピナスに乗ったニースが戦っている三人を援護するように土壁を設置しているのが見えた。それにニースの側には他の精霊達もいて、その中にはシルフィーの姿もあった。

 前方から来る集団のお陰で僕とラルフさんは思っていたよりも容易に防壁の側まで来ることが出来た。そして僕を驚かせたのは迎えに来てくれた人達が、ゼダさん達だった事だった。

「ユーリ~」上空から降りてきたニースが嬉しそうに手を振っている。

「坊主! 無事で何よりだったな! 俺達がわざわざ迎えに来てやったぜ!」黒い両手斧を振るいながらザザさんも楽しそうにそう声をかけてきた。

 どういう経緯で三人がこの場にいるのかは分からなかったが、ただ一つ言える事は三人がこの場にいるに相応しい強さを持つ元探索者だということだった。

「坊主! 後ろのエルフ達と合流したら良い機会だ奴を叩くぞ」ゼダさんが、そう言ってある方角を指し示した。

「全くよ! きりがねえぜ! 次々と生み出しやがって」黒い両手剣を振るっていたドルフさんがそう悪態をついた。

「ユーリ、どうやらあれがこの群れの発生原因みたいよ。あのゴブリンジェネラルがどうやら、召喚能力を持っているみたいね。魔素からゴブリンを召喚できるようだけど……さっきニースが倒した個体よりも一度に召喚出来る数が多いわね」

 僕の側に寄ってきたシルフィーが、ゼダさんの言うところの奴というのが何の事だか分からなかった僕にも理解出来るように説明してくれた。

「どうやらあれを倒さない事にはこの状況は収まらないようだな」

 後ろから追い付いてきたリサさんも合流するなりそう言い出した。ここまでの戦闘中にも戦場全体を観察していて判断したようだった。

「どうやら召喚能力にも個体差があるようだ、こちらの殲滅力とあの将軍クラスのゴブリンの回復力は拮抗している我々が露払いをするから留めを頼む」進み出たゼダさんがリサさんにそう進言した。

「了解しました。ですが露払いはうちの隊の者やこの場にいる精霊達にもやらせます……奴は私が仕留めます」

 リサさんが決意を秘めた表情でそう告げたのだった。
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