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「近くで見るとやっぱり大きいな」ファングボアの魔素吸収を行いながらその小山のような死骸を見上げた。
「おおきいね~」ニースがワイルドボアの背中に乗って跳び跳ねて遊んでいるのが見えた。ディーネが血抜きを行っているが、大きいだけにかなり時間がかかっている。
「ゴブリンが倒したにしては毛皮の状態も良いですね。これなら防具の素材としても使えそうだ。だが運ぶとなるとここで処理するしかないかな……肉も全ては無理だな、大半は惜しいが放置するしかなさそうだ」
魔石の回収を終えたラルフさんがファングボアの状態を確かめながらそう呟いている。
僕はゴブリンの魔素吸収を行いながら、自分の持っているポーチを使えばそのまま持っていけそうだとファングボアを見ながら考えていた。
(じいちゃんに言われたな、教えるなら裏切られても諦めがつく相手にしろと……ラルフさんはどうだろう)
実のところ、装填式の武器を人前で使うのは孤児院の子供達とエルフィーデの関係者以外では初めてだった。
(さっきは何も考えず使ってしまったけど、ラルフさんが精霊の関係者だと云うことを加味しても信用し過ぎだろうか? 憑依と加護はどう違うんだろうか?)
僕はラルフさんの人柄や雰囲気に好感を持っているし、信用したいというのが正直なところだった。
「ラルフさんは、僕の事を何も聞かないんですね」僕は適度に言葉を濁しながらそう尋ねた。
「ん? もしかして、ユーリさんが使っている武器についてですか?」
やはりラルフさんは、気が付いていながら知らないふりをしていてくれたようだ。
「そうです。まだ使っている人は少ないと思います」エルフィーデの関係者くらいしかまだ使っている人を見た事はなかった。
「そうですね……気にはなりますが、僕としてはユーリさんの精霊達のほうがよほど興味深いですね」
ラルフさんがそう言うと、ルピナスが降りてきてラルフさんの肩に止まった。僕はその様子を見てラルフさんにポーチの事も打ち明ける事にした。
◻ ◼ ◻
「なるほど、凄い品ですね。魔法武器もそうですが……あまり目立つ場所では使わないようにした方がいいですね。ユーリさんが一人で狩りをしているのは正解でしょうね……もしクランに入るにしても団員の見極めはしっかりすべきですよ!」
ラルフさんに心配されてしまったようだ。
「当面は一人でやっていくつもりです」僕がそう告げると「その方が良いでしょうね。ユーリさんと精霊達ならじっくり力をつければ十五層以降も単独でやっていけるかもしれません」
「十五層といえば確か……」僕はゼダさん達との猪鹿亭での話し合いを思い出した。
「ええ、リザードマンのいる水棲エリアに入ります。奴等は強いですよ」ラルフさんが厳かにそう告げたのだった。
「おおきいね~」ニースがワイルドボアの背中に乗って跳び跳ねて遊んでいるのが見えた。ディーネが血抜きを行っているが、大きいだけにかなり時間がかかっている。
「ゴブリンが倒したにしては毛皮の状態も良いですね。これなら防具の素材としても使えそうだ。だが運ぶとなるとここで処理するしかないかな……肉も全ては無理だな、大半は惜しいが放置するしかなさそうだ」
魔石の回収を終えたラルフさんがファングボアの状態を確かめながらそう呟いている。
僕はゴブリンの魔素吸収を行いながら、自分の持っているポーチを使えばそのまま持っていけそうだとファングボアを見ながら考えていた。
(じいちゃんに言われたな、教えるなら裏切られても諦めがつく相手にしろと……ラルフさんはどうだろう)
実のところ、装填式の武器を人前で使うのは孤児院の子供達とエルフィーデの関係者以外では初めてだった。
(さっきは何も考えず使ってしまったけど、ラルフさんが精霊の関係者だと云うことを加味しても信用し過ぎだろうか? 憑依と加護はどう違うんだろうか?)
僕はラルフさんの人柄や雰囲気に好感を持っているし、信用したいというのが正直なところだった。
「ラルフさんは、僕の事を何も聞かないんですね」僕は適度に言葉を濁しながらそう尋ねた。
「ん? もしかして、ユーリさんが使っている武器についてですか?」
やはりラルフさんは、気が付いていながら知らないふりをしていてくれたようだ。
「そうです。まだ使っている人は少ないと思います」エルフィーデの関係者くらいしかまだ使っている人を見た事はなかった。
「そうですね……気にはなりますが、僕としてはユーリさんの精霊達のほうがよほど興味深いですね」
ラルフさんがそう言うと、ルピナスが降りてきてラルフさんの肩に止まった。僕はその様子を見てラルフさんにポーチの事も打ち明ける事にした。
◻ ◼ ◻
「なるほど、凄い品ですね。魔法武器もそうですが……あまり目立つ場所では使わないようにした方がいいですね。ユーリさんが一人で狩りをしているのは正解でしょうね……もしクランに入るにしても団員の見極めはしっかりすべきですよ!」
ラルフさんに心配されてしまったようだ。
「当面は一人でやっていくつもりです」僕がそう告げると「その方が良いでしょうね。ユーリさんと精霊達ならじっくり力をつければ十五層以降も単独でやっていけるかもしれません」
「十五層といえば確か……」僕はゼダさん達との猪鹿亭での話し合いを思い出した。
「ええ、リザードマンのいる水棲エリアに入ります。奴等は強いですよ」ラルフさんが厳かにそう告げたのだった。
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