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プロローグ
第1話 ミスリル鉱山とツルハシ売り
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かつてミスリルを手に入れようと鉱山に踏み込んだ連中がいたが、結局一番儲かったのは鉱山に入った奴ではなくそいつらにツルハシを売った連中だった。
その話を師匠から聞いたのは俺がまだ十三歳で右も左もわからずただ我武者羅に剣を振り、右左どころか何のために振ってるのかすらわからなくなっていた頃。
話を聞いて一番最初に思ったのはこうだ。
冒険者相手なら冒険者の道具を売った方がいい。
金になるかどうかもわからずダンジョンに潜り、ときには命の危険にさらされながらも、ダンジョン奥深くにある資源と、そこまで到達したのだという名誉のために戦う冒険者。
それはさながらミスリルを追い求める採掘者であり、彼らに武器、鎧、ポーションなどの道具を売ればかつてツルハシを売った連中と同じく儲けることができるだろう。
といって、俺には道具を売る才覚も、はたまた道具を仕入れる資金もない。
思いついた当時の俺は武器を買う金どころか、師匠がちゃんと育ててくれなかったために今日の夕食でさえ食えるかどうかと悩むくらいカツカツであり、小さな魔物を狩ってなんとかその日の腹を満たしていた。
そんなある日、いつものように夕食を狩ろうとうろついていると白骨化した冒険者が一人倒れているのを発見した。
首にぶら下げているネックレスはミスリルでSランク冒険者であることの証明。
どうやら無謀にも【荒れ地】に踏み込んで殺されてしまったらしい。
ここらへんの魔物は俺でも倒せるくらいなのになあと思いつつ、ふと彼の持っている装備に目が行った。
そしていいことを思いついた。
ダンジョンには百年以上前から冒険者が潜り死んできたという。
なら死んだ冒険者あるいは敗走した冒険者の落とした道具を売り払えばいい。
永久機関の完成だ。
師匠にこのアイディアを言ったら、そんな恥知らずなことをする奴なんていないと言われた。
なんてこった!
独占じゃないか!
俺は恥知らずになろうと思った。
その話を師匠から聞いたのは俺がまだ十三歳で右も左もわからずただ我武者羅に剣を振り、右左どころか何のために振ってるのかすらわからなくなっていた頃。
話を聞いて一番最初に思ったのはこうだ。
冒険者相手なら冒険者の道具を売った方がいい。
金になるかどうかもわからずダンジョンに潜り、ときには命の危険にさらされながらも、ダンジョン奥深くにある資源と、そこまで到達したのだという名誉のために戦う冒険者。
それはさながらミスリルを追い求める採掘者であり、彼らに武器、鎧、ポーションなどの道具を売ればかつてツルハシを売った連中と同じく儲けることができるだろう。
といって、俺には道具を売る才覚も、はたまた道具を仕入れる資金もない。
思いついた当時の俺は武器を買う金どころか、師匠がちゃんと育ててくれなかったために今日の夕食でさえ食えるかどうかと悩むくらいカツカツであり、小さな魔物を狩ってなんとかその日の腹を満たしていた。
そんなある日、いつものように夕食を狩ろうとうろついていると白骨化した冒険者が一人倒れているのを発見した。
首にぶら下げているネックレスはミスリルでSランク冒険者であることの証明。
どうやら無謀にも【荒れ地】に踏み込んで殺されてしまったらしい。
ここらへんの魔物は俺でも倒せるくらいなのになあと思いつつ、ふと彼の持っている装備に目が行った。
そしていいことを思いついた。
ダンジョンには百年以上前から冒険者が潜り死んできたという。
なら死んだ冒険者あるいは敗走した冒険者の落とした道具を売り払えばいい。
永久機関の完成だ。
師匠にこのアイディアを言ったら、そんな恥知らずなことをする奴なんていないと言われた。
なんてこった!
独占じゃないか!
俺は恥知らずになろうと思った。
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