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恋のオチ
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僕には、世界一可愛い恋人がいる。
学校で人気者だったため、狙ってる人が多かったので、告られた時は本当に驚いた。
それから二年。高三になった。
僕らはラブラブだった。恋人は物凄く寂しがり屋で、いつでも僕にベッタリだった。学校でも。
そのせいでクラスメイト達には酷くいじられたが、僕らはそんなのには負けないと信じていた。
だか、一週間前から音信不通になった。
毎日のようにラインも電話していたのに、急にブロックされたのだ。
意味が分からなかった。
流石に僕は怒ってしまった。
それからは全然ラインもしないし、今まで毎晩のようにしていた電話もしなくなった。
恋には必ず終わりがあって、それがこれなのかと思った。
今日で音信不通になって1ヶ月。
流石に寂しくなってきた。
その時、恋人からこんなラインが入った。
「陸。今まで迷惑をかけてごめんね。謝るのが遅くなってしまったことにも謝る。生きがいは陸だけだったの。でも迷惑をかけてまで一緒にいるのは罪悪感が酷かった。だからもう会わない。生きるのもやめる。今までありがとう。さようなら。」
……は?
一瞬理解が出来なかった。が、すぐに体中の血の気が引くのが分かった。
死ぬつもりなのか?
考えるだけで辛くなった。
僕は焦った。
死んでほしくない。
僕らはいつか子供を一緒に育てたいって夢だってある。どちらかが死ぬまで一緒に生きたい。それも長く。
それなのに今、恋人が死のうとしている。
由々しき事態。非常事態。
急いで恋人の家に向かった。
家以外思いつかなかった。
結構な距離を全力で走ったせいで、家に着く頃には口の中は血の味がしていた。
家に着いた。
玄関のドアを勢いよく開ける。
靴はあった。
「唯!待って、死なないで!」
居間に続く短い廊下を必死に急ぐ。靴を脱ぐ暇などない。
息が切れていて、息が続かない。
それでも必死に伝える。もっと一緒にいたいということを。愛しているということを。
「まだ君が愛おしいんだ!まだ一緒にいたい!僕も同じ、君がいないと。だから待っ―――」
居間のスペースに入った瞬間、腹のあたりがやけに暖かく感じた。
目の前には愛おしい恋人がいる。よかった生きてたんだ!
安堵のため息をつく。
唯を抱きしめようとしたその時、ポタッと何かが垂れた。
目からだと思ったが違った。
腹のあたりに手をやると、冷たい。
ふらついてきた………バタン!
何が起こってるんだ?
「陸、本当に来てくれたんだね。信じてたよ。信じてよかった。ありがとう。俺も大好きだからね。……ぐっ」
泣きそうな声だった。
唯は僕の隣に寝転ぶと、仰向けになり、ナイフを腹に突き立て、一気に刺した。
目の前に、僕と唯の血溜りができ、それはだんだん大きくなっていく。
目の前が暗くなっていく。瞼が重たい。
まあ、何はともあれ良かった。二人一緒なら片方が寂しくなることはない。
僕は唯の手を握った。唯も手を握り返した。
「一緒にいようね……。おやすみ。」
学校で人気者だったため、狙ってる人が多かったので、告られた時は本当に驚いた。
それから二年。高三になった。
僕らはラブラブだった。恋人は物凄く寂しがり屋で、いつでも僕にベッタリだった。学校でも。
そのせいでクラスメイト達には酷くいじられたが、僕らはそんなのには負けないと信じていた。
だか、一週間前から音信不通になった。
毎日のようにラインも電話していたのに、急にブロックされたのだ。
意味が分からなかった。
流石に僕は怒ってしまった。
それからは全然ラインもしないし、今まで毎晩のようにしていた電話もしなくなった。
恋には必ず終わりがあって、それがこれなのかと思った。
今日で音信不通になって1ヶ月。
流石に寂しくなってきた。
その時、恋人からこんなラインが入った。
「陸。今まで迷惑をかけてごめんね。謝るのが遅くなってしまったことにも謝る。生きがいは陸だけだったの。でも迷惑をかけてまで一緒にいるのは罪悪感が酷かった。だからもう会わない。生きるのもやめる。今までありがとう。さようなら。」
……は?
一瞬理解が出来なかった。が、すぐに体中の血の気が引くのが分かった。
死ぬつもりなのか?
考えるだけで辛くなった。
僕は焦った。
死んでほしくない。
僕らはいつか子供を一緒に育てたいって夢だってある。どちらかが死ぬまで一緒に生きたい。それも長く。
それなのに今、恋人が死のうとしている。
由々しき事態。非常事態。
急いで恋人の家に向かった。
家以外思いつかなかった。
結構な距離を全力で走ったせいで、家に着く頃には口の中は血の味がしていた。
家に着いた。
玄関のドアを勢いよく開ける。
靴はあった。
「唯!待って、死なないで!」
居間に続く短い廊下を必死に急ぐ。靴を脱ぐ暇などない。
息が切れていて、息が続かない。
それでも必死に伝える。もっと一緒にいたいということを。愛しているということを。
「まだ君が愛おしいんだ!まだ一緒にいたい!僕も同じ、君がいないと。だから待っ―――」
居間のスペースに入った瞬間、腹のあたりがやけに暖かく感じた。
目の前には愛おしい恋人がいる。よかった生きてたんだ!
安堵のため息をつく。
唯を抱きしめようとしたその時、ポタッと何かが垂れた。
目からだと思ったが違った。
腹のあたりに手をやると、冷たい。
ふらついてきた………バタン!
何が起こってるんだ?
「陸、本当に来てくれたんだね。信じてたよ。信じてよかった。ありがとう。俺も大好きだからね。……ぐっ」
泣きそうな声だった。
唯は僕の隣に寝転ぶと、仰向けになり、ナイフを腹に突き立て、一気に刺した。
目の前に、僕と唯の血溜りができ、それはだんだん大きくなっていく。
目の前が暗くなっていく。瞼が重たい。
まあ、何はともあれ良かった。二人一緒なら片方が寂しくなることはない。
僕は唯の手を握った。唯も手を握り返した。
「一緒にいようね……。おやすみ。」
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