罰ゲームで告白した子を本気で好きになってしまった。

火野 あかり

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第一話 罰ゲーム

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「その、私こういうの初めてで……」
「ぼ、ぼ、僕もだよ……」

 普段前髪で隠れている彼女の目がこちらを向いている。
 頬はほんのり赤く、口元から覗く並びのいい歯は白く、そしてそこから覗く小さな舌は綺麗なピンク色。
 ──そんなに気にしたこともなかったのに。何もかもに注目してしまう。
 ひざ下まであるスカートと、紺色のハイソックスの間の白い肌が目に刺さる。
 黒い冬服セーラーの余った袖から見える小さな飾り気のない手。
 片手で掴めそうなほど細い首には緊張からか汗が浮かび、かじりつきたくなる衝動にかられた。
 寝そべっている姿を見ると本当に小さいのだと分かる。
 隣を歩いているとき僕の肩より下に頭があるのだから、当然小さいということは理解しているつもりだったのに。

 大量の本が立ち並ぶ部屋。
 女の子の部屋と言うよりは古本屋にも似た空気だ。インクや紙の匂いが充満していて、その中に異物のように甘い匂いを放つ楓がいる。
 しかし、ベッドや小物がしっかりと女の子の部屋だと主張していた。
 張り詰めた緊張が、全身を包むゼリーのように感じられてうまく身動きできない。
 喉が異様に乾いている気がする。指先が震えて、声が上手く出せない。
 
 僕、立花祐樹と水島楓は、今日、──セックスをする。


 恋愛なんてくだらない。友人関係もそうだ。
 そもそもが学生と言うのは学に生きると書く。
 勉強こそが学生の本分だ。それ以外のことはすべて些事、無駄なことなのだ。
 だから僕はひたすら勉強に励んでいた。
 誰かを見ることなんかしない。
 周り全部がどうでもいい。すべて敵だった。
 まぁそんな生活をしていたのだから当然僕は浮いていた。
 周りは流行っている芸人の話やゲームの話、脳髄を通すことなく出た言葉ばかりが飛び交っている。
 興味がない。誰かに合わせることに何の利点も感じない。
 漫画やゲーム、アニメなんかもたまには見たりはするが、誰かと感想を共有しようとは思わない。自分の中だけにあればいいのだ。誰かと共有したいと思うから争いが生まれる。
 
 一人で十分完結できる。
 自立できていないからこそ、誰かを求めるのだ。
 ──と、そんなことを思っていても面倒には巻き込まれてしまう。あくまでも自分の中だけの主義なのであって、他人にとっては関係のないことだからだ。

 いじめ。
 
 程度だけで言えばいじめとは言えないと自分でも思う。
 ちょっとからかわれたりするだけだ。
 それでも僕にとってそれは大きな問題だった。
 始めこそ大したことがないと思っていたものの、続くと精神的なダメージは大きくなっていくのだ。
 そしてある日、リーダー格の吉田が言った。
 よくわからないゲームをさせられて、僕が負けた後の話だ。
 いつの間にか僕の手札はたくさんあって、それは負けということだったらしい。
 負けた後、急に吉田は言った。
 後出しジャンケンのようなものであり、卑怯だとは思ったが、立ち位置が違うため言い出せなかった。

「おい、罰ゲームだ。あいつに告白しろよ。──ぼっち同士お似合いだろ?」

 吉田のいうあいつとは、クラスの隅でいつも本を読んでいる女子だ。
 水島楓。
 クラスの女子の中でも一番身長が低い。ひょっとすると学年で、学校で一番低身長かも知れない。見ようによっては小学生にも見える。制服だけがかろうじて彼女を高校生だと教えてくれている。
 特定の友人はおらず、いつも本を読んでいる。
 髪は真っ黒で長く、長い前髪と身長の低さのせいで顔をしっかり見たことがない。
 声も聞いたことがない。だから、彼女がどんな人間か全く知らない。
 他の女子とは違ってスカートも長いし、何の飾り気もない様子。
 野暮ったい印象と暗い印象しかないのだ。
 一応小学校から同じ学校だった気もする。クラスも何度か同じになったこともあると思うのだが、話したことはない、と思う。あまり興味がなかった。

「な、なんで僕が……それに告白って」
「あ? いいじゃん、成功したら彼女持ちだぜ、羨ましー」

 棒読みで言いながら僕の肩を強くつかむ。自分よりも強いと確信できる握力を肩で感じた。
 断るな、という意味なのくらい分かる。
 取り巻きの連中もにやにやしながら見ていた。
 ──暇か。暇なんだろうけど。どうしてこうも他人に関わりたがるのだろう。
 しかし僕は知っていた。この罰ゲームに逆らったやつは本格的ないじめの標的にされるということを。
 前例があるのだ。
 ああはなりたくない。尊厳も何もかも失ったような、あんな存在には。

 授業中、水島楓の方を見てみる。
 この時間は数学で、メガネをかけた神経質そうな教師が公式の証明をしていた。
 考えてみれば彼女に注目したのは初めてだ。地味だし、元々目を引く方でもない。
 席は前の方。僕の学校では目の悪いもの、背が低いものは前の席に行くことができる。
 僕の視線に気づいたのか、水島は一瞬こちらを向いた。
 前髪のせいで目はあまり見えないが、多分目があったと思う。
 偶然、──だろう。僕の方を見る用事なんて、彼女のほうにもないのだから。
 
 放課後、水島楓の後をつける。
 勿論僕はそんなことをしたくなかったが、僕の後を吉田と取り巻きがつけているのだ。
 今日告白しないと本格的ないじめが始まる。僕は従うことに決めた。
 正直、気分のいいものじゃない。
 僕個人の感情はともかく、彼女の自尊心までも傷つける最低の行為だからだ。
 だが僕にあらがう力はない。
 情けなくは思うが、勉強以外僕にできることはないのだ。その勉強だって誰にでも誇れるものでもない。
 それにそもそもいきなり告白したところでフラれるのがオチでしかない。話したこともないし、話す気もなかったのだから。
 僕は水島楓をよく知らないし、向こうだってそのはずだ。

 水島楓は当然のように図書室の方へ向かった。
 イメージ通りだ。教室でも本を読んでいた。それも図書室のシールが貼ってあるものを。
 ゆっくりこっそりと後に続いて室内に入ってみる。扉は木製で少しきしむ音がした。
 図書室の中には人の気配がない。少なくとも水島楓はいるはずだけど。
 カウンターにすら人がいない。──図書委員は何をやっているのか。おおかたサボりなのだろうとは思う。暇な仕事だし、面倒この上ないだろうから。
 本棚の森の向こう、古ぼけた本が並ぶ棚の間に彼女はいた。本の妖精か何かか? どちらかと言えば妖怪かもしれない。女の子に言っていいことじゃないが。
 僕は棚の陰に隠れて様子をうかがった。
 告白なんてしたことがない。どう切り出せばいいのか。
 だけども変に緊張はしなかった。──本気じゃないからだ。

 僕だって本当はわかっている。──拒否されるのが怖いから僕は友達も作らず一人で居るだけだ。
 勉強だとか、そういうわかりやすい逃げ場所があったからそこにいるだけ。──本当は勉強に興味なんてないのだ。
 寂しいと思わないわけじゃない。いや、いつも寂しいのかもしれない。でも僕は人と離れすぎた。関わらなさ過ぎたのだ。
 今更誰かに受け入れられるとは思えない。

 僕がこれからするのは告白じゃない。そう、これはただの嘘だ。
 結果がどうあれ、僕が傷ついて、水島楓を傷つける最低の嘘だ。
 ──やっぱり僕は好かれていい人間じゃない。一人で居るのがお似合いで、ふさわしい人間だ。

 上の方の棚が見たいのか、水島はキャスターの付いた脚立のようなものに乗っていた。多少は高いところにいるはずなのに、それでも僕と同じかそれくらいの身長しかない。
 僕の方には気づいていないのか、棚に掴まりながら必死で手を伸ばしている。
 脚立の上でつま先立ちをしていて非常に不安になるバランス。
 ほんの少しバランスを崩しただけで落ちてしまいそう。

 ──そして案の定、彼女はバランスを崩した。
 キャスターが勢いよく滑り、水島楓の体が一瞬宙に浮く。
 だるま落としのような状態だ。

 ──なぜだかわからない。
 なぜだかわからないが、僕の体は全力で彼女の元へ向かっていた。
 そしてそのまま彼女をキャッチ、──なんてことはできず、僕は顔面から床に倒れ、彼女は僕の上に落ちた。
 床が柔らかいマットで助かった。そうじゃなければ鼻でも折れていそうなほどの衝撃が顔にあった。
 僕の上に落ちた彼女もそれなりに巨大な衝撃だった。
 背中がへし折れそうな気さえしたほどには。
 
「がはっ!」
「た、立花君!? ごめんなさいっ!?」

 声、初めて聞いた気がする。──高いなぁ。結構可愛い声なんだな。アニメ声、みたいな。
 こんな状況でよく僕のことが分かったな、なんて感心しそうにもなる。痛みに痺れた脳みそは意外にも正常に動いているようだった。
 僕の背中の上にあるのは彼女のお尻なんだろうけど、そんなものを堪能するような余裕はない。
 きっと彼女の体重は軽いのだろう。小さいし太ってもいない。女子の平均体重から見たって、身長が低いぶん軽いはずだ。
 でも、僕の人生においては、水島楓以上に重いものを背中に乗せたことはない。
 口から内臓が全部出そうな気がした。
 ──歯磨き粉の気持ちとはこんなものなのだろうか。今度からはもう少し優しく絞り出したいと思う。
 
 なぜだかふたりしてしばらくそのままだった。背中の上にはあまり知らない女の子。
 お互いに気が動転していたのだと思う。
 顔を見なくてもわかるくらい水島楓は動揺していたし、僕も僕がわからなくなった。
 どうしてこんなことをしたのかもわからない。
 率先して誰かを助けるなんて、考えたこともなかったのに。

 少し息が整ってきて、体の痛みも徐々に消える。
 多分背骨は折れてない。手足などに異常は感じないから。
 場所が場所だけに折れていれば色々終わりだ。
 
 大丈夫? けがはない?
 僕はそう言うつもりだったし、言ったつもりだった。

「好きだ、付き合ってくれ」
「えっ!?」

 ──世にも奇妙な告白。
 背中に相手を乗せ、絞り出すような声で言った告白。
 ムードなんて言うものはなく、なぜ今、としか言えない告白だ。
 言った直後は自分が何を言ったのかわかっていなかった。記憶を反芻している時にようやっと理解できた。
 
 裏返った声を上げ、水島楓は僕の背中から飛び上がり、即座に崩れた正座のような体勢になる。骨盤の構造の違いで男ではあまりできないらしい体勢だ。──女の子座りとでも言えばいいのか。
 軽くなった背中を撫でながら、僕も起き上がる。
 立ち上がることはできなかったので、図書室の床に胡坐をかいて座った。

「い、今、僕なんて言った?」
「すすすす、す、好きって……」
「ま、間違いっ! ──でもない……」

 色々手順を間違えてしまったが、結果だけ見れば間違いではない。
 きっとこの告白は見られている。
 後で笑われるのだろうな──憂鬱だ。

 水島楓は両手を胸の前で合わせて、指同士をすり合わせるような、なんだか祈りにも見える所作をしていた。
 少し頭を下げているのと、前髪のせいで目は見えない。
 口元はあわあわとしている。
 頬のあたりは真っ赤だ。
 ──なんだか可愛く見える。
 でも、これは僕が感じていい感情じゃない。
 本当に彼女を大切に思う人だけが抱くべき、抱いて良い感情だ。

 ずきん、としたものを感じた。
 胸の辺りの鋭い、強い痛み。僕が初めて感じる痛みだ。
 様々な感情が渦巻いているのがわかる。
 一番大きい感情は……。

 きっと今の彼女の中にもいろいろな感情があるのだろう。
 自分を助けたどさくさに紛れて卑怯だと思っているかもしれない。
 ──もしかしたら嬉しい、なんて思っているかもしれない。
 気持ちの悪い、自意識過剰なものだ。
 自分が傷つきたくないからそう思いたいだけ。
 助けたことへの感謝くらいはあるかもしれない。それくらいなら多少自意識過剰でも許されるだろう。

 さっさとフラれてしまいたい。
 そもそも別に好きなわけでもない。今回のことがなければ何の関わりもないまま卒業していただろうことは確実。
 覚悟はできているのだ。フラれて終わり。彼女の中でもちょっと親切にされたくらいの思い出で終わるのだ。
 ──それでこの嘘は終わりだ。
 僕がちょっと傷ついて、彼女の人生の思い出にほんの少しだけ残って。
 そう思うと心が落ち着く。
 いつものように、一人で、誰ともかかわらない毎日をまた始めるのだ。

 水島楓はぼそりと、いくら図書室でも小さすぎる声で何かを話し始めた。はっきり言って何も聞き取れないくらい。
 せめて顔を上げてくれればもう少し聞き取れるのに。
 若干声が震えている。さっきの事件のせいだろう。僕もちょっと喉が震えているのだ。

「────た。わ、私も、好き、でした。立花君のこと……」

 ようやく聞き取れたのは、僕が予想もしていなかった答え。
 頭がフリーズして、彼女の言っていることがよくわからなくなる。
 僕のことが好き? どういう意味だ?
 ようやく出た言葉はかすれて上手く発声できない。

「え、へ? それって、どういう?」
「好き、なの……ずっと前から……小学生の頃から……」

 何を言われているのかわからなかった。
 彼女が、──水島楓が僕のことを好きだって? 
 友人の一人もいない、勉強しか取り柄のない僕を?

 言われていることが頭に浸透し、すっと胸に落ちてくる。
 すると突然、胸に大きな痛みが走った。
 心臓を握りつぶされているような、強い、鋭い、何かに縋りつきたくなる痛み。
 痛みの正体はすぐにわかった。
 ──罪悪感。
 僕なんかを好きだと言ってくれる人に嘘を吐いた。
 しかもそれは最低で最悪で、決して許されない嘘だ。
 
 この状況でやっぱり嘘だなんて言えるはずがない。
 好きじゃない、付き合えないなんて言えない。
 そもそも人に強い言葉を、傷つけることを言える度胸があるのならこんな事態に陥ること自体ない。

 水島楓だって勇気を出したのだ。きっと僕以上に──。
 もし本当に僕のことが好きなら、僕なんかよりもよっぽど勇気が必要だったはず。
 だから、僕の答えは一つしかない。
 ──吐き続けるしかない。
 最低だろうが最悪だろうが、彼女が飽きるその日まで、この嘘を。

「よろしく」

 手を差し出す。
 こんな時に握手と言うのもどうかとは思ったが、自然と体が動いた。
 水島楓は恐る恐る手を差し出し、僕の手を優しく握る。
 掌ではなく、僕の四本の指を掴むように。

「私こそ、よろしく……」

 はにかんだように言ったその先、口元には縮小された三日月がある。
 小さく柔らかい手の感触と指先の冷たさ、そして笑顔のせいで心臓は再び悲鳴を上げる。

 僕はその日、嘘を吐くことと嘘を吐き続けることの違いを知った。
 これからずっと、水島楓が僕に愛想をつかすその日まで、嘘を吐き続けなければならない。
 この心臓の痛みを感じ続けなければならない。
 僕の付いた嘘は、誰も幸せにしない最低の嘘だったと今更気づく。

 彼女は僕のそんな心中など知らないだろう。
 案外自分の恋が叶ったなどと浮かれているかもしれない。
 ──死にたくなる。
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