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067:エルフィーデから来た少女1
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僕以外には誰もいないと思っていた狩り場に、他に人がいた事に驚いた。
その相手が昨日、僕に忠告してくれたエルフの少女だと分かり更に驚いた。
普段から不人気な狩り場にしかいない僕は、そういう意味では少し不注意かもしれない。
驚いている僕の反応など、気にかけた様子も無く彼女は話し始めた。
「精霊術師というか、貴方の場合は正確には精霊召喚師とでも呼ぶべきかしら」
姿から年齢は僕とかわらなく見えるが、相手はエルフだ、外見だけでは判断できない、雰囲気が落ち着いているので尚更だった。
「あの……僕の戦闘ずっと見てたんですか?」僕は、ちょっと非難気味に質問してみた。
出来れば秘密にしておきたい事が、僕には幾つかあったからだ。
「あら何か問題でも?」そう言うと足早にこちらにやって来た。
そして、少し離れた場所で立ち止まると背負っていた弓を構えた。
「この醜い黒い弓を見てちょうだい黒魔鉄鉱からドワーフの手によって産み出された魔法弓よ! 正式には[装填式黒魔弓]と呼ばれているわ」そう言うと徐に弓を番えた。
弓にはいつの間にか弓矢がセットされていた。僕にはそれが魔力で出来た弓矢だと分かった。
僕が考えてる間に魔力の矢は放たれ、蜂の頭を貫いた。ディーネの射程距離の二倍近くはあるかもしれない。
「魔力の減衰も問題ないわね」そう言うと即座に二射目を放ち蜂を撃ち抜いた。
驚く程の連射性だった……ディーネの【スプラッシュアロー】の完全上位版と言っても良い性能だ。少し警戒を始めた蜂を有無を云わさず仕留めてしまった。
さすがに三匹目は警戒から敵対行動に移り、彼女に向かってきた。それでもあの連射性能だったら余裕で迎撃出来るだろう。
僕が慌てる事無く成り行きを見守っていると、彼女は持っていた弓をポーチに仕舞った。
(あれ? 二連射が限界?)
僕がそんな事を考えてる間にも、彼女は腰に差していた剣の柄に手をかけた。
「そして、これが[装填式黒魔剣]」彼女は接近してきた蜂に向け、剣を一閃してまた鞘に戻した。
あの黒い剣から放たれたのは、【風刃】だった。それも明らかにルピナスの物より強力な……強力すぎて蜂の頭部が消失していた。
「どうかしら? ここまで私の秘密を明かしたんだから、貴方の戦いを偶然とは言え観戦させて貰った件に見合うんじゃないかしら」
(どうやら彼女なりの謝罪的な物だったらしい、些か独善的な気がするけど……ということは弓を仕舞ったのは、剣の力を見せるためだよね)
どうやら二連射が限界では無さそうだ、恐らく装填された魔石の魔力が尽きる迄、使用出来る魔道具のような物かもしれない。
「それで、実は貴方にお願いがあるんだけど……」急に、しおらしい態度になった彼女に嫌な予感を覚えた。
その時、突然後ろの森から「何が何に見合うのかしら~」と不気味な声が響いてきたのだった。
その相手が昨日、僕に忠告してくれたエルフの少女だと分かり更に驚いた。
普段から不人気な狩り場にしかいない僕は、そういう意味では少し不注意かもしれない。
驚いている僕の反応など、気にかけた様子も無く彼女は話し始めた。
「精霊術師というか、貴方の場合は正確には精霊召喚師とでも呼ぶべきかしら」
姿から年齢は僕とかわらなく見えるが、相手はエルフだ、外見だけでは判断できない、雰囲気が落ち着いているので尚更だった。
「あの……僕の戦闘ずっと見てたんですか?」僕は、ちょっと非難気味に質問してみた。
出来れば秘密にしておきたい事が、僕には幾つかあったからだ。
「あら何か問題でも?」そう言うと足早にこちらにやって来た。
そして、少し離れた場所で立ち止まると背負っていた弓を構えた。
「この醜い黒い弓を見てちょうだい黒魔鉄鉱からドワーフの手によって産み出された魔法弓よ! 正式には[装填式黒魔弓]と呼ばれているわ」そう言うと徐に弓を番えた。
弓にはいつの間にか弓矢がセットされていた。僕にはそれが魔力で出来た弓矢だと分かった。
僕が考えてる間に魔力の矢は放たれ、蜂の頭を貫いた。ディーネの射程距離の二倍近くはあるかもしれない。
「魔力の減衰も問題ないわね」そう言うと即座に二射目を放ち蜂を撃ち抜いた。
驚く程の連射性だった……ディーネの【スプラッシュアロー】の完全上位版と言っても良い性能だ。少し警戒を始めた蜂を有無を云わさず仕留めてしまった。
さすがに三匹目は警戒から敵対行動に移り、彼女に向かってきた。それでもあの連射性能だったら余裕で迎撃出来るだろう。
僕が慌てる事無く成り行きを見守っていると、彼女は持っていた弓をポーチに仕舞った。
(あれ? 二連射が限界?)
僕がそんな事を考えてる間にも、彼女は腰に差していた剣の柄に手をかけた。
「そして、これが[装填式黒魔剣]」彼女は接近してきた蜂に向け、剣を一閃してまた鞘に戻した。
あの黒い剣から放たれたのは、【風刃】だった。それも明らかにルピナスの物より強力な……強力すぎて蜂の頭部が消失していた。
「どうかしら? ここまで私の秘密を明かしたんだから、貴方の戦いを偶然とは言え観戦させて貰った件に見合うんじゃないかしら」
(どうやら彼女なりの謝罪的な物だったらしい、些か独善的な気がするけど……ということは弓を仕舞ったのは、剣の力を見せるためだよね)
どうやら二連射が限界では無さそうだ、恐らく装填された魔石の魔力が尽きる迄、使用出来る魔道具のような物かもしれない。
「それで、実は貴方にお願いがあるんだけど……」急に、しおらしい態度になった彼女に嫌な予感を覚えた。
その時、突然後ろの森から「何が何に見合うのかしら~」と不気味な声が響いてきたのだった。
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