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第十一話,ファッション披露
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第二種目の序盤は難なくクリアしていく仲,三段目のファッション披露にうつりました。
三段目になるとステージが変わり,到着した会場はまるで,ファッション業界のランウェイ(モデルさんが歩く道のこと)のようなステージでした。
「次はファッション披露じゃ,
ここでは自分の魔法を使って,美しいと思うファッションを披露してもらう。
まずは雨月様からの登場じゃ!」
指揮官がそういうと,幕が左右に開き雨月様が杖を持って現れました。
雨月様は自信を持って,水の魔法を使って衣装に着替えました。
雨月様の衣装は雨の神様らしい,白い着物の上に長い羽織を着て,長い袖の裾に雫のようなアクセサリーが垂れ下がっており,バンパイヤのように広い襟元にも同じアクセサリーが垂れ下がっていました。
その衣装を着た雨月様は堂々として,ランウェイを自信満々に品よく歩きました。
美しい衣装に圧倒されていた由貴でしたが,雨月様が終わると,緊張しながら舞台に立ち,杖を使ってあの伝説の衣装を披露しました。
「なっ!まさか…あの衣装は…!」
後ろで見ていた雨月様は驚いた声を上げていましたが,会場の歓声と驚きの声でかき消されてしまいました。
伝説と呼ばれた衣装は本当に氷で出来ているように美しく,水色の袴と長い羽織は風でヒラヒラなびき,キラキラ輝いてました。
それでいて,羽織の襟元のモコモコした毛が強調され,シンプルかつそれに負けない貫禄さがありました。
動揺する会場をよそに,由貴は凛とした姿勢を見せてランウェイを上品に歩きました。
それぞれのファッションのお披露目が終わると,指揮官が口を開きました。
「雨月様の衣装は確かに美しい,しかし由貴様の衣装もさることながら,その凛とした立ち姿…ただの人間の若君とは思えない魅力を持っておる,まさにその姿にふさわしい人材である。」
指揮官の想像以上の褒め言葉に由貴は口を押さえて,嬉しそうにしました。
「あ…ありがとうございます!」
雨月様はずっと連敗中で今にも足から崩れ落ちそうでした。
そんな姿を見ていた指揮官は少し声を上げて言いました。
「が!しかし,本当の花婿候補になるためには次の伝統行事と,第三種目をクリアしなくては,正式な花婿にはなれぬ!心してまいれ!」
雨月様と由貴は偶然声を揃えて言いました。
「はい!」
ファッション披露を終えて,今度のステージのために着替えに行く時,雨月様とすれ違うと,雨月様は由貴にしか聞こえない声で言いました。
「ずっと勝っているからって、いい気になるでないぞ。勝負はまだこれからだ!」
「は…はい」
続く
三段目になるとステージが変わり,到着した会場はまるで,ファッション業界のランウェイ(モデルさんが歩く道のこと)のようなステージでした。
「次はファッション披露じゃ,
ここでは自分の魔法を使って,美しいと思うファッションを披露してもらう。
まずは雨月様からの登場じゃ!」
指揮官がそういうと,幕が左右に開き雨月様が杖を持って現れました。
雨月様は自信を持って,水の魔法を使って衣装に着替えました。
雨月様の衣装は雨の神様らしい,白い着物の上に長い羽織を着て,長い袖の裾に雫のようなアクセサリーが垂れ下がっており,バンパイヤのように広い襟元にも同じアクセサリーが垂れ下がっていました。
その衣装を着た雨月様は堂々として,ランウェイを自信満々に品よく歩きました。
美しい衣装に圧倒されていた由貴でしたが,雨月様が終わると,緊張しながら舞台に立ち,杖を使ってあの伝説の衣装を披露しました。
「なっ!まさか…あの衣装は…!」
後ろで見ていた雨月様は驚いた声を上げていましたが,会場の歓声と驚きの声でかき消されてしまいました。
伝説と呼ばれた衣装は本当に氷で出来ているように美しく,水色の袴と長い羽織は風でヒラヒラなびき,キラキラ輝いてました。
それでいて,羽織の襟元のモコモコした毛が強調され,シンプルかつそれに負けない貫禄さがありました。
動揺する会場をよそに,由貴は凛とした姿勢を見せてランウェイを上品に歩きました。
それぞれのファッションのお披露目が終わると,指揮官が口を開きました。
「雨月様の衣装は確かに美しい,しかし由貴様の衣装もさることながら,その凛とした立ち姿…ただの人間の若君とは思えない魅力を持っておる,まさにその姿にふさわしい人材である。」
指揮官の想像以上の褒め言葉に由貴は口を押さえて,嬉しそうにしました。
「あ…ありがとうございます!」
雨月様はずっと連敗中で今にも足から崩れ落ちそうでした。
そんな姿を見ていた指揮官は少し声を上げて言いました。
「が!しかし,本当の花婿候補になるためには次の伝統行事と,第三種目をクリアしなくては,正式な花婿にはなれぬ!心してまいれ!」
雨月様と由貴は偶然声を揃えて言いました。
「はい!」
ファッション披露を終えて,今度のステージのために着替えに行く時,雨月様とすれ違うと,雨月様は由貴にしか聞こえない声で言いました。
「ずっと勝っているからって、いい気になるでないぞ。勝負はまだこれからだ!」
「は…はい」
続く
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