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068:エルフィーデから来た少女2
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不気味な声の主が森の中から現れた。予想に反して、可愛らしい小さな姿をした物がふよふよ翔んで来た。
声の主はシルフィーに良く似た、緑色の上品な服を着た下級精霊だった。
「サラ~、私を置いてきぼりにして、ダンジョンに行くってどういう事かしら~、貴女、守護精霊を何だと思っているの~」
サラと呼ばれたエルフの頭の上に乗ると、ポカポカと頭を叩き出した。
「痛い、フィーネ止めて! ごめんって!」サラは少し涙目になっている。小さくても下級精霊だ外見より、力が強いのだ。
「それにぃ~、黒魔武器を部外者に御披露目するなんて~」
やはり黒魔武器はまだ世に出ていないようだ、ダリル鍛冶屋で噂を聞いていた時には、まさか本物を見るだけで無く、その性能まで確認出来るなんて夢にも思わなかった。
「あのっ! 大丈夫ですから! ここで見た事は誰にも話しません。その代わり僕の事も秘密にして下さい!」
何だか大変な状況になってしまい、せめて黒魔武器の問題だけでも収めようと僕は仲裁に入った。
その僕の言葉を聞いて、こちらを見たフィーネは、ふよふよと僕の元に飛んで来た。
「ふ~ん、貴方よく見るとハーフエルフなのね。それじゃあ、完全に部外者って訳じゃないわね! ごめんなさい~」
今度は、チラッとディーネと、その頭に乗ってるルピナスを見て
「ちょっと変わってるけど、良い子達ね。いいわ~ 貴方に任せましょう」
ウンウンと頷いて一人納得している。
「そんなに難しい事じゃないわ~ サラのダンジョンでの修行に協力してほしいのよ」
軽い調子で、とんでもない提案をしてきたのだった。
◻ ◼ ◻
フィーネの提案の後、サラは次々と蜂を狩りだし、あっという間に僕と同じ三十匹を狩ってしまった。
「凄い! 魔素吸収が三十匹も出来るなんて!」
サラが興奮気味に魔素吸収を行っている傍らで、僕は蜂の蜜袋と麻痺針の回収を行っている。
サラは瓶を大量に持ってきており、今回の報酬として譲り受けたのだ。
サラは素材には其ほど興味が無いらしく、回収してくれるなら好きにして構わないと言われた。
「黒魔武器使うのは今回だけよ~、ミリア様からも試練に挑む迄は、楽させるなって言われてるんだから~」
何だかんだ言いながら、サラに甘い感じのフィーネが困ったように訴えている。
「わかったわよ! 使わなければ文句ないんでしょ!」
フィーネと話す時は若干、子供っぽい口調になるサラが黒魔弓をポーチに仕舞うと別の弓を出してきた。
それは、小型だが美しい、木の弓だった。だが単純な木の弓では無く弓を番える部分が黒い鉄で補強されたように覆われている。
フィーネが近寄ってきて解説してくれた「精霊樹の枝から作った弓に黒魔鉄製の装填具を装着した[装填式複合弓]よ、領営工房ではダンジョン産の魔木と劣化黒魔鉄を使って作った物を[コンポジットボウ]と呼んでるみたいだけど」
劣化黒魔鉄は、僕の使ってる盾や補強材に使われている素材と同じで、鉄に黒魔鉄の粉末を配合した物らしい。
「領営工房では黒魔鉄製の物を使わないんですか? やっぱり値段ですか?」
景気の良い領営工房は、儲け易い大量生産品しか扱わないのだろうか?
「そうね、黒魔鉄鉱の値段の問題もあるけど、火の精霊と契約していない鍛冶師では黒魔鉄鉱を加工出来ないのよ」
僕はいきなり人間種の限界を突き付けられた気分になるのだった。
声の主はシルフィーに良く似た、緑色の上品な服を着た下級精霊だった。
「サラ~、私を置いてきぼりにして、ダンジョンに行くってどういう事かしら~、貴女、守護精霊を何だと思っているの~」
サラと呼ばれたエルフの頭の上に乗ると、ポカポカと頭を叩き出した。
「痛い、フィーネ止めて! ごめんって!」サラは少し涙目になっている。小さくても下級精霊だ外見より、力が強いのだ。
「それにぃ~、黒魔武器を部外者に御披露目するなんて~」
やはり黒魔武器はまだ世に出ていないようだ、ダリル鍛冶屋で噂を聞いていた時には、まさか本物を見るだけで無く、その性能まで確認出来るなんて夢にも思わなかった。
「あのっ! 大丈夫ですから! ここで見た事は誰にも話しません。その代わり僕の事も秘密にして下さい!」
何だか大変な状況になってしまい、せめて黒魔武器の問題だけでも収めようと僕は仲裁に入った。
その僕の言葉を聞いて、こちらを見たフィーネは、ふよふよと僕の元に飛んで来た。
「ふ~ん、貴方よく見るとハーフエルフなのね。それじゃあ、完全に部外者って訳じゃないわね! ごめんなさい~」
今度は、チラッとディーネと、その頭に乗ってるルピナスを見て
「ちょっと変わってるけど、良い子達ね。いいわ~ 貴方に任せましょう」
ウンウンと頷いて一人納得している。
「そんなに難しい事じゃないわ~ サラのダンジョンでの修行に協力してほしいのよ」
軽い調子で、とんでもない提案をしてきたのだった。
◻ ◼ ◻
フィーネの提案の後、サラは次々と蜂を狩りだし、あっという間に僕と同じ三十匹を狩ってしまった。
「凄い! 魔素吸収が三十匹も出来るなんて!」
サラが興奮気味に魔素吸収を行っている傍らで、僕は蜂の蜜袋と麻痺針の回収を行っている。
サラは瓶を大量に持ってきており、今回の報酬として譲り受けたのだ。
サラは素材には其ほど興味が無いらしく、回収してくれるなら好きにして構わないと言われた。
「黒魔武器使うのは今回だけよ~、ミリア様からも試練に挑む迄は、楽させるなって言われてるんだから~」
何だかんだ言いながら、サラに甘い感じのフィーネが困ったように訴えている。
「わかったわよ! 使わなければ文句ないんでしょ!」
フィーネと話す時は若干、子供っぽい口調になるサラが黒魔弓をポーチに仕舞うと別の弓を出してきた。
それは、小型だが美しい、木の弓だった。だが単純な木の弓では無く弓を番える部分が黒い鉄で補強されたように覆われている。
フィーネが近寄ってきて解説してくれた「精霊樹の枝から作った弓に黒魔鉄製の装填具を装着した[装填式複合弓]よ、領営工房ではダンジョン産の魔木と劣化黒魔鉄を使って作った物を[コンポジットボウ]と呼んでるみたいだけど」
劣化黒魔鉄は、僕の使ってる盾や補強材に使われている素材と同じで、鉄に黒魔鉄の粉末を配合した物らしい。
「領営工房では黒魔鉄製の物を使わないんですか? やっぱり値段ですか?」
景気の良い領営工房は、儲け易い大量生産品しか扱わないのだろうか?
「そうね、黒魔鉄鉱の値段の問題もあるけど、火の精霊と契約していない鍛冶師では黒魔鉄鉱を加工出来ないのよ」
僕はいきなり人間種の限界を突き付けられた気分になるのだった。
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