62 / 78
SSの置き場&番外編
初めての舞踏会
しおりを挟む
セシリアがアルザス公爵夫人になって、夫婦で出席しなければならない夜会の招待状が増えた。結婚式に招かれていない国内の有力貴族たちが、エリアスの心を射止めた夫人、「深層の公爵夫人」と呼ばれているセシリアの姿を見たいと思ったことが原因だったらしい。
「セシリア、綺麗ですよ」
薄紫のドレスに身を包んだ私を見てエリアスが微笑む。ドレスは彼の瞳と同じ色。
夫婦の証の腕輪とも良くあっている。そして、首には同じ宝石の首飾り。
エリアスは、私のドレスとペアになるような同じ紫の色合いの燕尾服だ。
「エリアスも素敵よ」
王族としての躾を受けてきたから、きゃああああああ!エリアスかっこよすぎる!げき萌え!みたいな前世の行動が出かかっても、萌えは心の中だけに閉まっておけている。
結婚式でも実感したのだけれど、私は軍服に萌えるたちらしい。
流石にお父様を見ては萌えなかったけれど、タッセルや勲章やこう御伽噺の王子様っぽい礼服に興奮してしまうのは、王族同士で結婚しろという王家の血のせいなのか、前世の萌えなのかはわからないけれど。
とりあえずエリアスはため息が出るぐらいかっこよかった。
服の色も紫だから瞳がもっと映えるのよね。光に加減によっては黒っぽく見えてしまうこともあるんだけれど、艶やかな黒髪も私と違ってサラサラストレートで、肌は抜けるほど白くて、男の人なのに限りなく美しい。まあ、顔は確かに王妃さま譲りなんだけど。王妃さまが子供の頃に女の子のお洋服を着せていたことが納得できるぐらい整った顔立ちなのよ。
「準備はいいですか?」
アルザス公爵家の馬車が、ローザンヌ公爵家の屋敷に着く。ここが夫婦になって初日の夜会の場所だ。
「ええ」
エリアスの手を取って、馬車から降りると、音楽が流れているのがわかった。
「もう夜会は始まっているのね?」
「ええ。私のそばから離れないでくださいね?セシリア」
ローザンヌ公爵家もうちと同じぐらい広い敷地で、庭園には幾人かの恋人たちが睦言の最中だった。
「あれは、ランデブーの最中のようです」
「?」
「あなたと私は違いますが、貴族のほとんどは政略結婚ですので、好きな相手と結ばれることはありません。なので、婚姻を結んでから、恋人を作るのですよ」
「まあ!」
王族に嫁ぐことを前提として教えられていたので、側室などがいる王の状況は正妃の務めとして理解できても、その逆があるとは教えられていなかったので、びっくりしたわ!
「だから、婚姻を結んでいても、いろいろな虫があなたに向かって飛んでくるので、危険なのですよ」
「それは、困るわ。エリアス。私はあなたにしか興味がないもの」
エリアスは私の言葉にフッと笑う。
「とにかく私から離れないで。夜会は誘惑でいっぱいですから」
「わかったわ」
◇ ◇ ◇
まず初めに挨拶したのはローザンヌ公爵夫妻。
「セシリア・アルザスでございます。今回のお招き楽しみにしておりました」
「おお、そなたがエリアスの花か」
ローザンヌ公爵は、40代の渋いおじさま。銀の髪とグレーの瞳のティールザードの頭脳と呼ばれる宰相よ。
彼の息子とエリアスの妹のシャーロット姫が結婚したら、親戚になる方だとエリアスから聞いているわ。
「本当に花のように美しいわ。エリアスが隠してしまうのはわかる気がするわねえ」
美しい声で私を褒めるてくれたのは柔らかい銀髪と赤い瞳の公爵夫人のマリー様だ。14歳の子供がいるとは思えないぐらい若々しい姿の美しい方なの。
「マリー様、あなた様もいつ見ても美しい。ティールザードの月と謳われるだけはあります。ティルト様はお元気ですか?」
エリアスが公爵夫人を褒める。
「まあ、エリアス、ありがとう。ティルトならもうすぐ隣国からの留学を終えて帰国するわ。これ以上いると、どんなことになるかわかりませんもの。シャーロット姫も待ち遠しいでしょうねぇ」
「左様ですか。ではその旨を我が妹に伝えなければいけませんね。あれは世情に疎くて困ります」
「うむ。エミレーツもこれからルーレシアのことが絡んでくるから、私の仕事も忙しくなる。早く息子に爵位を譲って引退したいのだかね」
侯爵様は、言葉は謙遜しているが、軽くあと10年は、現役でいられるぐらい有能だと聞いているわ。だから公爵を息子に譲っても、宰相を譲る必要はないらしいの。
「まあ、大変ですわね」
「まあ、その平和を維持できるように頑張りますよ。数年後にはシャーロット姫と息子の婚姻もありますしね」
ティールザードでは16歳で成人とみなされるから、貴族で婚約者のいる人たちは大抵それぐらいの歳で婚姻を結ぶの。これはガートランドとあまり変わらないわね。私だって16になったばかりだけれどもうエリアスのお嫁さんだもの。
「こういう華やかな催しが開けるように維持していくつもりですよ。今夜は楽しんでください」
「ありがとうございます。ティールザードでの夜会は初めてですので、楽しみにしてましたの」
「ごゆっくり」
公爵夫妻は微笑んで、次に来た来客を迎えるために私たちのそばを離れたから、次に来た貴族の方達と挨拶合戦になったわ。まあ、この国は貴族自体が多くないから、時間はかからないんだけどね。エリアスが私をジルグ侯爵夫妻、リード伯爵夫妻、唯一の独身男爵である、ジルベルト男爵に紹介してくれて、挨拶をした後、
「セシリア、踊ろう?」
というエリアスの手を取ってワルツを踊り始めたの。
ワルツはね、ガートランドでも踊るから、全然得意よ。だからみんなにすごい注目されている中でも、余裕の笑みを浮かべながら踊ることができたわ。
「セシリア、この会場の男たちがあなたを見つめていますよ?」
先ほど挨拶した貴族たち以外にも豪商の一族や準貴族、騎士や子爵たちも来ているので、結構な人数がいるの。
うちのパーティーでは伯爵から上の人たちのみが出席する夜会のみだったけれど、ティールザードは貴族自体か少なくて、ほぼ商人か平民という割合だから、お金があったり、下級貴族でもこういう夜会には招かれたりするらしいわ。
「まあ、思ったより、たくさんの人がいるのね?」
「みんなあなたを見に来たんですよ?」
私はエリアスの言葉で急に緊張してきたけれど、公爵夫人としてそつなく社交もこなし、エリアスの妻としてもお披露目は成功に終わった。
エリアスとは3回踊ったけれど、その後からたくさんの方にダンスを申し込まれたわ。
「妻は、体があまり丈夫ではありませんので」
とエリアスが病弱設定を持ち出してくれたおかげで、ローザンヌ公爵以外とは踊ることはなかった。
エリアスを見て公爵は
「モテる妻を持つと大変ですな」
と笑っていたけれど、ティールザードの男は危険なんですって。好きになったら、婚姻を結んでいようと、恋人がいようと構わないらしいから。
そういう怖い目に合う前にエリアスが助けに来てくれるから、助かってるんだけどね。
「セシリア、あなたは私の妻ですから」
エリアスはそういうと、ダンスに疲れた私をお膝に抱っこして、あまーいお菓子を食べさせてくれた。
人前でそれをやられるのはかなーり恥ずかしかったんだけれど、
「虫除けです。あなたのためですから」
っていわれて、口を開けるしかなかったわ。
初夜会なのに思いっきりラブラブな空間を作ってしまった私たちの
「アルザス公爵家のお世継ぎの噂」
が社交界にすぐさま流れたのは、そのせいなのかしら。
とりあえず、セシリアはこうしてエリアスの祖国での社交界のデビューを果たしたのだった。
「セシリア、綺麗ですよ」
薄紫のドレスに身を包んだ私を見てエリアスが微笑む。ドレスは彼の瞳と同じ色。
夫婦の証の腕輪とも良くあっている。そして、首には同じ宝石の首飾り。
エリアスは、私のドレスとペアになるような同じ紫の色合いの燕尾服だ。
「エリアスも素敵よ」
王族としての躾を受けてきたから、きゃああああああ!エリアスかっこよすぎる!げき萌え!みたいな前世の行動が出かかっても、萌えは心の中だけに閉まっておけている。
結婚式でも実感したのだけれど、私は軍服に萌えるたちらしい。
流石にお父様を見ては萌えなかったけれど、タッセルや勲章やこう御伽噺の王子様っぽい礼服に興奮してしまうのは、王族同士で結婚しろという王家の血のせいなのか、前世の萌えなのかはわからないけれど。
とりあえずエリアスはため息が出るぐらいかっこよかった。
服の色も紫だから瞳がもっと映えるのよね。光に加減によっては黒っぽく見えてしまうこともあるんだけれど、艶やかな黒髪も私と違ってサラサラストレートで、肌は抜けるほど白くて、男の人なのに限りなく美しい。まあ、顔は確かに王妃さま譲りなんだけど。王妃さまが子供の頃に女の子のお洋服を着せていたことが納得できるぐらい整った顔立ちなのよ。
「準備はいいですか?」
アルザス公爵家の馬車が、ローザンヌ公爵家の屋敷に着く。ここが夫婦になって初日の夜会の場所だ。
「ええ」
エリアスの手を取って、馬車から降りると、音楽が流れているのがわかった。
「もう夜会は始まっているのね?」
「ええ。私のそばから離れないでくださいね?セシリア」
ローザンヌ公爵家もうちと同じぐらい広い敷地で、庭園には幾人かの恋人たちが睦言の最中だった。
「あれは、ランデブーの最中のようです」
「?」
「あなたと私は違いますが、貴族のほとんどは政略結婚ですので、好きな相手と結ばれることはありません。なので、婚姻を結んでから、恋人を作るのですよ」
「まあ!」
王族に嫁ぐことを前提として教えられていたので、側室などがいる王の状況は正妃の務めとして理解できても、その逆があるとは教えられていなかったので、びっくりしたわ!
「だから、婚姻を結んでいても、いろいろな虫があなたに向かって飛んでくるので、危険なのですよ」
「それは、困るわ。エリアス。私はあなたにしか興味がないもの」
エリアスは私の言葉にフッと笑う。
「とにかく私から離れないで。夜会は誘惑でいっぱいですから」
「わかったわ」
◇ ◇ ◇
まず初めに挨拶したのはローザンヌ公爵夫妻。
「セシリア・アルザスでございます。今回のお招き楽しみにしておりました」
「おお、そなたがエリアスの花か」
ローザンヌ公爵は、40代の渋いおじさま。銀の髪とグレーの瞳のティールザードの頭脳と呼ばれる宰相よ。
彼の息子とエリアスの妹のシャーロット姫が結婚したら、親戚になる方だとエリアスから聞いているわ。
「本当に花のように美しいわ。エリアスが隠してしまうのはわかる気がするわねえ」
美しい声で私を褒めるてくれたのは柔らかい銀髪と赤い瞳の公爵夫人のマリー様だ。14歳の子供がいるとは思えないぐらい若々しい姿の美しい方なの。
「マリー様、あなた様もいつ見ても美しい。ティールザードの月と謳われるだけはあります。ティルト様はお元気ですか?」
エリアスが公爵夫人を褒める。
「まあ、エリアス、ありがとう。ティルトならもうすぐ隣国からの留学を終えて帰国するわ。これ以上いると、どんなことになるかわかりませんもの。シャーロット姫も待ち遠しいでしょうねぇ」
「左様ですか。ではその旨を我が妹に伝えなければいけませんね。あれは世情に疎くて困ります」
「うむ。エミレーツもこれからルーレシアのことが絡んでくるから、私の仕事も忙しくなる。早く息子に爵位を譲って引退したいのだかね」
侯爵様は、言葉は謙遜しているが、軽くあと10年は、現役でいられるぐらい有能だと聞いているわ。だから公爵を息子に譲っても、宰相を譲る必要はないらしいの。
「まあ、大変ですわね」
「まあ、その平和を維持できるように頑張りますよ。数年後にはシャーロット姫と息子の婚姻もありますしね」
ティールザードでは16歳で成人とみなされるから、貴族で婚約者のいる人たちは大抵それぐらいの歳で婚姻を結ぶの。これはガートランドとあまり変わらないわね。私だって16になったばかりだけれどもうエリアスのお嫁さんだもの。
「こういう華やかな催しが開けるように維持していくつもりですよ。今夜は楽しんでください」
「ありがとうございます。ティールザードでの夜会は初めてですので、楽しみにしてましたの」
「ごゆっくり」
公爵夫妻は微笑んで、次に来た来客を迎えるために私たちのそばを離れたから、次に来た貴族の方達と挨拶合戦になったわ。まあ、この国は貴族自体が多くないから、時間はかからないんだけどね。エリアスが私をジルグ侯爵夫妻、リード伯爵夫妻、唯一の独身男爵である、ジルベルト男爵に紹介してくれて、挨拶をした後、
「セシリア、踊ろう?」
というエリアスの手を取ってワルツを踊り始めたの。
ワルツはね、ガートランドでも踊るから、全然得意よ。だからみんなにすごい注目されている中でも、余裕の笑みを浮かべながら踊ることができたわ。
「セシリア、この会場の男たちがあなたを見つめていますよ?」
先ほど挨拶した貴族たち以外にも豪商の一族や準貴族、騎士や子爵たちも来ているので、結構な人数がいるの。
うちのパーティーでは伯爵から上の人たちのみが出席する夜会のみだったけれど、ティールザードは貴族自体か少なくて、ほぼ商人か平民という割合だから、お金があったり、下級貴族でもこういう夜会には招かれたりするらしいわ。
「まあ、思ったより、たくさんの人がいるのね?」
「みんなあなたを見に来たんですよ?」
私はエリアスの言葉で急に緊張してきたけれど、公爵夫人としてそつなく社交もこなし、エリアスの妻としてもお披露目は成功に終わった。
エリアスとは3回踊ったけれど、その後からたくさんの方にダンスを申し込まれたわ。
「妻は、体があまり丈夫ではありませんので」
とエリアスが病弱設定を持ち出してくれたおかげで、ローザンヌ公爵以外とは踊ることはなかった。
エリアスを見て公爵は
「モテる妻を持つと大変ですな」
と笑っていたけれど、ティールザードの男は危険なんですって。好きになったら、婚姻を結んでいようと、恋人がいようと構わないらしいから。
そういう怖い目に合う前にエリアスが助けに来てくれるから、助かってるんだけどね。
「セシリア、あなたは私の妻ですから」
エリアスはそういうと、ダンスに疲れた私をお膝に抱っこして、あまーいお菓子を食べさせてくれた。
人前でそれをやられるのはかなーり恥ずかしかったんだけれど、
「虫除けです。あなたのためですから」
っていわれて、口を開けるしかなかったわ。
初夜会なのに思いっきりラブラブな空間を作ってしまった私たちの
「アルザス公爵家のお世継ぎの噂」
が社交界にすぐさま流れたのは、そのせいなのかしら。
とりあえず、セシリアはこうしてエリアスの祖国での社交界のデビューを果たしたのだった。
0
お気に入りに追加
915
あなたにおすすめの小説
強面騎士団長と転生皇女の物語
狭山雪菜
恋愛
コイタ王国第一皇女のサーシャは、とある理由から未婚のまま城に住んでいた。
成人式もとっくに済ませた20歳になると、国王陛下から縁談を結ばれて1年後に結婚式を挙げた。
その相手は、コイタ王国の騎士団団長だったのだがーー
この作品は、「小説家になろう」にも掲載しております。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
雨宮課長に甘えたい
コハラ
恋愛
仕事大好きアラサーOLの中島奈々子(30)は映画会社の宣伝部エースだった。しかし、ある日突然、上司から花形部署の宣伝部からの異動を言い渡され、ショックのあまり映画館で一人泣いていた。偶然居合わせた同じ会社の総務部の雨宮課長(37)が奈々子にハンカチを貸してくれて、その日から雨宮課長は奈々子にとって特別な存在になっていき……。
簡単には行かない奈々子と雨宮課長の恋の行方は――?
そして奈々子は再び宣伝部に戻れるのか?
※表紙イラストはミカスケ様のフリーイラストをお借りしました。
http://misoko.net/
伯爵は年下の妻に振り回される 記憶喪失の奥様は今日も元気に旦那様の心を抉る
新高
恋愛
※第15回恋愛小説大賞で奨励賞をいただきました!ありがとうございます!
※※2023/10/16書籍化しますーー!!!!!応援してくださったみなさま、ありがとうございます!!
契約結婚三年目の若き伯爵夫人であるフェリシアはある日記憶喪失となってしまう。失った記憶はちょうどこの三年分。記憶は失ったものの、性格は逆に明るく快活ーーぶっちゃけ大雑把になり、軽率に契約結婚相手の伯爵の心を抉りつつ、流石に申し訳ないとお詫びの品を探し出せばそれがとんだ騒ぎとなり、結果的に契約が取れて仲睦まじい夫婦となるまでの、そんな二人のドタバタ劇。
※本編完結しました。コネタを随時更新していきます。
※R要素の話には「※」マークを付けています。
※勢いとテンション高めのコメディーなのでふわっとした感じで読んでいただけたら嬉しいです。
※他サイト様でも公開しています
この度、青帝陛下の番になりまして
四馬㋟
恋愛
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる