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第十一章 ケンイチ 神々篇 《第三部》
第172.5「僕らⅡ」
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あえてエーシルを呼び出すだと? お前正気かアスフィ!?
「ええ、僕は至って本気です」
んなことしたら元も子もないだろ! 世界を救う真逆のことをしてどうする!?
「でなければ、『アンノーン』には勝てません」
……何?
「僕がアスフィ・シーネットとして生涯を終えた世界でエーシルを何とか抑え込めたことは、さっき言いましたよね?」
あ、ああ。聞いた。
「何故エーシルを抑えることに成功したにも関わらず、こうやってまた僕や君たちが生まれたと思いますか?」
何故って……
「あの時、僕は確かにエーシルを抑え込む事に成功した。そしてオーディンと結託し改変を試みた。世界を元に戻す為に」
オーディンと結託だと!? あいつは今俺達の母親やマキナとやり合ってんだろう!?
「ああ言い忘れていましたが、オーディンは敵ではありませんよ? あくまで彼女は『システムのコア』。本当の敵は――」
『アンノーン』、か。フタバとかいうやつは俺に『盟約』を持ちかけてきた。話が聞きたいからと。
「恐らく、神を殺す情報でも欲しかったのでしょう」
そうだったかなぁ……
「『アンノーン』は四人で構成された組織で、そのメンバー全員が既に死亡している。その内の二人がフィーが出会った人物です……」
フタバとハジメってやつだな。残り二人はまだ見たことがない。
「残りの二人、一人はもう出会ってるはずですよ? それもオーディンが創造した世界で」
出会ってる……? 一体誰だ。あの幻想世界でそんな怪しい奴なんていたか?
……いや、ちょっと待て!
「どうしました?」
幻想世界……オーディンの作った世界にまだ俺のクラスメイト達が取り残されたまんまだ!
「もうあの世界はオーディンが閉じましたから、きっとこれからはそちらの世界で過ごす事になるでしょう。……それに、彼らもまた作られた存在に過ぎない。生きてさえいれば、改変時に元通りの生活を送れるはずです」
あいつら……変な気起こさなければいいけどな。
「……イジメの関係者までも心配するんですか? フィー」
誰も死なずに世界が元に戻るのが一番に決まってる。お前は二度目の人生だから感情が麻痺してんだろうな。
「それはあるかもしれません。僕にはその感情が理解できませんから。……話を戻します。『アンノーン』のメンバーは実質的に三名です。一人は朝倉 佳奈」
あいつか。今も幻想世界に居るはずだ。生きていれば……
「いえ、ですから死んでますよ。『アンノーン』のメンバーは皆死んでいます」
じゃ俺が出会ったのはあいつは誰なんだよ!
「恐らく、オーディンの仕業でしょう」
は? なんでそんな真似を……
「僕らを助ける為です。オーディンはずっと僕らの味方として動いていますから。……何を考えているかは僕にも分かりませんが」
全くだよ……。あと一人は誰だ?
「あと一人は研究者です。名を江四留、オーディンを創造した史上最悪の研究者です」
江四留……
「江四留についてはエルブレイドが一番詳しいでしょう。彼もまた研究者ですから」
その江四留ってやつも死んでるんだよな? ならどうして『アンノーン』のやつらが邪魔できんだよ。肉体も無いのにおかしいだろ? まさか幽霊ってか?
「……まぁそんな感じです」
おい、適当になるのやめろ。お前はオーディンか。
「いえ、実際その通りと言うか……ほら一度この世界で会ったでしょう? その時、 肉体は無かった筈です」
確かエーシルを倒して俺が幻想世界に行ってる時の話か。俺は実際に見てねぇな。あいつらはなんなんだ?
「言ってしまえば怨念というバグです。『再構築』を繰り返す過程で生まれた幽霊です」
冗談キツイぜ。俺は幽霊なんて信じねぇ。
「なら江四留がなにかしたのでしょう。死ぬ前に。『アンノーン』を束ねていたのは彼ですから。残りの三人はただのモブでしか無い」
モブ……あのフタバってやつ結構手強かったぞ? あれがモブかよ。
「江四留は天才ですから。その話はまたエルブレイドにでも聞いて下さい。恐らく嫌がるでしょうけど」
……って言ってる間に時間だな。早く決断しねぇとまた俺達の新たな人格が――
「エーシルを呼び出します」
おい、まだそんなこと言ってんのか?
「彼でなければ……道化を演じる彼でなければ『アンノーン』は阻止できない」
奴が俺達の体を乗っ取るってことだろ!? そんなリスキーな事できるか! 俺は反対だ!!
「ノルド、君はどうですか?」
……悪いが俺もフィー寄りだ。リスクが高すぎる。失敗すれば俺達が俺達じゃなくなるだけじゃなく、皆が危ない。
「仮にエーシルを抑え込めても、この後『アンノーン』は必ずやってきます。そうなればまた同じことになる。……いや、最悪次はもうアスフィ・シーネットではないかもしれない。今回は奇跡のようなものです。同じ轍を踏むより、僕は新たな可能性に掛けたい。それが僕の意見です」
…………失敗すれば次の世界で恨むぜ、アスフィ・シーネット。
「ええ構いません。その時は僕じゃないかもしれませんが」
……ちっ。分かった、やりたきゃやれ。道化でも何でも呼べばいい。俺はもう知らん! ノルドもケンイチもそれでいいだろう。
「…………反応がないということは賛成と受け取りますね。……では、始めます。『道化のエーシル』を呼び出す準備を」
「ええ、僕は至って本気です」
んなことしたら元も子もないだろ! 世界を救う真逆のことをしてどうする!?
「でなければ、『アンノーン』には勝てません」
……何?
「僕がアスフィ・シーネットとして生涯を終えた世界でエーシルを何とか抑え込めたことは、さっき言いましたよね?」
あ、ああ。聞いた。
「何故エーシルを抑えることに成功したにも関わらず、こうやってまた僕や君たちが生まれたと思いますか?」
何故って……
「あの時、僕は確かにエーシルを抑え込む事に成功した。そしてオーディンと結託し改変を試みた。世界を元に戻す為に」
オーディンと結託だと!? あいつは今俺達の母親やマキナとやり合ってんだろう!?
「ああ言い忘れていましたが、オーディンは敵ではありませんよ? あくまで彼女は『システムのコア』。本当の敵は――」
『アンノーン』、か。フタバとかいうやつは俺に『盟約』を持ちかけてきた。話が聞きたいからと。
「恐らく、神を殺す情報でも欲しかったのでしょう」
そうだったかなぁ……
「『アンノーン』は四人で構成された組織で、そのメンバー全員が既に死亡している。その内の二人がフィーが出会った人物です……」
フタバとハジメってやつだな。残り二人はまだ見たことがない。
「残りの二人、一人はもう出会ってるはずですよ? それもオーディンが創造した世界で」
出会ってる……? 一体誰だ。あの幻想世界でそんな怪しい奴なんていたか?
……いや、ちょっと待て!
「どうしました?」
幻想世界……オーディンの作った世界にまだ俺のクラスメイト達が取り残されたまんまだ!
「もうあの世界はオーディンが閉じましたから、きっとこれからはそちらの世界で過ごす事になるでしょう。……それに、彼らもまた作られた存在に過ぎない。生きてさえいれば、改変時に元通りの生活を送れるはずです」
あいつら……変な気起こさなければいいけどな。
「……イジメの関係者までも心配するんですか? フィー」
誰も死なずに世界が元に戻るのが一番に決まってる。お前は二度目の人生だから感情が麻痺してんだろうな。
「それはあるかもしれません。僕にはその感情が理解できませんから。……話を戻します。『アンノーン』のメンバーは実質的に三名です。一人は朝倉 佳奈」
あいつか。今も幻想世界に居るはずだ。生きていれば……
「いえ、ですから死んでますよ。『アンノーン』のメンバーは皆死んでいます」
じゃ俺が出会ったのはあいつは誰なんだよ!
「恐らく、オーディンの仕業でしょう」
は? なんでそんな真似を……
「僕らを助ける為です。オーディンはずっと僕らの味方として動いていますから。……何を考えているかは僕にも分かりませんが」
全くだよ……。あと一人は誰だ?
「あと一人は研究者です。名を江四留、オーディンを創造した史上最悪の研究者です」
江四留……
「江四留についてはエルブレイドが一番詳しいでしょう。彼もまた研究者ですから」
その江四留ってやつも死んでるんだよな? ならどうして『アンノーン』のやつらが邪魔できんだよ。肉体も無いのにおかしいだろ? まさか幽霊ってか?
「……まぁそんな感じです」
おい、適当になるのやめろ。お前はオーディンか。
「いえ、実際その通りと言うか……ほら一度この世界で会ったでしょう? その時、 肉体は無かった筈です」
確かエーシルを倒して俺が幻想世界に行ってる時の話か。俺は実際に見てねぇな。あいつらはなんなんだ?
「言ってしまえば怨念というバグです。『再構築』を繰り返す過程で生まれた幽霊です」
冗談キツイぜ。俺は幽霊なんて信じねぇ。
「なら江四留がなにかしたのでしょう。死ぬ前に。『アンノーン』を束ねていたのは彼ですから。残りの三人はただのモブでしか無い」
モブ……あのフタバってやつ結構手強かったぞ? あれがモブかよ。
「江四留は天才ですから。その話はまたエルブレイドにでも聞いて下さい。恐らく嫌がるでしょうけど」
……って言ってる間に時間だな。早く決断しねぇとまた俺達の新たな人格が――
「エーシルを呼び出します」
おい、まだそんなこと言ってんのか?
「彼でなければ……道化を演じる彼でなければ『アンノーン』は阻止できない」
奴が俺達の体を乗っ取るってことだろ!? そんなリスキーな事できるか! 俺は反対だ!!
「ノルド、君はどうですか?」
……悪いが俺もフィー寄りだ。リスクが高すぎる。失敗すれば俺達が俺達じゃなくなるだけじゃなく、皆が危ない。
「仮にエーシルを抑え込めても、この後『アンノーン』は必ずやってきます。そうなればまた同じことになる。……いや、最悪次はもうアスフィ・シーネットではないかもしれない。今回は奇跡のようなものです。同じ轍を踏むより、僕は新たな可能性に掛けたい。それが僕の意見です」
…………失敗すれば次の世界で恨むぜ、アスフィ・シーネット。
「ええ構いません。その時は僕じゃないかもしれませんが」
……ちっ。分かった、やりたきゃやれ。道化でも何でも呼べばいい。俺はもう知らん! ノルドもケンイチもそれでいいだろう。
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