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第九章 アスフィ 交流篇 《第二部》
EXep.6『神友』
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ゼウスは、ただ一人、この広い幻想世界をひたすら歩く。
「フィーは無事だろうか……」
ゼウスは一人呟いた。
キャルロットとの戦いでゼウスは傷を負っていた。
しかし、死んではいなかった。
「あの猫、我がお前の様な者に負ける訳が無いだろう」
キャルロットとゼウスは壮絶な戦いを繰り広げた。
しかし、全盛期のゼウス・マキナの体を持ったゼウスには流石のキャルロットも勝てないと悟り逃げた。
「やぁ! ゼウス!」
そんなゼウスに声を掛ける者が居た。
「……オーディンか。この世界は閉じたのでは無かったのか」
「閉じたよ? だから君はもう出られない、ゼウス」
「……そうか。フィーは無事か」
「うん! ちゃんと出してあげたよ!」
それなら良いと、ゼウスはそう思った。
「何しに来たオーディン」
「いやぁゼウスが寂しいかなと思ってさ!」
「寂しくなんて……ない」
「嘘だよねそれ。ここから君は出られない。当然君の大好きなフィーもここにはもう居ない。君はこの先ずっとゼウス・マキナとして生きていくんだ……私にはそれしか君を生かす方法が無かったから……」
オーディンは寂しそうに言う。
「…………そうか、ありがとうオーディン」
「礼を言われる様な事はしていないよ。実際、私は君をここに閉じ込めた様なものだしね」
「でも我と共にこの世界で生きることを選んだ、そうだろう」
「………………神友、だからね」
「…………そうだな。我とオーディンは友だ」
閉じられた幻想世界。そこでオーディンとマキナは共に居ることを決意した。
ゼウスは『盟約』の代償により肉体を失った。
その魂をオーディンは幻想世界の全盛期ゼウス・マキナに移した。
そうするしか無かったのだと、オーディンは言う。
「…………その罪は私も一緒に背負うよ……ゼウス」
「………………ああ、そうだな」
二人は手を握り、この閉じられた幻想世界で生きていく……。
「フィーは無事だろうか……」
ゼウスは一人呟いた。
キャルロットとの戦いでゼウスは傷を負っていた。
しかし、死んではいなかった。
「あの猫、我がお前の様な者に負ける訳が無いだろう」
キャルロットとゼウスは壮絶な戦いを繰り広げた。
しかし、全盛期のゼウス・マキナの体を持ったゼウスには流石のキャルロットも勝てないと悟り逃げた。
「やぁ! ゼウス!」
そんなゼウスに声を掛ける者が居た。
「……オーディンか。この世界は閉じたのでは無かったのか」
「閉じたよ? だから君はもう出られない、ゼウス」
「……そうか。フィーは無事か」
「うん! ちゃんと出してあげたよ!」
それなら良いと、ゼウスはそう思った。
「何しに来たオーディン」
「いやぁゼウスが寂しいかなと思ってさ!」
「寂しくなんて……ない」
「嘘だよねそれ。ここから君は出られない。当然君の大好きなフィーもここにはもう居ない。君はこの先ずっとゼウス・マキナとして生きていくんだ……私にはそれしか君を生かす方法が無かったから……」
オーディンは寂しそうに言う。
「…………そうか、ありがとうオーディン」
「礼を言われる様な事はしていないよ。実際、私は君をここに閉じ込めた様なものだしね」
「でも我と共にこの世界で生きることを選んだ、そうだろう」
「………………神友、だからね」
「…………そうだな。我とオーディンは友だ」
閉じられた幻想世界。そこでオーディンとマキナは共に居ることを決意した。
ゼウスは『盟約』の代償により肉体を失った。
その魂をオーディンは幻想世界の全盛期ゼウス・マキナに移した。
そうするしか無かったのだと、オーディンは言う。
「…………その罪は私も一緒に背負うよ……ゼウス」
「………………ああ、そうだな」
二人は手を握り、この閉じられた幻想世界で生きていく……。
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