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048:蜂蜜騒動1
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翌日、ダンジョン一層での狩りを普段と変わらず行った僕は、お昼頃には、既に四匹のレッサーラビットを狩り、四匹の血抜きの最中だった。
ルピナスを仲間にし、装備を更新した僕の狩りは順調そのものだった。
既に十匹のレッサーラビットの魔素を吸収しているので、肉体的な変化も感じられるようになってきた。
四匹の血抜きが終わるのを待ってからでも、後二匹くらいは余裕で狩れそうな調子だ。
(うーん、どうしようかな? 二層の様子、気になるな……)
だから、わざわざ荒れてそうな蜂の狩り場に向かう必要もないのだが、何が起こってるのか気になるのも事実だった。
(獲物の血抜きがてら二層へ移動すれば、そんなに時間を無駄にしないかな)
少し狩り場の様子を確認するくらいの時間は取れると考え、直ぐに移動を始めたのだった。
◻ ◼ ◻
到着した二層も草原エリアなのだが、一層との大きな違いは中央付近に広大な森林エリアが広がっているところだった。
僕の目的地はその森林の中にあるという花畑だ、草原を抜け、森林エリアに入り暫く歩くと、森を抜けた場所に広大な花畑が広がっていた。
しかし、その場所は騒然とした雰囲気になっていた。
そこかしこに探索者で溢れ、蜂狩りが行われていたのだ。しかも、狩り場には、まるで警備でもするように二人の探索者が槍を掲げて立っている。
花畑に近づいてきた僕の姿を見て「ウサギ狩りか……すまないがローダンヌ商会の依頼を受けて、この場所はクラン風の牙が現在、占有している。用が無いなら早々に立ち去ってくれ」
クランというのは、ギルドに登録する集団の事らしい。同じ目的を共有して探索を行う探索者の集まりで、階層更新を目的とした集まり等、クラン毎に目的は様々のようだ。
(じいちゃんも試練に挑んだ時に参加していたと言ってたな)
僕は、軽く頷いて右手を挙げ軽く挨拶をして、その場から離れる事にした。
(さっさと離れるのが正解だな、敵対しない相手に対する礼儀は心得てるみたいだけど、口調は丁寧だが剣呑な雰囲気の連中だ)
僕が血抜き中のウサギを下げて歩いていたのが良かったようだ。
少し離れた場所で、明らかに蜂蜜狩りに来ている集団と揉めている姿がみられた。
「おいおい、狩り場を占有だと⁉ お前ら何様のつもりだ!」集団のリーダーらしき男が警備をしている男に、食って掛かっているようだ。
「そうだ、ガザフでの蜂蜜不足を改善する非常措置だ。大方、蜂蜜の値上がりを当て込んでやって来たんだろうが、いつもの狩り場に戻るんだな。それともローダンヌ商会に敵対する一味の関係者か?」
どうやら、この物々しい警戒は、敵対商会からの妨害を考慮してのものだったらしい。
「なに⁉ そんな訳ねえだろ! おい! みんな行くぞ、変な疑いかけられちゃたまんねえ」
敵対の一言が効いたのか、慌てて集団が引き返していく。その背に――
「まあ、この騒動が落ち着いたら、また来てくれよ」と、少し揶揄するような口調で警備の男が言葉を投げ掛けた。
「うるせえ! 相場が落ち着いたら、こんな厄介なだけの狩り場に誰が好き好んでくるかよ!」
集団のリーダーらしき男が、そう悪態をついた。
「ちげえねえ!」警備をしていた男達がそう言って笑いだしたので、緊張を孕んだ雰囲気だった、この場が少し和んだ。
僕もこの場に留まって、妙な疑いをかけられるのも嫌だったので、その場を離れる事にした。
そして花畑を少し遠巻きにして歩いていると……その騒動らしきものが進行方向から聞こえてきたのだった。
ルピナスを仲間にし、装備を更新した僕の狩りは順調そのものだった。
既に十匹のレッサーラビットの魔素を吸収しているので、肉体的な変化も感じられるようになってきた。
四匹の血抜きが終わるのを待ってからでも、後二匹くらいは余裕で狩れそうな調子だ。
(うーん、どうしようかな? 二層の様子、気になるな……)
だから、わざわざ荒れてそうな蜂の狩り場に向かう必要もないのだが、何が起こってるのか気になるのも事実だった。
(獲物の血抜きがてら二層へ移動すれば、そんなに時間を無駄にしないかな)
少し狩り場の様子を確認するくらいの時間は取れると考え、直ぐに移動を始めたのだった。
◻ ◼ ◻
到着した二層も草原エリアなのだが、一層との大きな違いは中央付近に広大な森林エリアが広がっているところだった。
僕の目的地はその森林の中にあるという花畑だ、草原を抜け、森林エリアに入り暫く歩くと、森を抜けた場所に広大な花畑が広がっていた。
しかし、その場所は騒然とした雰囲気になっていた。
そこかしこに探索者で溢れ、蜂狩りが行われていたのだ。しかも、狩り場には、まるで警備でもするように二人の探索者が槍を掲げて立っている。
花畑に近づいてきた僕の姿を見て「ウサギ狩りか……すまないがローダンヌ商会の依頼を受けて、この場所はクラン風の牙が現在、占有している。用が無いなら早々に立ち去ってくれ」
クランというのは、ギルドに登録する集団の事らしい。同じ目的を共有して探索を行う探索者の集まりで、階層更新を目的とした集まり等、クラン毎に目的は様々のようだ。
(じいちゃんも試練に挑んだ時に参加していたと言ってたな)
僕は、軽く頷いて右手を挙げ軽く挨拶をして、その場から離れる事にした。
(さっさと離れるのが正解だな、敵対しない相手に対する礼儀は心得てるみたいだけど、口調は丁寧だが剣呑な雰囲気の連中だ)
僕が血抜き中のウサギを下げて歩いていたのが良かったようだ。
少し離れた場所で、明らかに蜂蜜狩りに来ている集団と揉めている姿がみられた。
「おいおい、狩り場を占有だと⁉ お前ら何様のつもりだ!」集団のリーダーらしき男が警備をしている男に、食って掛かっているようだ。
「そうだ、ガザフでの蜂蜜不足を改善する非常措置だ。大方、蜂蜜の値上がりを当て込んでやって来たんだろうが、いつもの狩り場に戻るんだな。それともローダンヌ商会に敵対する一味の関係者か?」
どうやら、この物々しい警戒は、敵対商会からの妨害を考慮してのものだったらしい。
「なに⁉ そんな訳ねえだろ! おい! みんな行くぞ、変な疑いかけられちゃたまんねえ」
敵対の一言が効いたのか、慌てて集団が引き返していく。その背に――
「まあ、この騒動が落ち着いたら、また来てくれよ」と、少し揶揄するような口調で警備の男が言葉を投げ掛けた。
「うるせえ! 相場が落ち着いたら、こんな厄介なだけの狩り場に誰が好き好んでくるかよ!」
集団のリーダーらしき男が、そう悪態をついた。
「ちげえねえ!」警備をしていた男達がそう言って笑いだしたので、緊張を孕んだ雰囲気だった、この場が少し和んだ。
僕もこの場に留まって、妙な疑いをかけられるのも嫌だったので、その場を離れる事にした。
そして花畑を少し遠巻きにして歩いていると……その騒動らしきものが進行方向から聞こえてきたのだった。
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