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095:三層6
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半包囲していた群れが、一斉に僕に向かって走り出した。僕は後ろに下がりながら、次々と矢を番え敵を葬っていく。
無防備に後ろ姿を晒した敵を、シルフィー達がそのまま見過ごす筈もなく、ディーネとキャロも弓で追撃をかけ始め、シルフィーとルピナスも【風刃】で攻撃を加えている。
レッサーウルフの群れは前後から挟撃され、どちらを先に攻撃するか迷うもの達が出て、混乱状態に陥ったようだ。
戻ろうとする者は、僕の弓の餌食となり、こっちに向かおうとすれば、シルフィー達の魔法攻撃に晒された。
装填式の連射性能は凄かった、距離を取りさえ出来れば一方的に相手を殲滅出来そうだ。僕は容赦する事無く、下がり撃ちを続けた。
キャロも装填式の威力を発揮して遠距離から混乱したレッサーウルフを次々と撃ち抜いている。
その時、「フォーン」と森の中から遠吠えがした。それを聞いたレッサーウルフ達は、混乱から立ち直ると一斉に森に向かって走り出した。
僕達は追撃の弓を撃ったが、あっという間に森林に飛び込まれ、それ以上の追撃は断念する事になった。
サラ達のいる方角からも、レッサーウルフが森に飛び込むのが見えた。
「どうやら、そっちも逃げられたみたいね。皆、怪我とかしてない?」
敵が撤退したので、サラが一人でこちらに戻ってきた。
「こっちは、無事よ!」僕の元に飛んできたシルフィーが教えてくれた。
「ところで、フィーネがいないみたいだけど、無事だよね?」
フィーネが簡単にどうこうなるとは思えなかったが、あれだけの数に囲まれていたのだ、少し心配になった。
「逃げてったレッサーウルフの様子を見に行ってくれたわ、すぐに戻って来ると思うわよ」
撤退したように見えたので僕は安堵していたが、森に潜んでこちらの様子を伺っている可能性もあったのだ。
「ルピナス!」僕が呼ぶと「ピッ」と一声鳴いてルピナスは上空に舞い上がったと思うと、森の中に入って行った。
ルピナスの索敵能力はとても高い、周囲を飛んで警戒してくれるだけでも安心感が違う。
「フィーネが戻るまでには、多少時間はあるでしょう。直ぐにここを離れるにしても、それまでに、少しでも魔素吸収をしておきましょう」
僕達は集まり手近な魔物から魔素吸収を始めた。この場だけでも十五匹程のレッサーウルフの死骸があるのだ。
「私達が戦っていた場所にも、十匹以上の死骸があるわ。それにしても逃げたのも含めれば、四十匹以上の群れなんて、ギルドの情報と違いすぎるわね」
僕が事前に得ていた情報はギルドから得たものだった。だが六匹程度と言われていた群れの情報が、実際は四十匹以上の群れになる場合もあるでは済まされない。探索者の命に係わる問題なのだ。
「マリアさんが誤った情報を僕に教えるとは思えないな……という事は過去に例のない事態の可能性も有るって事だよね?」
「そう考えるしかないわね……無表情の彼女が可能性が低いからと言って重大な情報を伝えないとは思えないし……逆にこっちが怖がるくらい警告してきそうよね」
サラのマリアさんの印象が分かって可笑しかったが、信頼しているのは確かのようだ。
シルフィーにも周囲を警戒して貰いながら、僕達は魔素吸収を行った。ディーネには血抜き作業をお願いしている。
三十匹近くもいるレッサーウルフをどうするか迷ったが、サラに考えがあるとの事なので取り敢えず、血抜きだけでもしておく事になった。
十匹程の魔素吸収が終わった頃にようやく、フィーネがふよふよ戻ってきて、「ちょっと、面倒な事になりそうね~」と言ったのだった。
無防備に後ろ姿を晒した敵を、シルフィー達がそのまま見過ごす筈もなく、ディーネとキャロも弓で追撃をかけ始め、シルフィーとルピナスも【風刃】で攻撃を加えている。
レッサーウルフの群れは前後から挟撃され、どちらを先に攻撃するか迷うもの達が出て、混乱状態に陥ったようだ。
戻ろうとする者は、僕の弓の餌食となり、こっちに向かおうとすれば、シルフィー達の魔法攻撃に晒された。
装填式の連射性能は凄かった、距離を取りさえ出来れば一方的に相手を殲滅出来そうだ。僕は容赦する事無く、下がり撃ちを続けた。
キャロも装填式の威力を発揮して遠距離から混乱したレッサーウルフを次々と撃ち抜いている。
その時、「フォーン」と森の中から遠吠えがした。それを聞いたレッサーウルフ達は、混乱から立ち直ると一斉に森に向かって走り出した。
僕達は追撃の弓を撃ったが、あっという間に森林に飛び込まれ、それ以上の追撃は断念する事になった。
サラ達のいる方角からも、レッサーウルフが森に飛び込むのが見えた。
「どうやら、そっちも逃げられたみたいね。皆、怪我とかしてない?」
敵が撤退したので、サラが一人でこちらに戻ってきた。
「こっちは、無事よ!」僕の元に飛んできたシルフィーが教えてくれた。
「ところで、フィーネがいないみたいだけど、無事だよね?」
フィーネが簡単にどうこうなるとは思えなかったが、あれだけの数に囲まれていたのだ、少し心配になった。
「逃げてったレッサーウルフの様子を見に行ってくれたわ、すぐに戻って来ると思うわよ」
撤退したように見えたので僕は安堵していたが、森に潜んでこちらの様子を伺っている可能性もあったのだ。
「ルピナス!」僕が呼ぶと「ピッ」と一声鳴いてルピナスは上空に舞い上がったと思うと、森の中に入って行った。
ルピナスの索敵能力はとても高い、周囲を飛んで警戒してくれるだけでも安心感が違う。
「フィーネが戻るまでには、多少時間はあるでしょう。直ぐにここを離れるにしても、それまでに、少しでも魔素吸収をしておきましょう」
僕達は集まり手近な魔物から魔素吸収を始めた。この場だけでも十五匹程のレッサーウルフの死骸があるのだ。
「私達が戦っていた場所にも、十匹以上の死骸があるわ。それにしても逃げたのも含めれば、四十匹以上の群れなんて、ギルドの情報と違いすぎるわね」
僕が事前に得ていた情報はギルドから得たものだった。だが六匹程度と言われていた群れの情報が、実際は四十匹以上の群れになる場合もあるでは済まされない。探索者の命に係わる問題なのだ。
「マリアさんが誤った情報を僕に教えるとは思えないな……という事は過去に例のない事態の可能性も有るって事だよね?」
「そう考えるしかないわね……無表情の彼女が可能性が低いからと言って重大な情報を伝えないとは思えないし……逆にこっちが怖がるくらい警告してきそうよね」
サラのマリアさんの印象が分かって可笑しかったが、信頼しているのは確かのようだ。
シルフィーにも周囲を警戒して貰いながら、僕達は魔素吸収を行った。ディーネには血抜き作業をお願いしている。
三十匹近くもいるレッサーウルフをどうするか迷ったが、サラに考えがあるとの事なので取り敢えず、血抜きだけでもしておく事になった。
十匹程の魔素吸収が終わった頃にようやく、フィーネがふよふよ戻ってきて、「ちょっと、面倒な事になりそうね~」と言ったのだった。
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