27 / 213
027:旧市街へ
しおりを挟む
昨日の夜は、色々考えてるうちにいつの間にか眠ってしまい、朝まで夢も見ることなく熟睡してしまったようだ。
少しばかり昨日より遅めに起き出した僕は、朝食を頂いた後、昨日借り受けた装備をゼダさんに紹介された鍛冶屋で見て貰うつもりだ。
半年前に引退したゼダさん達の装備は長らくマジックポーチの中で放置されていた。
これから本格的に使用するにはメンテナンスが必要になるだろうと言われたのだ。
猪鹿亭を出るときラナさんに、今日はダンジョンに入らず鍛冶屋に寄ってから、今日は時間があるので都市を見てまわるつもりだと伝えると、今日はウサギの煮込みと串焼きですと言われ、夕食が楽しみで仕方なくなった。
村では僕が食事の用意をしてたので、誰かに美味しい食事を準備していて貰えるのがこんなに嬉しいものだとは思わなかった。
◻ ◼ ◻
僕がこれから向かう所は旧市街と呼ばれる場所で、この地でダンジョンが発見され最初に入植が行われた場所である。
その後ガザフの急速な発展に対応出来なくなり、現在の南門と北門を結ぶ中央通りを中心に現在の新市街が新たに区画整備され、東に位置する一帯が旧市街と呼ばれるようになった。
猪鹿亭は南西部にあり、森林区画と呼ばれ、北西部にはこの地を納める辺境伯の領邸が存在する。
今回の目的地の旧市街へは、猪鹿亭を出て真っ直ぐ東へ向かい、交差した中央通りを越えて更に東へ向かう事になる。
暫くすると真新しい建物の多い新市街を外れ、少し古びた感じの石積みの家や、木の丸太を組み上げた村でよく見る家など統一感の無い街並みが見えてきた。
旧市街の中央通りに当たる、旧中央商店街通りには普通の店構え以外にも屋台や、露店も多数存在し、活気や品数だけなら、新市街の中央通り沿いに軒を連ねる商店に引けを取らないように思われた。
この都市に慣れない僕からすると、新市街の人を寄せ付けない少しよそよそしい雰囲気より、この場所の雑然としながらも親しみのある雰囲気が好ましく感じられた。
(昨日、中央通りの武器防具店で、相手にされなかったのが影響してしまってるな……)
目的の鍛冶屋を探して通りを北に向かう、暫く歩くと目印であるハンマーと金床の絵が書かれた看板が見えた、ダリル鍛冶屋が今日の目的地だった。
ダリル鍛冶屋はとても小さな店構えで商品等が置いてある訳ではなく、注文を受け武器や防具を作ってくれる。鍛冶屋とはそういうものらしい。
「うん? ここは子供の遊び場じゃねえぞ……ああ客かすまんな」いきなり怒られたので、僕は慌てて取り敢えず盾を出して見せた。
「防具のメンテナンスをお願いに来ました、ゼダさんという方からの紹介で……盾以外もあります」そう言ってレザージャケットを取り出した。
「随分酷い状態じゃねえか! それにこの防具は見覚えがあるな、テメエ紹介と言ったな、何があった!」
凄い剣幕で怒られてしまいました……
少しばかり昨日より遅めに起き出した僕は、朝食を頂いた後、昨日借り受けた装備をゼダさんに紹介された鍛冶屋で見て貰うつもりだ。
半年前に引退したゼダさん達の装備は長らくマジックポーチの中で放置されていた。
これから本格的に使用するにはメンテナンスが必要になるだろうと言われたのだ。
猪鹿亭を出るときラナさんに、今日はダンジョンに入らず鍛冶屋に寄ってから、今日は時間があるので都市を見てまわるつもりだと伝えると、今日はウサギの煮込みと串焼きですと言われ、夕食が楽しみで仕方なくなった。
村では僕が食事の用意をしてたので、誰かに美味しい食事を準備していて貰えるのがこんなに嬉しいものだとは思わなかった。
◻ ◼ ◻
僕がこれから向かう所は旧市街と呼ばれる場所で、この地でダンジョンが発見され最初に入植が行われた場所である。
その後ガザフの急速な発展に対応出来なくなり、現在の南門と北門を結ぶ中央通りを中心に現在の新市街が新たに区画整備され、東に位置する一帯が旧市街と呼ばれるようになった。
猪鹿亭は南西部にあり、森林区画と呼ばれ、北西部にはこの地を納める辺境伯の領邸が存在する。
今回の目的地の旧市街へは、猪鹿亭を出て真っ直ぐ東へ向かい、交差した中央通りを越えて更に東へ向かう事になる。
暫くすると真新しい建物の多い新市街を外れ、少し古びた感じの石積みの家や、木の丸太を組み上げた村でよく見る家など統一感の無い街並みが見えてきた。
旧市街の中央通りに当たる、旧中央商店街通りには普通の店構え以外にも屋台や、露店も多数存在し、活気や品数だけなら、新市街の中央通り沿いに軒を連ねる商店に引けを取らないように思われた。
この都市に慣れない僕からすると、新市街の人を寄せ付けない少しよそよそしい雰囲気より、この場所の雑然としながらも親しみのある雰囲気が好ましく感じられた。
(昨日、中央通りの武器防具店で、相手にされなかったのが影響してしまってるな……)
目的の鍛冶屋を探して通りを北に向かう、暫く歩くと目印であるハンマーと金床の絵が書かれた看板が見えた、ダリル鍛冶屋が今日の目的地だった。
ダリル鍛冶屋はとても小さな店構えで商品等が置いてある訳ではなく、注文を受け武器や防具を作ってくれる。鍛冶屋とはそういうものらしい。
「うん? ここは子供の遊び場じゃねえぞ……ああ客かすまんな」いきなり怒られたので、僕は慌てて取り敢えず盾を出して見せた。
「防具のメンテナンスをお願いに来ました、ゼダさんという方からの紹介で……盾以外もあります」そう言ってレザージャケットを取り出した。
「随分酷い状態じゃねえか! それにこの防具は見覚えがあるな、テメエ紹介と言ったな、何があった!」
凄い剣幕で怒られてしまいました……
0
お気に入りに追加
311
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。


リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる