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056:ダンジョンの役割2
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シルフィーから三十年も前のダンジョンが発見された時の話を色々聞いた。自分の住んでいた土地の荒廃の原因が魔素にあり、既に原因が分かっているのにどうにも出来ない事がもどかしかった。
(薬草畑を癒せた事だけでも良かったと思うべきかな……今の僕は出来る事をやるしかないよね)
「重要な事がまだだったわね……ダンジョンが発見されてからガザフ周辺は徐々に魔素濃度が低下していったの。それに拍車をかけたのは、周辺の森林の伐採ね、都市建設に用いられる目的で大量に伐採されたの」
僕は村を出て、ガザフに来るまでに森がすっかり失われているのを見てきた。
「でも結果的にそれがガザフ周辺地域の土地を荒廃から回復させたの、魔素が抜けた土地は徐々に回復するのよ」
ガザフ周辺にはトネ村のような新しい農村が増えていて、その農村が都市の人口増加を影から支えている。
(コルネ村も森を伐採すれば農村に生まれ変われるのかな……)
僕はその思いを振り払った、これからの村の行く道は村で暮らす者達で選択していくしかないのだ。
「ダンジョン内で発見された遺跡からは魔道具等の技術の発展に貢献する物も多数発見されているわ、ここ数年で大きな収穫はミスリルの魔法剣が、新しいくダンジョンで発見された遺跡から回収された事ね」
僕は、ダリル鍛冶屋で聞いた話を思い出した。
(劣化魔法剣の製法をガザフに公開するエルフィーデ女王国の本当の意図とは何なのだろう? エルフィーデ女王国の事を少し知った今では単純な善意とは考えられなかった)
「それ以上に重要だったのは文献だったの。遺跡研究所で解読された結果、このダンジョンは魔素を吸収する為の巨大な魔道具として作られた物らしいの」
(ダンジョンが魔素を回収する役割を持っている……僕には良い事に思えるが違うのだろうか?)
シルフィーの表情から事が、其ほど単純では無いことが読み取れた。
「そしてその危険性についても知られる事になったの……このダンジョンを作ったと思われる者が残した日記らしき物の断片が見つかったのよ。数年前、遺跡から持ち帰られた文献の一部に混ざっていたらしいの……」
※ ※ ※ ※ ※
『この計画は壮大な実験である。このままでは世界は魔素により荒廃し、魔物が蔓延る人の住めない場所となるだろう』
『神授の森計画では遅すぎる、森が大地を覆う頃には人のほとんどは死滅しているだろう……』
『我々は世界を荒らす魔素を急速に閉じ込める事が可能になったのだ! そうだ檻だ! このダンジョンは魔素から生まれる魔物を閉じ込める為の檻なのだ!』
『……だが我々は誤った選択をしたのかもしれない……この濃縮した魔素から産み出された……に我々は……』
『……本当に勝てるのか?』
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「でも結果的にそれがガザフ周辺地域の土地を荒廃から回復させたの、魔素が抜けた土地は徐々に回復するのよ」
ガザフ周辺にはトネ村のような新しい農村が増えていて、その農村が都市の人口増加を影から支えている。
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僕はその思いを振り払った、これからの村の行く道は村で暮らす者達で選択していくしかないのだ。
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僕は、ダリル鍛冶屋で聞いた話を思い出した。
(劣化魔法剣の製法をガザフに公開するエルフィーデ女王国の本当の意図とは何なのだろう? エルフィーデ女王国の事を少し知った今では単純な善意とは考えられなかった)
「それ以上に重要だったのは文献だったの。遺跡研究所で解読された結果、このダンジョンは魔素を吸収する為の巨大な魔道具として作られた物らしいの」
(ダンジョンが魔素を回収する役割を持っている……僕には良い事に思えるが違うのだろうか?)
シルフィーの表情から事が、其ほど単純では無いことが読み取れた。
「そしてその危険性についても知られる事になったの……このダンジョンを作ったと思われる者が残した日記らしき物の断片が見つかったのよ。数年前、遺跡から持ち帰られた文献の一部に混ざっていたらしいの……」
※ ※ ※ ※ ※
『この計画は壮大な実験である。このままでは世界は魔素により荒廃し、魔物が蔓延る人の住めない場所となるだろう』
『神授の森計画では遅すぎる、森が大地を覆う頃には人のほとんどは死滅しているだろう……』
『我々は世界を荒らす魔素を急速に閉じ込める事が可能になったのだ! そうだ檻だ! このダンジョンは魔素から生まれる魔物を閉じ込める為の檻なのだ!』
『……だが我々は誤った選択をしたのかもしれない……この濃縮した魔素から産み出された……に我々は……』
『……本当に勝てるのか?』
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