65 / 213
065:蜂狩り解禁3
しおりを挟む
群れ全体の動きを観察しながら、蜂の群れに接近した。
群れとは言っても、全ての蜂が川魚の群れのように同じ動きしている訳ではなく、三匹ぐらいの群体の集まりに過ぎないと見て取れた。
(群れから少しでも離れた蜂から潰していこう)
ルピナスに釣りの指示を出すと、僕の意図を理解してくれたらしく、一番外れを翔んでいた蜂に【風刃】を当て、こちらに一匹だけ引っ張ってきた。
蜂狩りに一番慣れているディーネが、素早く【スプラッシュアロー】を放ち、狙いはたがわず蜂の頭部に突き刺さった。
呆気なく一匹を仕留められた僕は、ディーネの準備を待って、ルピナスに二匹目の釣りを指示した。予想はしていたが残りの二匹は同時に襲ってきた。
三匹には何らかの繋がりでもあるのか、一匹が倒された後は残りの二匹の動きに明らかな変化が見られ、小刻みに震えるような動きを見せ始めた。恐らくその動きが蜂の警戒状態なのかもしれない。
空を飛んでいる有利さの薄いルピナスを消すと、一気に僕めがけて二匹が襲ってくる。
準備していた、ディーネの【スプラッシュアロー】が一匹目の頭を撃ち抜いた。
ディーネの【スプラッシュアロー】は連射は出来ないが、多少時間を置けば使用可能になる。
再使用可能になるまで、残りの一匹は僕が受け持つ事になる。
蜂は空中をかなり素早く自在に動けるようで、相手を翻弄するように動き回る。
だが、麻痺針での攻撃時に一瞬空中で停止するので回避や、盾で弾くのは僕にとって其ほど難しい事ではなかった。これが二匹以上で連携してこられれば厄介に違いない。
実際のところ、空中での素早い動きの最中に、近接武器を当てるのはなかなか困難に思われた。
(蜂狩りが流行らないのは良く分かるな、釣りが上手くいかなくて三匹に一度に来られたら、パニックになりそうだ……)
蜂からの二度目の攻撃の瞬間を狙い澄ましたように、ディーネが【スプラッシュアロー】を放ち、最後の蜂を仕留めてくれた。
(蜂狩りに関してディーネの慣れた動きに、かなり助けられているなあ)
僕は急いで仕留めた蜂から魔素吸収を行った。
実際に吸収してみて感じた事だが、一層のレッサーラビットと比べると魔素濃度が濃くて精霊石も【おいしい】と言ってるように感じた。
やはり層が深くなると、魔物の大きさに関係無く魔素吸収の効率が良くなる、強くなるには下層に降りるしか無さそうだ。
小物狩りでも下層に行けば強くなれる、僕の今のやり方でも強くなれるのだ。
三匹狩るのに、それ程時間もかからなかった。何よりウサギ狩りのように獲物を探索する必要もない。
僕は短期間で更に強くなれるかもしれないという思いに、少し高揚した気分で、次の獲物に向かっていくのだった。
群れとは言っても、全ての蜂が川魚の群れのように同じ動きしている訳ではなく、三匹ぐらいの群体の集まりに過ぎないと見て取れた。
(群れから少しでも離れた蜂から潰していこう)
ルピナスに釣りの指示を出すと、僕の意図を理解してくれたらしく、一番外れを翔んでいた蜂に【風刃】を当て、こちらに一匹だけ引っ張ってきた。
蜂狩りに一番慣れているディーネが、素早く【スプラッシュアロー】を放ち、狙いはたがわず蜂の頭部に突き刺さった。
呆気なく一匹を仕留められた僕は、ディーネの準備を待って、ルピナスに二匹目の釣りを指示した。予想はしていたが残りの二匹は同時に襲ってきた。
三匹には何らかの繋がりでもあるのか、一匹が倒された後は残りの二匹の動きに明らかな変化が見られ、小刻みに震えるような動きを見せ始めた。恐らくその動きが蜂の警戒状態なのかもしれない。
空を飛んでいる有利さの薄いルピナスを消すと、一気に僕めがけて二匹が襲ってくる。
準備していた、ディーネの【スプラッシュアロー】が一匹目の頭を撃ち抜いた。
ディーネの【スプラッシュアロー】は連射は出来ないが、多少時間を置けば使用可能になる。
再使用可能になるまで、残りの一匹は僕が受け持つ事になる。
蜂は空中をかなり素早く自在に動けるようで、相手を翻弄するように動き回る。
だが、麻痺針での攻撃時に一瞬空中で停止するので回避や、盾で弾くのは僕にとって其ほど難しい事ではなかった。これが二匹以上で連携してこられれば厄介に違いない。
実際のところ、空中での素早い動きの最中に、近接武器を当てるのはなかなか困難に思われた。
(蜂狩りが流行らないのは良く分かるな、釣りが上手くいかなくて三匹に一度に来られたら、パニックになりそうだ……)
蜂からの二度目の攻撃の瞬間を狙い澄ましたように、ディーネが【スプラッシュアロー】を放ち、最後の蜂を仕留めてくれた。
(蜂狩りに関してディーネの慣れた動きに、かなり助けられているなあ)
僕は急いで仕留めた蜂から魔素吸収を行った。
実際に吸収してみて感じた事だが、一層のレッサーラビットと比べると魔素濃度が濃くて精霊石も【おいしい】と言ってるように感じた。
やはり層が深くなると、魔物の大きさに関係無く魔素吸収の効率が良くなる、強くなるには下層に降りるしか無さそうだ。
小物狩りでも下層に行けば強くなれる、僕の今のやり方でも強くなれるのだ。
三匹狩るのに、それ程時間もかからなかった。何よりウサギ狩りのように獲物を探索する必要もない。
僕は短期間で更に強くなれるかもしれないという思いに、少し高揚した気分で、次の獲物に向かっていくのだった。
0
お気に入りに追加
311
あなたにおすすめの小説

異端の紅赤マギ
みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】
---------------------------------------------
その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。
いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。
それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。
「ここは異世界だ!!」
退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。
「冒険者なんて職業は存在しない!?」
「俺には魔力が無い!?」
これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・
---------------------------------------------------------------------------
「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。
また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・
★次章執筆大幅に遅れています。
★なんやかんやありまして...

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。


異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる