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第一章 House_management.exe
初めての来客(または殺人)
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数日が経過した。俺はスーツをクローゼットにしまい、0ポイントで出現させたジャージを着ていた。オレンジの線が入っているやつだ。
俺は高校時代にまで体が若返っており、2日に1回、ひげを剃るたびにいじめられていたときの嫌な気分になる。
屋根の上につけていた弓は塀の上に設置し直した。魔物は定期的に訪れるために魔石は少しずつたまり、今では創造ポイントは500ポイントに達していた。が、まだ少ない。バリスタ一つ作れない。強化しようとも考えたがとっておこう。何かのときのために。
で、何かのときはすぐにやってきた。
索敵装置が何かを探知した。
PCの画面にマップが表示され、点がいくつも表示される。
「ん?」
マークの色がおかしい。魔物のときはいつも赤いマークが表示されるが、今回は青いマークが大量に表示されている。いや、先頭の2つのマークは黄色だ。黄色のマークは青のマークから逃げるようにしてこの家に近づいてくる。
黄色にカーソルを重ねると説明が表示される。
『獣人』
追いかけている青いマークは人間だ。
索敵装置にはカメラ機能が搭載されている。映像が映し出される。人間は鉄の鎧をまとった騎士然とした奴らだが、その顔は悪役そのもの。いたぶることを楽しんでいる。馬に乗っているのに二本足で逃げる獣人を捕まえられていないのは、わざとそうやって遊んでいるとしか考えられない。
俺は吐き気を催した。騎士たちの顔が伊ヶ崎たちを彷彿とさせた。人をいたぶり、快感を得るそのさまが、脳を貫き、痛む。
獣耳を生やした二人の獣人はすでに息も絶え絶えで、時折よろめいている。一人は猫のような耳だが垂れている。もうひとりはウサ耳だ。ふたりとも怪我をしているようだった。
獣人が塀までたどり着いた。二人を騎士たちが取り囲む。
塀につけられた門を叩く音が聞こえる。
「お願いしますにゃ!! 助けてくださいにゃ!!」
俺は胃を押さえてモニターを睨んでいた。助けるべきか?
星澤の顔が浮かぶ。いじめられていた当時のあの惨めで歪んだ顔。そして、伊ヶ崎たちに寝返っていやらしく笑う顔。
助けた後に家を乗っ取られたら?
俺は丸腰だ。獣人たちの力がどれくらいあるのかわからない。首をへし折るくらいの握力があるかもしれない。
門を叩く音が続く。
「お願いにゃ!! お願い助けてにゃ!!」
青いマークが黄色のマークに近づいていく。俺は騎士たちの足元に向けて矢を放った。青いマークが後ずさる。
どれくらい時間稼ぎができる? 願わくば恐れおののいて逃げてくれればいい。
しかし、騎士たちは動かない。
「くそ!!」
俺は怒鳴って机を殴った。
瞬間、
バリスタが一斉に射撃を開始した。矢が次々と装填され、騎士たちを射抜いていく。青いマークがポツポツと消えていき、最後には全てなくなった。逃げる暇などなかっただろう。
「どうして……俺はなにもしていない。操作なんてしてない」
呼吸が荒くなる。心臓が耳元まで跳ね上がっているかのようにうるさい。反面、汗が背中を伝う感触。
「殺した……殺してしまった」
魔物じゃない。人間だ。
ゲームじゃないんだ。
見たくない。見たくない。
これは現実じゃない。
嘘だ、嘘だ。
目が覚めれば、俺は廊下で寝ているただの社畜だ。仕事を押し付けられる日々が待っている。
気がつけば俺は裸足のまま塀につけられた門まで来ていた。閂を外して、門を開く。
ギギギと音がして門は外側に開いた。
獣人たちがまだそこにいてなにか話していたが俺は聞いていない。
目の前の惨状に血の気が引いた騎士たちは鎧を着ていたのに矢は簡単にそれを貫通して馬にまで刺さっていた顔面を突き刺された騎士は兜が飛び目玉が飛び出していた首の皮一枚で体と頭がつながっている男は馬の上に依然またがっている馬は首の後ろから地面まで矢が刺さり固定される形になっていて動けない倒れることもできないでいる全部俺がやったことだ全部全部これは現実だ
俺はその場で嘔吐した。こんなことをするつもりはなかった。どうして……。
暴力をふるう側に回ってしまった。それもこんな残忍に。
騎士を見た。
胸を突き刺された騎士の顔は歪んでいたが、俺には伊ヶ崎の顔に見えた。伊ヶ崎が苦しんでいる顔に。
違う。
違う!
俺は復讐したかったわけじゃない。アイツラの顔をぶん殴りたかったわけじゃない。
ただ……、ただ……。
滂沱として涙が流れた。
「あの……大丈夫ですかにゃ?」
肩に手を置かれて俺はビクッと体を震わせた。垂れ耳の獣人が心配そうに俺を覗き込んでいた。
「あ……ああ……いや、あの……大丈夫です」
俺は涙を拭って、立ち上がる。
「助けてくれてありがとうですにゃ」
「いえ」
俺はそのあと何と言ったか覚えていない。とにかくこの騎士たちを運ばなければ、隠さなければいけないという考えが頭の中を支配していた。
騎士の仲間が見つければ俺に何をするかわからない。死ぬまで痛めつけられるのは明白だ。
一人また一人と運び、魔物を入れる箱に入れていく。途中から箱を持ってきたほうが早いことに気づいて、箱を傾けて入れていった。いつの間にか獣人の二人も手伝ってくれていた。馬は三人がかりでなんとか押し込む。
作業が全て終わり、両手も服も血まみれになって俺たちは立ち尽くしていた。
獣人たちに敵意はない。
「うう、人間臭いにゃ。水浴びしたいにゃ」
指示だ。
今はどんな指示でも飛びつきたい。何も考えなくてすむから。
「中にお風呂があるのでどうぞ」
「本当ですきゅ?」
うさ耳が目を輝かせた。
「お風呂なんて初めてにゃ」
二人してわくわくしているようだ。
俺に対して疑念はないのだろうか。いや考えるのはやめよう。
二人を家の中に案内する。二階に上がると二人はきょとんとした顔をした。
「これは何でできてるんですにゃ?」
壁や地面を指差しながらたれ耳は言う。
「さあ、紙とかコンクリートとかじゃないですかね」
二人は首をかしげた。
「お風呂はここです。トイレと一緒になってて狭いですが……あ、その前怪我してますよね」
「こんなのどうってことないですきゅ」
「ちょっとまっててください」
手をキッチンで洗い、何かのときのために買っておいたアルコール消毒液を何度も手にかける。
PCをつけてポーションを作成。二人に手渡した。
二人は目を見開いた。
「こんな高価なの受け取れないですにゃ」
一番安いポーションなんだが。
「いいから使ってください」
二人は少し渋ったが最後には蓋を開け一気に飲み干した。
傷が消えていく。
「すごいきゅ」
「全然痛くなくなりましたにゃ。ありがとうにゃ」
「それで沁みることもないと思います」
俺は頬をかいていった。
シャワーの使い方と体を洗う手順を説明した。二人は興味深そうにふんふんと肯いている。
「じゃあ、先にどうぞ」
「あなたはいっしょに入らないのですにゃ?」
服を脱ぎながら垂れ耳は言った。俺は後ろを向いて、
「後で入ります。終わったら呼んでください」
そういって部屋から出た。
俺は高校時代にまで体が若返っており、2日に1回、ひげを剃るたびにいじめられていたときの嫌な気分になる。
屋根の上につけていた弓は塀の上に設置し直した。魔物は定期的に訪れるために魔石は少しずつたまり、今では創造ポイントは500ポイントに達していた。が、まだ少ない。バリスタ一つ作れない。強化しようとも考えたがとっておこう。何かのときのために。
で、何かのときはすぐにやってきた。
索敵装置が何かを探知した。
PCの画面にマップが表示され、点がいくつも表示される。
「ん?」
マークの色がおかしい。魔物のときはいつも赤いマークが表示されるが、今回は青いマークが大量に表示されている。いや、先頭の2つのマークは黄色だ。黄色のマークは青のマークから逃げるようにしてこの家に近づいてくる。
黄色にカーソルを重ねると説明が表示される。
『獣人』
追いかけている青いマークは人間だ。
索敵装置にはカメラ機能が搭載されている。映像が映し出される。人間は鉄の鎧をまとった騎士然とした奴らだが、その顔は悪役そのもの。いたぶることを楽しんでいる。馬に乗っているのに二本足で逃げる獣人を捕まえられていないのは、わざとそうやって遊んでいるとしか考えられない。
俺は吐き気を催した。騎士たちの顔が伊ヶ崎たちを彷彿とさせた。人をいたぶり、快感を得るそのさまが、脳を貫き、痛む。
獣耳を生やした二人の獣人はすでに息も絶え絶えで、時折よろめいている。一人は猫のような耳だが垂れている。もうひとりはウサ耳だ。ふたりとも怪我をしているようだった。
獣人が塀までたどり着いた。二人を騎士たちが取り囲む。
塀につけられた門を叩く音が聞こえる。
「お願いしますにゃ!! 助けてくださいにゃ!!」
俺は胃を押さえてモニターを睨んでいた。助けるべきか?
星澤の顔が浮かぶ。いじめられていた当時のあの惨めで歪んだ顔。そして、伊ヶ崎たちに寝返っていやらしく笑う顔。
助けた後に家を乗っ取られたら?
俺は丸腰だ。獣人たちの力がどれくらいあるのかわからない。首をへし折るくらいの握力があるかもしれない。
門を叩く音が続く。
「お願いにゃ!! お願い助けてにゃ!!」
青いマークが黄色のマークに近づいていく。俺は騎士たちの足元に向けて矢を放った。青いマークが後ずさる。
どれくらい時間稼ぎができる? 願わくば恐れおののいて逃げてくれればいい。
しかし、騎士たちは動かない。
「くそ!!」
俺は怒鳴って机を殴った。
瞬間、
バリスタが一斉に射撃を開始した。矢が次々と装填され、騎士たちを射抜いていく。青いマークがポツポツと消えていき、最後には全てなくなった。逃げる暇などなかっただろう。
「どうして……俺はなにもしていない。操作なんてしてない」
呼吸が荒くなる。心臓が耳元まで跳ね上がっているかのようにうるさい。反面、汗が背中を伝う感触。
「殺した……殺してしまった」
魔物じゃない。人間だ。
ゲームじゃないんだ。
見たくない。見たくない。
これは現実じゃない。
嘘だ、嘘だ。
目が覚めれば、俺は廊下で寝ているただの社畜だ。仕事を押し付けられる日々が待っている。
気がつけば俺は裸足のまま塀につけられた門まで来ていた。閂を外して、門を開く。
ギギギと音がして門は外側に開いた。
獣人たちがまだそこにいてなにか話していたが俺は聞いていない。
目の前の惨状に血の気が引いた騎士たちは鎧を着ていたのに矢は簡単にそれを貫通して馬にまで刺さっていた顔面を突き刺された騎士は兜が飛び目玉が飛び出していた首の皮一枚で体と頭がつながっている男は馬の上に依然またがっている馬は首の後ろから地面まで矢が刺さり固定される形になっていて動けない倒れることもできないでいる全部俺がやったことだ全部全部これは現実だ
俺はその場で嘔吐した。こんなことをするつもりはなかった。どうして……。
暴力をふるう側に回ってしまった。それもこんな残忍に。
騎士を見た。
胸を突き刺された騎士の顔は歪んでいたが、俺には伊ヶ崎の顔に見えた。伊ヶ崎が苦しんでいる顔に。
違う。
違う!
俺は復讐したかったわけじゃない。アイツラの顔をぶん殴りたかったわけじゃない。
ただ……、ただ……。
滂沱として涙が流れた。
「あの……大丈夫ですかにゃ?」
肩に手を置かれて俺はビクッと体を震わせた。垂れ耳の獣人が心配そうに俺を覗き込んでいた。
「あ……ああ……いや、あの……大丈夫です」
俺は涙を拭って、立ち上がる。
「助けてくれてありがとうですにゃ」
「いえ」
俺はそのあと何と言ったか覚えていない。とにかくこの騎士たちを運ばなければ、隠さなければいけないという考えが頭の中を支配していた。
騎士の仲間が見つければ俺に何をするかわからない。死ぬまで痛めつけられるのは明白だ。
一人また一人と運び、魔物を入れる箱に入れていく。途中から箱を持ってきたほうが早いことに気づいて、箱を傾けて入れていった。いつの間にか獣人の二人も手伝ってくれていた。馬は三人がかりでなんとか押し込む。
作業が全て終わり、両手も服も血まみれになって俺たちは立ち尽くしていた。
獣人たちに敵意はない。
「うう、人間臭いにゃ。水浴びしたいにゃ」
指示だ。
今はどんな指示でも飛びつきたい。何も考えなくてすむから。
「中にお風呂があるのでどうぞ」
「本当ですきゅ?」
うさ耳が目を輝かせた。
「お風呂なんて初めてにゃ」
二人してわくわくしているようだ。
俺に対して疑念はないのだろうか。いや考えるのはやめよう。
二人を家の中に案内する。二階に上がると二人はきょとんとした顔をした。
「これは何でできてるんですにゃ?」
壁や地面を指差しながらたれ耳は言う。
「さあ、紙とかコンクリートとかじゃないですかね」
二人は首をかしげた。
「お風呂はここです。トイレと一緒になってて狭いですが……あ、その前怪我してますよね」
「こんなのどうってことないですきゅ」
「ちょっとまっててください」
手をキッチンで洗い、何かのときのために買っておいたアルコール消毒液を何度も手にかける。
PCをつけてポーションを作成。二人に手渡した。
二人は目を見開いた。
「こんな高価なの受け取れないですにゃ」
一番安いポーションなんだが。
「いいから使ってください」
二人は少し渋ったが最後には蓋を開け一気に飲み干した。
傷が消えていく。
「すごいきゅ」
「全然痛くなくなりましたにゃ。ありがとうにゃ」
「それで沁みることもないと思います」
俺は頬をかいていった。
シャワーの使い方と体を洗う手順を説明した。二人は興味深そうにふんふんと肯いている。
「じゃあ、先にどうぞ」
「あなたはいっしょに入らないのですにゃ?」
服を脱ぎながら垂れ耳は言った。俺は後ろを向いて、
「後で入ります。終わったら呼んでください」
そういって部屋から出た。
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