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第二章 選択する、選択させる
塚原への復讐
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作業着姿の彼は俺の顔を見ると目を見張った。
「おまえ、今死んだだろ、死んだよな」
「俺は死なないんだよ」
「くっそきもちわりい」
やつはスキルを発動した。地面から巨大な虫が出現する。ムカデに近い。
「お前のスキルのほうが気持ちわりいよ」
魔法兵器を取り出し、虫の頭を吹き飛ばした。
虫の体は土煙を上げて地面に倒れ込んだ。
「くそおおおおおお」
やつは叫んでスキルを発動しようとしたようだが、何も出てこない。
「創造ポイントって知ってるか?」
「あ? なんかそんな事聞いたような気がするな。なんだそr」
俺はやつの両足を跳ね飛ばした。
やつの足はそうなるように作られたおもちゃのように弾け飛んだ。
「ぎゃあああああああああああああ」
塚原が叫ぶ。
「勉強不足だな」
作業服が血で染まっていく。
「俺の足がああああ」
中級ポーションを足にかけてやって傷口を塞ぐ。
「ああああ、ああああ」
やつは俺の目を見ている。恐怖に染まっている。
「あのときは悪かった。ほんの冗談だったんだ」
両腕を使って後ずさる。
俺はやつの顎を蹴り上げた。血を吹き出す。蹴りたいだけ蹴って、死にそうになったらポーションをやり、また蹴った。
「そろそろ飽きたな」
塚原は両手で体を守るようにして泣きながら俺を見ている。
「なあ、聞いてもいいか?」
「な……なんだ」
「なんですかだろ!」
みぞおちに踵落としを食らわせてやる。やつは呼吸が止まり、空気を求めている。
「な……なんです……か」
「選択しろ。あの虫を食うか、蹴られ続けるか」
「あの虫には毒が……」
「安心しろ、解毒薬は持ってる」
しゃくりを上げて泣く塚原は虫を見て、その後俺を見上げ首を振った。
「嫌だ! どっちも嫌だ!」
俺はやつを踏みつけた。
「いままでそういう選択を俺にさせてきたのはてめえだろうが!」
――虫を食うか、タバコの火を目に入れられるかどっちがいい?
「このクソが!」
頭を踏み潰しすぎた、眼球が飛び出そうだ。俺は特級ポーションを使って体を直してやった。もちろん足はそのままだ。
「選択しろよくそやろう。虫を食うか、痛みの地獄を永遠に味わうかだ」
塚原は俺から逃げようとした。どうしようもねえやつだな。
俺はアームを使って塚原を持ち上げると、虫のそばまで歩いていった。
「嫌だ! 嫌だおろしてくれ!」
もう一方のアームで虫の肉をつまみ、やつの口元まで持っていく。
「ほら、食えって」
「嫌だ!!!! 嫌だあああああ!!」
俺は舌打ちをするとやつの前歯を折り、無理やり虫の肉を口に入れた。
「呼吸が止まるか、飲み込むかだ」
やつが噛み、飲み込んだ。
俺はアームを離した。地面に落ちた塚原は嘔吐したが、同時に痙攣を始めた。毒がまわっているのだろう。
「あがあがおあおふぇあがが」
痙攣し声にならない。痛みに襲われているのか、苦しみなのか、快楽なのか、聞いてみたかった。俺はやつにポーションを飲ませた。
痙攣が収まる。
「どうだった?」
荒い呼吸を繰り返す塚原は俺の質問にぼうっとした目で答えた。
「え?」
「どうだったかって聞いてんだよ!」
脇腹を蹴ると、やつはうめいた。
「全身が食い散らかされてるみたいに痛かったです!」
「そうかそうか。面白いな。なあ、こうしよう。塚原。お前この肉全部食え。食えたら逃してやるよ。もちろん足も戻してな」
「本当ですか」
「本当だ」
塚原は肉を受け取った。1キロはあるだろうその肉をじっと見下ろす。痛みと、苦しみと逃げられるという安堵感が交錯しているのか、彼は動かない。
「早くしろよ」
「食べます」
前歯のない口で、塚原は肉にかじりついた。何度も何度もかじりついて咀嚼し、飲み込む。おそらく痛みが来る前に食い切ろうという魂胆なのだろう。
甘いんだよ。
半分も食い切らないうちに痙攣が始まった。やつは堪えながらもう一噛みする。
「おお、頑張るねぇ」
俺は笑って塚原を見ている。
一噛み、一噛み。
そこで顎にまで痙攣が伝わり、泡を吹いた。体がえびぞり、目はぐるんとまわって白目になる。
「あーあ」
ポーションを飲ませてやる。塚原は正気に戻る。
「ほら、続きだ」
肉の残りを投げてやる。塚原はためらった。あの痛みがもう一度来るのではないかとためらっている様子だった、すがるように俺を見上げた。
「食えよ。選択しただろ」
俺は言ってアームを見せた。
それとも食わされたいか?
塚原はためらったがまた食い始めた。
それを2回繰り返した。
最後の一切れを喰い切り安堵の表情を浮かべた塚原に俺は言った。
「おめでとう。足を直してやろう」
俺は足にだけポーションを落とした。ポーションをしまう。
塚原は絶望し、そして痙攣を始めた。
「誰が解毒までするって言ったよ」
「ぐあああうぃえああああああああああああああ」
痛みに叫ぶ塚原を観察して事切れるのを見届けると、俺はクローゼットを出し、家へと戻った。
「おまえ、今死んだだろ、死んだよな」
「俺は死なないんだよ」
「くっそきもちわりい」
やつはスキルを発動した。地面から巨大な虫が出現する。ムカデに近い。
「お前のスキルのほうが気持ちわりいよ」
魔法兵器を取り出し、虫の頭を吹き飛ばした。
虫の体は土煙を上げて地面に倒れ込んだ。
「くそおおおおおお」
やつは叫んでスキルを発動しようとしたようだが、何も出てこない。
「創造ポイントって知ってるか?」
「あ? なんかそんな事聞いたような気がするな。なんだそr」
俺はやつの両足を跳ね飛ばした。
やつの足はそうなるように作られたおもちゃのように弾け飛んだ。
「ぎゃあああああああああああああ」
塚原が叫ぶ。
「勉強不足だな」
作業服が血で染まっていく。
「俺の足がああああ」
中級ポーションを足にかけてやって傷口を塞ぐ。
「ああああ、ああああ」
やつは俺の目を見ている。恐怖に染まっている。
「あのときは悪かった。ほんの冗談だったんだ」
両腕を使って後ずさる。
俺はやつの顎を蹴り上げた。血を吹き出す。蹴りたいだけ蹴って、死にそうになったらポーションをやり、また蹴った。
「そろそろ飽きたな」
塚原は両手で体を守るようにして泣きながら俺を見ている。
「なあ、聞いてもいいか?」
「な……なんだ」
「なんですかだろ!」
みぞおちに踵落としを食らわせてやる。やつは呼吸が止まり、空気を求めている。
「な……なんです……か」
「選択しろ。あの虫を食うか、蹴られ続けるか」
「あの虫には毒が……」
「安心しろ、解毒薬は持ってる」
しゃくりを上げて泣く塚原は虫を見て、その後俺を見上げ首を振った。
「嫌だ! どっちも嫌だ!」
俺はやつを踏みつけた。
「いままでそういう選択を俺にさせてきたのはてめえだろうが!」
――虫を食うか、タバコの火を目に入れられるかどっちがいい?
「このクソが!」
頭を踏み潰しすぎた、眼球が飛び出そうだ。俺は特級ポーションを使って体を直してやった。もちろん足はそのままだ。
「選択しろよくそやろう。虫を食うか、痛みの地獄を永遠に味わうかだ」
塚原は俺から逃げようとした。どうしようもねえやつだな。
俺はアームを使って塚原を持ち上げると、虫のそばまで歩いていった。
「嫌だ! 嫌だおろしてくれ!」
もう一方のアームで虫の肉をつまみ、やつの口元まで持っていく。
「ほら、食えって」
「嫌だ!!!! 嫌だあああああ!!」
俺は舌打ちをするとやつの前歯を折り、無理やり虫の肉を口に入れた。
「呼吸が止まるか、飲み込むかだ」
やつが噛み、飲み込んだ。
俺はアームを離した。地面に落ちた塚原は嘔吐したが、同時に痙攣を始めた。毒がまわっているのだろう。
「あがあがおあおふぇあがが」
痙攣し声にならない。痛みに襲われているのか、苦しみなのか、快楽なのか、聞いてみたかった。俺はやつにポーションを飲ませた。
痙攣が収まる。
「どうだった?」
荒い呼吸を繰り返す塚原は俺の質問にぼうっとした目で答えた。
「え?」
「どうだったかって聞いてんだよ!」
脇腹を蹴ると、やつはうめいた。
「全身が食い散らかされてるみたいに痛かったです!」
「そうかそうか。面白いな。なあ、こうしよう。塚原。お前この肉全部食え。食えたら逃してやるよ。もちろん足も戻してな」
「本当ですか」
「本当だ」
塚原は肉を受け取った。1キロはあるだろうその肉をじっと見下ろす。痛みと、苦しみと逃げられるという安堵感が交錯しているのか、彼は動かない。
「早くしろよ」
「食べます」
前歯のない口で、塚原は肉にかじりついた。何度も何度もかじりついて咀嚼し、飲み込む。おそらく痛みが来る前に食い切ろうという魂胆なのだろう。
甘いんだよ。
半分も食い切らないうちに痙攣が始まった。やつは堪えながらもう一噛みする。
「おお、頑張るねぇ」
俺は笑って塚原を見ている。
一噛み、一噛み。
そこで顎にまで痙攣が伝わり、泡を吹いた。体がえびぞり、目はぐるんとまわって白目になる。
「あーあ」
ポーションを飲ませてやる。塚原は正気に戻る。
「ほら、続きだ」
肉の残りを投げてやる。塚原はためらった。あの痛みがもう一度来るのではないかとためらっている様子だった、すがるように俺を見上げた。
「食えよ。選択しただろ」
俺は言ってアームを見せた。
それとも食わされたいか?
塚原はためらったがまた食い始めた。
それを2回繰り返した。
最後の一切れを喰い切り安堵の表情を浮かべた塚原に俺は言った。
「おめでとう。足を直してやろう」
俺は足にだけポーションを落とした。ポーションをしまう。
塚原は絶望し、そして痙攣を始めた。
「誰が解毒までするって言ったよ」
「ぐあああうぃえああああああああああああああ」
痛みに叫ぶ塚原を観察して事切れるのを見届けると、俺はクローゼットを出し、家へと戻った。
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