61 / 213
061:躍進3
しおりを挟む
地上に戻った僕は、四匹ものレッサーラビットを吊るして歩いていた事で多少、目立ってしまっていた。
地上に出て一番最初に驚かれたのは、よく声をかけてくれる衛兵の二人だった。
「驚いたな、この前二匹、狩ってきてたのでも随分、驚かされたんだけどな!」
と若い衛兵がそう声を掛けてきた。もう一人のこの前、僕の事を心配してくれた年配の衛兵は、
「いや、子供だと思って偉そうに説教臭い事を言ってすまなかったな、これからも都市の発展の為に頑張ってくれ」なんだか謝罪されてしまった。
「先輩、堅苦しすぎますよ! だが俺からも頼む、頑張ってくれ!」
こんな風に都市の衛兵に言われる日が来るとは思ってもいなかったので、僕はなんだか一人前になった気分になり
「はい! 頑張ります!」つい嬉しくなって、元気に返事してしまった。
「やはり、そういう所は年相応なんだな!」「ああ、頑張ってくれ」
二人に、なんだか笑われてしまった。
衛兵の人達とそんな会話をしていれば、他の探索者の注意を引くのは当然の事で、なんとなく僕の事が話題に昇り始めた。
「あんな子供が一人で四匹だと、俺もウサギ狩りに転向すっかな?」
「お前、魔物とガチでやれんのかよ、やれねえだろが!」
「そうかもしれんが、四匹も狩れりゃあ俺の装備の借金も……」
「やれやれだぜ、考えが足りねえのが多すぎるぜ! ウサギにチマチマ装備削られてえのかよ! なあお前ら! その為にタワーシールドに攻撃集中させてんだろが!」
少し離れた場所にいた盾を背負った大柄の男が大声で言い出した
「全くだぜ、どうして小物狩りが廃れて、今のやり方が主流になったのかも知らねえ、俄な新参野郎どもが増えたぜ、まったくよ!」
パーティーメンバーらしき小柄な男が同意した。
「どだい、あんなガキが四匹も狩れるってのがおかしいんだよ! 魔法持ちかなんかじゃねえのか?」
何処かからか、そんな声が挙がった。それに相鎚を打つように
「ケッ! 何だよ魔法とか成金探索者かよ……」と、誰かから若干羨ましそうな嫉妬混じりの声がした。
「いやいや、俺の目は誤魔化されねえぞ、装備は古びちゃいるがファングクラスの品だな」
小柄なさっきの男がそう言った、なかなか目端の効く男のようだ
「なんだよ、装備でごり押しかよ、自慢にもならねえな」さっきの盾持ちの男が馬鹿にしたようにそう大声で言い放つた。
辺りに笑い声が満ち、雰囲気が徐々に僕に対する非難じみた物に代わり始めた。
年配の衛兵が「おい君、さっさとこの場を離れなさい、何だか雲行きが怪しくなってきた。変なのに難癖つけられる前にな」
若い衛兵も「不愉快な想いををする前に離れたほうがいい」
僕も変なのに絡まれるのは嫌だったので、皆が笑っている間に、この場を立ち去ろうとした。
その時、僕の後ろからダンジョンを出てきた一団から、声が挙がった。
「あらあら、久し振りにガザフに来てみれば随分と探索者の質も落ちたものね! 子供が、たかだかウサギ四匹狩ったくらいで大騒ぎかしら?」
その声を挙げた女性は、僕が今まで見た事も無いような美しい容姿をしたエルフだった。
「てっ! 【天弓】のミリア!」年配の衛兵の驚きの声が、その場に響き渡ったのだった。
地上に出て一番最初に驚かれたのは、よく声をかけてくれる衛兵の二人だった。
「驚いたな、この前二匹、狩ってきてたのでも随分、驚かされたんだけどな!」
と若い衛兵がそう声を掛けてきた。もう一人のこの前、僕の事を心配してくれた年配の衛兵は、
「いや、子供だと思って偉そうに説教臭い事を言ってすまなかったな、これからも都市の発展の為に頑張ってくれ」なんだか謝罪されてしまった。
「先輩、堅苦しすぎますよ! だが俺からも頼む、頑張ってくれ!」
こんな風に都市の衛兵に言われる日が来るとは思ってもいなかったので、僕はなんだか一人前になった気分になり
「はい! 頑張ります!」つい嬉しくなって、元気に返事してしまった。
「やはり、そういう所は年相応なんだな!」「ああ、頑張ってくれ」
二人に、なんだか笑われてしまった。
衛兵の人達とそんな会話をしていれば、他の探索者の注意を引くのは当然の事で、なんとなく僕の事が話題に昇り始めた。
「あんな子供が一人で四匹だと、俺もウサギ狩りに転向すっかな?」
「お前、魔物とガチでやれんのかよ、やれねえだろが!」
「そうかもしれんが、四匹も狩れりゃあ俺の装備の借金も……」
「やれやれだぜ、考えが足りねえのが多すぎるぜ! ウサギにチマチマ装備削られてえのかよ! なあお前ら! その為にタワーシールドに攻撃集中させてんだろが!」
少し離れた場所にいた盾を背負った大柄の男が大声で言い出した
「全くだぜ、どうして小物狩りが廃れて、今のやり方が主流になったのかも知らねえ、俄な新参野郎どもが増えたぜ、まったくよ!」
パーティーメンバーらしき小柄な男が同意した。
「どだい、あんなガキが四匹も狩れるってのがおかしいんだよ! 魔法持ちかなんかじゃねえのか?」
何処かからか、そんな声が挙がった。それに相鎚を打つように
「ケッ! 何だよ魔法とか成金探索者かよ……」と、誰かから若干羨ましそうな嫉妬混じりの声がした。
「いやいや、俺の目は誤魔化されねえぞ、装備は古びちゃいるがファングクラスの品だな」
小柄なさっきの男がそう言った、なかなか目端の効く男のようだ
「なんだよ、装備でごり押しかよ、自慢にもならねえな」さっきの盾持ちの男が馬鹿にしたようにそう大声で言い放つた。
辺りに笑い声が満ち、雰囲気が徐々に僕に対する非難じみた物に代わり始めた。
年配の衛兵が「おい君、さっさとこの場を離れなさい、何だか雲行きが怪しくなってきた。変なのに難癖つけられる前にな」
若い衛兵も「不愉快な想いををする前に離れたほうがいい」
僕も変なのに絡まれるのは嫌だったので、皆が笑っている間に、この場を立ち去ろうとした。
その時、僕の後ろからダンジョンを出てきた一団から、声が挙がった。
「あらあら、久し振りにガザフに来てみれば随分と探索者の質も落ちたものね! 子供が、たかだかウサギ四匹狩ったくらいで大騒ぎかしら?」
その声を挙げた女性は、僕が今まで見た事も無いような美しい容姿をしたエルフだった。
「てっ! 【天弓】のミリア!」年配の衛兵の驚きの声が、その場に響き渡ったのだった。
0
お気に入りに追加
311
あなたにおすすめの小説

異端の紅赤マギ
みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】
---------------------------------------------
その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。
いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。
それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。
「ここは異世界だ!!」
退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。
「冒険者なんて職業は存在しない!?」
「俺には魔力が無い!?」
これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・
---------------------------------------------------------------------------
「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。
また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・
★次章執筆大幅に遅れています。
★なんやかんやありまして...

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。


転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる