34 / 40
第二章 選択する、選択させる
クエストの達成
しおりを挟む
星澤を殺してから国王がどこにいるのか聞けばよかったと後悔した。
俺は領主の家でしたように城の中を歩き回り、使用人を殺して『創造ポイント』を稼ぎつつ、ある部屋へと入っていった。
そこには国王ゲイラードの姿があった。彼は椅子に座りふんぞり返っているが、周りの従者たち、騎士たちは俺を恐れている。ここまでやってきたということの意味を国王はまだ理解できていないようだった。
「あ? お前誰だ?」
ゲイラードの近くには家族が固まって座っていた。レアとかいう子供も母親に抱かれている。俺をみて、泣き出した。
「泣くな男だろ」
レイは父親を見上げ、頷いた。
俺は頭をかいた。
「お前が簒奪の王か」
ゲイラードは額に血管を浮かせた。徐々に顔が赤くなっていく。
「この俺を冒涜するのか! 俺こそが王だ。簒奪などではない。あんな小娘に国王を名乗らせてたまるか」
俺は相変わらず頭をかいて、指に血がついているのを確認して舌打ちした。
「風呂に入りたい」
「あ?」
「おまえ殺すわ」
魔法兵器で国王を狙撃する。しかし、弾かれた。何人もの魔術師が防御魔法を使ったらしい。
「はははその程度か」
「ふうん」
『創造ポイント』を使ってバリスタを最大まで強化する。
弓に矢をつがえる。
「同じこと……ぎゃああ」
国王の肩に矢が刺さった。魔法結界は目に見える形で穴が空いている。
「このくらいやってようやく通るか。強いな防御魔法って」
「冒険者で言えばSランクの魔術師が15人だぞ。それを突き通すのか!!!」
「冒険者なんて居たんだ。騎士と獣人しか見てないから知らない。あ、商人と領主も居たな。ぶっ殺したけど」
俺はバリスタをゲイラードの妻とレアに向ける。
「なあ、選択しろ。自分を殺して二人を助けるか、二人を助けて自分は生き残るか」
ぶつんと音がするくらい、ゲイラードの顔はどす黒くなっている。
「ふざけるなよ! この凡人があああああ」
「遅い」
俺は三人に矢を放った。ゲイラードの両肩はえぐり取られ、妻は頭を吹き飛ばされて、レアは心臓を射抜かれた。
「ローラ! レア! くそおおおおおおお」
やつは叫んでうつむいた。
その間にも俺は側近や、騎士、魔術師たちを殺してインベントリに入れていく。『創造ポイント』は大量だ。
「クソ、この、殺してやる」
「死ぬのはお前だよ」
ゲイラードの首を撥ねた。証拠は持っていかなくては。
簒奪の王とその家族は解体せずにインベントリに入れて、クローゼットを出現させるとその中に入った。
◇
ゲイラードの死体を見ると、ステイシーとその側近たちは肯いた。
「確かに本人ですこの手の傷、顔貌、間違いありません」
「じゃあ、後は城にもどれ。いつまでもここにいるんじゃねえぞ」
「ちょっと待って下さい。お願いがあります」
「何だ」
「城の警護をお願いしたいのです。すぐにゲイラード派の貴族たちが反旗を翻して来るでしょう。そうしたら、この国は終わりです」
俺は舌打ちをした。
電話がなる。
スマホを取り出すとステイシーは興味を示した。
「なんですかそれは」
「ちょっと静かにして、もしもし」
「レベルがまた上がったからね。連絡したよ」
「そうか、今忙しいんだが」
「まあ待ちなよ。国の警護を頼まれたんだろ。それをウケるのもクエストにする」
俺は舌打ちをした。
「何ふざけたことぬかしてんだてめえ」
「おおこわ。随分性格がかわったねえ。いや、元々狂っていたとも言えるが。とにかく、国を建て直すんだ。どんな方法を使ってもいい。君の言った案私は好きだよ。手を貸してやってもいい」
「ああそうかよ」
「まあ楽しみにしておいてよ。クエストよろしくね」
そういって、カマエルは電話を切った。
俺は椅子を蹴り上げ、ステイシーに近づいた。テリーが俺の前に立ちはだかる。
「何をするつもりだ」
「報告だよ、報告。国を建て直すのを手伝ってやる。ああ、クソムカつくが、そうするしか無い」
テリーは驚きの表情を浮かべた。
「それは本当ですか?」
テリーを押しのけて、ステイシーは言った。
「ああ、城の警護もしてやる」
「ありがとうございます!」
ステイシーはそう言って頭を深々と下げた。
俺は領主の家でしたように城の中を歩き回り、使用人を殺して『創造ポイント』を稼ぎつつ、ある部屋へと入っていった。
そこには国王ゲイラードの姿があった。彼は椅子に座りふんぞり返っているが、周りの従者たち、騎士たちは俺を恐れている。ここまでやってきたということの意味を国王はまだ理解できていないようだった。
「あ? お前誰だ?」
ゲイラードの近くには家族が固まって座っていた。レアとかいう子供も母親に抱かれている。俺をみて、泣き出した。
「泣くな男だろ」
レイは父親を見上げ、頷いた。
俺は頭をかいた。
「お前が簒奪の王か」
ゲイラードは額に血管を浮かせた。徐々に顔が赤くなっていく。
「この俺を冒涜するのか! 俺こそが王だ。簒奪などではない。あんな小娘に国王を名乗らせてたまるか」
俺は相変わらず頭をかいて、指に血がついているのを確認して舌打ちした。
「風呂に入りたい」
「あ?」
「おまえ殺すわ」
魔法兵器で国王を狙撃する。しかし、弾かれた。何人もの魔術師が防御魔法を使ったらしい。
「はははその程度か」
「ふうん」
『創造ポイント』を使ってバリスタを最大まで強化する。
弓に矢をつがえる。
「同じこと……ぎゃああ」
国王の肩に矢が刺さった。魔法結界は目に見える形で穴が空いている。
「このくらいやってようやく通るか。強いな防御魔法って」
「冒険者で言えばSランクの魔術師が15人だぞ。それを突き通すのか!!!」
「冒険者なんて居たんだ。騎士と獣人しか見てないから知らない。あ、商人と領主も居たな。ぶっ殺したけど」
俺はバリスタをゲイラードの妻とレアに向ける。
「なあ、選択しろ。自分を殺して二人を助けるか、二人を助けて自分は生き残るか」
ぶつんと音がするくらい、ゲイラードの顔はどす黒くなっている。
「ふざけるなよ! この凡人があああああ」
「遅い」
俺は三人に矢を放った。ゲイラードの両肩はえぐり取られ、妻は頭を吹き飛ばされて、レアは心臓を射抜かれた。
「ローラ! レア! くそおおおおおおお」
やつは叫んでうつむいた。
その間にも俺は側近や、騎士、魔術師たちを殺してインベントリに入れていく。『創造ポイント』は大量だ。
「クソ、この、殺してやる」
「死ぬのはお前だよ」
ゲイラードの首を撥ねた。証拠は持っていかなくては。
簒奪の王とその家族は解体せずにインベントリに入れて、クローゼットを出現させるとその中に入った。
◇
ゲイラードの死体を見ると、ステイシーとその側近たちは肯いた。
「確かに本人ですこの手の傷、顔貌、間違いありません」
「じゃあ、後は城にもどれ。いつまでもここにいるんじゃねえぞ」
「ちょっと待って下さい。お願いがあります」
「何だ」
「城の警護をお願いしたいのです。すぐにゲイラード派の貴族たちが反旗を翻して来るでしょう。そうしたら、この国は終わりです」
俺は舌打ちをした。
電話がなる。
スマホを取り出すとステイシーは興味を示した。
「なんですかそれは」
「ちょっと静かにして、もしもし」
「レベルがまた上がったからね。連絡したよ」
「そうか、今忙しいんだが」
「まあ待ちなよ。国の警護を頼まれたんだろ。それをウケるのもクエストにする」
俺は舌打ちをした。
「何ふざけたことぬかしてんだてめえ」
「おおこわ。随分性格がかわったねえ。いや、元々狂っていたとも言えるが。とにかく、国を建て直すんだ。どんな方法を使ってもいい。君の言った案私は好きだよ。手を貸してやってもいい」
「ああそうかよ」
「まあ楽しみにしておいてよ。クエストよろしくね」
そういって、カマエルは電話を切った。
俺は椅子を蹴り上げ、ステイシーに近づいた。テリーが俺の前に立ちはだかる。
「何をするつもりだ」
「報告だよ、報告。国を建て直すのを手伝ってやる。ああ、クソムカつくが、そうするしか無い」
テリーは驚きの表情を浮かべた。
「それは本当ですか?」
テリーを押しのけて、ステイシーは言った。
「ああ、城の警護もしてやる」
「ありがとうございます!」
ステイシーはそう言って頭を深々と下げた。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる