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前編
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「危ない!」
ひそかな想い人を庇って,俺,天正 光流(てんしょう みつる)はトラックにはねられた…
ガッシャーン!
あ~次はマシな人生を送りたいな~
と…思っていたら…
「おい!お前!起きろ!」
ん…人の…声?
「おい!いつまで寝ている?起きろ!」
バシッ!
「…⁉︎」
頭がぼやけている俺は声の男にムチで叩かれ,目を覚ました。
(どこだ…⁉︎ここ…)
気がつくと目の前には獣の顔をした男,俺自身は白く薄い衣装を着ていて,手首をロープで縛られていた。
「やっと目が覚めたか…手間をかけさせやがって…」
そういうと,獣の男は腕を結んでいるロープを乱暴に引っ張り,立たせようとしてきました。
「待って!いやだ…痛い!」
驚いて抵抗していると,もう一人の獣の男が近づいてきて,ロープを持つ男に言いました。
「おい,お前!その者は奴隷と言っても,魔王ミケル様に捧げる供物だ。丁重に扱え!」
「はっ!」
魔王ミケル…?奴隷…?供物…?ということは…俺は…異世界転生したらしいけど…奴隷ってことは…
ロクな人生じゃなさそうだな…しかも供物って…それってただの奴隷というより,さらに悲劇的な生贄の立場じゃないか…
は~今度はマシな人生って願っていたのに…生贄だなんて…ただのモブじゃないか…どうせなら…さっき話していた…魔王とやらを倒す勇者とかに転生したかった…
自分の立場に絶望した俺だったが,びっくりするほど冷静になり,いうことを聞くだけの抜け殻のようにジッとして,献上されるのを待った。
覚悟を決めた日から献上される日まで,絶望しすぎて,何日過ぎたかわからない…
言葉数が少なすぎて,面倒を見る見張り番が君悪がるレベルだったらしい。
そんな話をしていると,俺の最後の時が近づいたようだ…
城の中に入り案内人に連れてかれ,魔王と対面する対面の間に案内され,硬い石の床に座らされる。
ずっと下を向いていると,魔王から声がかかった。
「表を上げよ。」
俺はその声を聞いて驚いた。
魔王の声は俺のよく知っている声…いいや…忘れられない声…
驚きつつゆっくりと顔を上げるとそこには…
ガッシャーン!
「そっ…そなた…その顔…」
魔王の顔を見ると,なんと魔王は俺が一方的に思いを募らせていた…菊川 湊人(きくかわ みなと)くんにそっくり!
というか…間違いなく本人だと…俺は認識している。
髪型は銀髪のロン毛で緑の瞳になり,頭にツノが生えているが,忘れられなかった顔を俺は見間違うはずがない。
本人も驚いているので,俺のことを覚えてくれているのかな?
それにしても…菊川くんがここにいるってことは…彼も多分…
(あぁ…恩返しした…つもりだったんだけどな…)
あれは忘れもしない2年前…
階段を踏み外した俺は…下から登ってきていた…菊川くんに助けられた…
5月の木漏れ日の中の彼はキラキラと輝いていて,それだけで好きになってしまった。
以来,見かけるとずっと目で追ってしまっていた…
だけど…ずっと片想いのままで,助けてくれた恩返しする機会がなく…
やっと恩返しできたと思ったら,二人とも異世界に飛ばされて,こうして巡り合うことができた…
ついつい嬉しくなった俺は目を輝かせて,こう思った。
(あぁ…最初は自分の立場に絶望していたけれど,想い人に捧げられるのなら本望だ…)
っと一人考え事をしていると,さっきの案内人の人が口を開いた。
「ミケル様。どうされましたか?もしや…気に入られませんでしたか?」
そっそんな~💦
その言葉に一人ショックを受けていると,
魔王が口を開きました。
「いいや,そうではない。むしろ…」
魔王は椅子から立ち上がると,俺の前までくると,俺と目線を合わせて顎クイしました。
「…⁉︎///」
俺が驚いていると,魔王は微笑んで静かにこう言いました。
「フッこの者を気に入った。私の近くに置こう」
そういうと魔王は俺をヒョイっと肩に担ぎました。
(えぇ~~⁉︎)
魔王の言葉に家臣たちは慌てて言いました。
「ミケル様!その者は元から奴隷だった身,そのような者をそばに置くとは…」
すると,魔王は振り向いて冷たい口調で言いました。
「私の言葉に逆らうのか?」
「ヒィ…そっそのようなことは…」
家臣たちは怖がり後づさりしました。
魔王は続けて家臣たちに向かって言いました。
「うーむ,しかし…其方達が言っていることは半分あっているぞ。」
家臣達が首を傾げていると…魔王は不気味な笑顔を向けて言いました。
「『違う意味』での…奴隷だ」
えっ…『違う意味』での?
俺は魔王の言っていることを察するとさらに顔をアタフタさせました。
「そんな…ミケル様…」
家臣の何人かもその意味を察したのか,唖然となり中には気絶するものもいました。
そんな家臣達を無視して,魔王は俺を担いだまま部屋を出て行きました。
続く
ひそかな想い人を庇って,俺,天正 光流(てんしょう みつる)はトラックにはねられた…
ガッシャーン!
あ~次はマシな人生を送りたいな~
と…思っていたら…
「おい!お前!起きろ!」
ん…人の…声?
「おい!いつまで寝ている?起きろ!」
バシッ!
「…⁉︎」
頭がぼやけている俺は声の男にムチで叩かれ,目を覚ました。
(どこだ…⁉︎ここ…)
気がつくと目の前には獣の顔をした男,俺自身は白く薄い衣装を着ていて,手首をロープで縛られていた。
「やっと目が覚めたか…手間をかけさせやがって…」
そういうと,獣の男は腕を結んでいるロープを乱暴に引っ張り,立たせようとしてきました。
「待って!いやだ…痛い!」
驚いて抵抗していると,もう一人の獣の男が近づいてきて,ロープを持つ男に言いました。
「おい,お前!その者は奴隷と言っても,魔王ミケル様に捧げる供物だ。丁重に扱え!」
「はっ!」
魔王ミケル…?奴隷…?供物…?ということは…俺は…異世界転生したらしいけど…奴隷ってことは…
ロクな人生じゃなさそうだな…しかも供物って…それってただの奴隷というより,さらに悲劇的な生贄の立場じゃないか…
は~今度はマシな人生って願っていたのに…生贄だなんて…ただのモブじゃないか…どうせなら…さっき話していた…魔王とやらを倒す勇者とかに転生したかった…
自分の立場に絶望した俺だったが,びっくりするほど冷静になり,いうことを聞くだけの抜け殻のようにジッとして,献上されるのを待った。
覚悟を決めた日から献上される日まで,絶望しすぎて,何日過ぎたかわからない…
言葉数が少なすぎて,面倒を見る見張り番が君悪がるレベルだったらしい。
そんな話をしていると,俺の最後の時が近づいたようだ…
城の中に入り案内人に連れてかれ,魔王と対面する対面の間に案内され,硬い石の床に座らされる。
ずっと下を向いていると,魔王から声がかかった。
「表を上げよ。」
俺はその声を聞いて驚いた。
魔王の声は俺のよく知っている声…いいや…忘れられない声…
驚きつつゆっくりと顔を上げるとそこには…
ガッシャーン!
「そっ…そなた…その顔…」
魔王の顔を見ると,なんと魔王は俺が一方的に思いを募らせていた…菊川 湊人(きくかわ みなと)くんにそっくり!
というか…間違いなく本人だと…俺は認識している。
髪型は銀髪のロン毛で緑の瞳になり,頭にツノが生えているが,忘れられなかった顔を俺は見間違うはずがない。
本人も驚いているので,俺のことを覚えてくれているのかな?
それにしても…菊川くんがここにいるってことは…彼も多分…
(あぁ…恩返しした…つもりだったんだけどな…)
あれは忘れもしない2年前…
階段を踏み外した俺は…下から登ってきていた…菊川くんに助けられた…
5月の木漏れ日の中の彼はキラキラと輝いていて,それだけで好きになってしまった。
以来,見かけるとずっと目で追ってしまっていた…
だけど…ずっと片想いのままで,助けてくれた恩返しする機会がなく…
やっと恩返しできたと思ったら,二人とも異世界に飛ばされて,こうして巡り合うことができた…
ついつい嬉しくなった俺は目を輝かせて,こう思った。
(あぁ…最初は自分の立場に絶望していたけれど,想い人に捧げられるのなら本望だ…)
っと一人考え事をしていると,さっきの案内人の人が口を開いた。
「ミケル様。どうされましたか?もしや…気に入られませんでしたか?」
そっそんな~💦
その言葉に一人ショックを受けていると,
魔王が口を開きました。
「いいや,そうではない。むしろ…」
魔王は椅子から立ち上がると,俺の前までくると,俺と目線を合わせて顎クイしました。
「…⁉︎///」
俺が驚いていると,魔王は微笑んで静かにこう言いました。
「フッこの者を気に入った。私の近くに置こう」
そういうと魔王は俺をヒョイっと肩に担ぎました。
(えぇ~~⁉︎)
魔王の言葉に家臣たちは慌てて言いました。
「ミケル様!その者は元から奴隷だった身,そのような者をそばに置くとは…」
すると,魔王は振り向いて冷たい口調で言いました。
「私の言葉に逆らうのか?」
「ヒィ…そっそのようなことは…」
家臣たちは怖がり後づさりしました。
魔王は続けて家臣たちに向かって言いました。
「うーむ,しかし…其方達が言っていることは半分あっているぞ。」
家臣達が首を傾げていると…魔王は不気味な笑顔を向けて言いました。
「『違う意味』での…奴隷だ」
えっ…『違う意味』での?
俺は魔王の言っていることを察するとさらに顔をアタフタさせました。
「そんな…ミケル様…」
家臣の何人かもその意味を察したのか,唖然となり中には気絶するものもいました。
そんな家臣達を無視して,魔王は俺を担いだまま部屋を出て行きました。
続く
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