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038:青い鳥と共に1
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二度目のダンジョン探索も目的地は遠くに見える木を目指す事にした。
今回は一人ではなく僕の頭の上を青い小鳥が「チチチッ」と、とても気持ちよさそうに飛んでいる。
シルフィーに聞いた話だとダンジョン内なら魔素が豊富だから出しっぱなしでも自分で魔力を維持できるそうだ。
「ルピナス、お前、会話が出来れば良いのになあ、僕が強くなればお前も強くなるんだよね? そしたら話せるようになったりするのかな?」
まるで肯定でもするように「ピッ!」と鳴くと僕の所に飛んで来て、頭の上でに乗ると寛ぎ出した。
暫くそうしてルピナスの相手をしながら草原を進むと
「見えてきたな、いるいる」僕は木の側にレッサーラビットを発見した。
レッサーラビットは二匹いて、そのまま接近すれば少なくとも一匹は逃げてしまう、僕は頭の上のルピナスにレッサーラビットに接近するように命じた。
ルピナスは静かに接近し上空に待機している、鳥というより蜂のようだった。
僕が二匹を観察していると、暫くして一匹が背を向け反対方向に離れた。
僕は「ルピナス、【風刃】」と命じるとルピナスは、風の小さな刃を飛ばし、それが近くにいる一匹に命中した。
「よし、上手くいった!」接近しても敵と認識していなかったルピナスを明らかに敵と認識して猛然と追ってくる。
レッサーラビットがルピナスに誘導され僕のすぐ側まで来ると、ルピナスの召喚を解いた。
敵を見失ったレッサーラビットは、その場で固まっている。僕は隠れていた草の茂みから飛び出し、突きの体勢で飛び掛かった。
僕の突きは固まっていたレッサーラビットの首筋に突き刺さった。さらに、ひねりを入れながら、切り裂いた。
「ギィ ゲェッ」と断末魔の悲鳴を上げて、痙攣したように動いていたが……そのうち静かになり動かなくなった。
ほぼ一撃だった……僕は初戦闘の開幕の失敗の雪辱を果たしたのだった。
仕留めたのを確認した僕は、素早く魔素の吸収を始め、そのあと精霊石の [ごはん] にした。
「僕が魔力を注いでいる時とはやはり反応が違うな、魔物の魔素はやはり美味しいみたいだな」
魔物の魔素を吸収している時は、精霊石は淡い光を明滅させて【おいしい】といってるように感じるのだ。
(……なんか串焼きを食べてる時のキャロみたいだな)
僕は昨日の夕方に、串焼きを食べて耳をピクピクさせている姿と、精霊石の光りの明滅の様子が、何だかとても似ている気がして少し愉快になった。
魔素の吸収も無事終わり、僕はもう一匹の様子を探った。
最初に発見したときよりもかなり距離は離れているが、完全に逃げ出した訳ではないみたいだ。
(でも耳があちこち探る様に動いてるな……かなり警戒してるみたいだ……)
恐らく耳の良いレッサーラビットは、もう一匹の断末魔の悲鳴を聞いたのかもしれない。
僕は近くの木の枝に、もう一匹のレッサーラビットからは、なるべく死角になる位置に仕留めた獲物の頭を下にして吊り下げた。
血抜きには時間を取られるので、次の戦闘時間も無駄にはできない。
「警戒してるから、さっきほどは上手くいかないだろうけど……ルピナスいけ!」
僕はルピナスを召喚しレッサーラビットのもとへ飛ばせたのだった。
今回は一人ではなく僕の頭の上を青い小鳥が「チチチッ」と、とても気持ちよさそうに飛んでいる。
シルフィーに聞いた話だとダンジョン内なら魔素が豊富だから出しっぱなしでも自分で魔力を維持できるそうだ。
「ルピナス、お前、会話が出来れば良いのになあ、僕が強くなればお前も強くなるんだよね? そしたら話せるようになったりするのかな?」
まるで肯定でもするように「ピッ!」と鳴くと僕の所に飛んで来て、頭の上でに乗ると寛ぎ出した。
暫くそうしてルピナスの相手をしながら草原を進むと
「見えてきたな、いるいる」僕は木の側にレッサーラビットを発見した。
レッサーラビットは二匹いて、そのまま接近すれば少なくとも一匹は逃げてしまう、僕は頭の上のルピナスにレッサーラビットに接近するように命じた。
ルピナスは静かに接近し上空に待機している、鳥というより蜂のようだった。
僕が二匹を観察していると、暫くして一匹が背を向け反対方向に離れた。
僕は「ルピナス、【風刃】」と命じるとルピナスは、風の小さな刃を飛ばし、それが近くにいる一匹に命中した。
「よし、上手くいった!」接近しても敵と認識していなかったルピナスを明らかに敵と認識して猛然と追ってくる。
レッサーラビットがルピナスに誘導され僕のすぐ側まで来ると、ルピナスの召喚を解いた。
敵を見失ったレッサーラビットは、その場で固まっている。僕は隠れていた草の茂みから飛び出し、突きの体勢で飛び掛かった。
僕の突きは固まっていたレッサーラビットの首筋に突き刺さった。さらに、ひねりを入れながら、切り裂いた。
「ギィ ゲェッ」と断末魔の悲鳴を上げて、痙攣したように動いていたが……そのうち静かになり動かなくなった。
ほぼ一撃だった……僕は初戦闘の開幕の失敗の雪辱を果たしたのだった。
仕留めたのを確認した僕は、素早く魔素の吸収を始め、そのあと精霊石の [ごはん] にした。
「僕が魔力を注いでいる時とはやはり反応が違うな、魔物の魔素はやはり美味しいみたいだな」
魔物の魔素を吸収している時は、精霊石は淡い光を明滅させて【おいしい】といってるように感じるのだ。
(……なんか串焼きを食べてる時のキャロみたいだな)
僕は昨日の夕方に、串焼きを食べて耳をピクピクさせている姿と、精霊石の光りの明滅の様子が、何だかとても似ている気がして少し愉快になった。
魔素の吸収も無事終わり、僕はもう一匹の様子を探った。
最初に発見したときよりもかなり距離は離れているが、完全に逃げ出した訳ではないみたいだ。
(でも耳があちこち探る様に動いてるな……かなり警戒してるみたいだ……)
恐らく耳の良いレッサーラビットは、もう一匹の断末魔の悲鳴を聞いたのかもしれない。
僕は近くの木の枝に、もう一匹のレッサーラビットからは、なるべく死角になる位置に仕留めた獲物の頭を下にして吊り下げた。
血抜きには時間を取られるので、次の戦闘時間も無駄にはできない。
「警戒してるから、さっきほどは上手くいかないだろうけど……ルピナスいけ!」
僕はルピナスを召喚しレッサーラビットのもとへ飛ばせたのだった。
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