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第二十五話 朝の夜這い
しおりを挟むその日のユウは早起きだった。
サクヤが早くに寝てしまって暇だったのでユウも早く寝たのだ。
結果、いつもよりもだいぶ早く起きた。
時刻は午前五時。
「いくら何でも早すぎだろ……」
いつもユウよりも早起きのサクヤは熟睡していた。
ユウ自身は疲れ果てて眠ったわけではないので、すぐに体力が回復してしまったのだ。
「そしてこっちも元気だし……」
朝立ちしていた。
それに気づくと急激にムラムラしてくる。
行為のない夜というのは今までにほとんどなく、ユウにとっては新鮮なものだった。だが、いいものというわけでもない。
今日は月曜日。学校がある。
普段なら自重するかそれを理由に我慢するが、今日のユウにその余裕はない。
朝ムラムラするときはいつもサクヤからけしかけられる。
その気がなくても半強制的にその気にさせられるのだ。
言葉で、視覚で、行為で。
誘惑に耐えられるほどユウは朴念仁ではない。
今日のユウはいつもと違った。
起きるなり体が発情している気がしたのだ。
昨日サクヤの血を飲んでから無性にムラムラするのである。
他の部位も味が知りたくなってしまった。
サクヤは性器を見られたがらない。顔を近づけると露骨に嫌がるのだ。。
嫌がる、というよりは恥ずかしがっているのだと理解していても、ユウはいつも歯がゆい気持ちでいた。
サクヤの性器──オマンコは非常に綺麗だ。
ユウにとっては明確な発情対象であり、いつもむしゃぶりつきたい衝動に駆られている。
寝ている間なら。
ユウは初めてサクヤの寝込みを襲おうと決意した。
「やっぱりでかいよな……」
横になっているサクヤのおっぱいは重力の影響で敷き布団の方へ落ちている。
ユウは垂れていないことも知っている。
普段はツンと上を向いているのだ。
「少しくらいなら……」
ユウは小さく呟きながら人差し指でおっぱいを突き刺す。
ふにっとした感触が指先から伝わった後、指を押し戻すような弾力を覚える。
「──っ!」
ユウは悶絶する。
今すぐに手全体を使って揉みしだきたい。
パンツの中ではチンポがびくびくとしながら存在を主張し、感覚がそちらに集まっていく。
ゆっくりと、サクヤが起きないように静かに布団をまくり上げる。
布団の中には当然サクヤの体があり、パジャマの腹の方は無防備にめくれていた。
むき出しになった場所を見るとユウはますます興奮する。
さほど気にしない部位であっても、普段は隠れていると思うと興奮もひとしおだったのだ。
「こっそりやってるとすごい興奮するな……」
サクヤ自身からというのも当然興奮するが、こういうのも好きなのだと今更になって知る。
ユウは楽しんでいた。
どこまでやれるのか、純粋に楽しみでもあったのだ。
普段であればまずありえない事態。
なにせサクヤより早く起きることはほとんどないのだから。
寝息が乱れないかを確認しながら、ゆっくりと服を脱がしていく。
パジャマの上着のボタンをはずしていくと、少しずつ大きなおっぱいがあらわになっていく。
谷間が実に扇情的で、ユウは荒くなった鼻息を抑えるのに必死だった。
サクヤは寝るときにブラジャーをつけない。
ユウがそれを知ったのは付き合い始めてからのことだった。
女子というのは四六時中つけているものだと思っていた。
「やっぱりすごい体してるよな……これを俺は毎日」
今までのセックスを思い出す。
毎度毎度欲望のまま貪っている。
最近は避妊すらせずに、サクヤの奥目掛けて果てていた。
どろどろの精液を子宮からなにから全てになすりつけるのは、この上ない快感だったのだ。
危険だという認識はあれど、一度挿入してしまうと我慢ができない。そして、挿入そのものが我慢できない。
ユウは挿入後に外で果てたことはない。
コンドームの有無に限らず、最後はしっかり根元まで挿入して射精していた。
外に出さないと、という認識はあっても、腰が動きを止めない。それどころかますます激しく動き、限界に達してしまうのだ。
サクヤの膣内の刺激はとても強く、言葉や体温のせいもあって信じられないほどの快感をユウに与えるのだ。
無我夢中で、絡みつく肉に腰を打ち付け、サクヤにしがみ付きながら二人で絶頂を迎える。
至福の一回を終えた後、ユウの全身の力が抜けているところに、サクヤの中はゆっくりと締め付けを強め、次の快感を要求する。
射精後で少し緩まった勃起は刺激に応えるように膨らみ、硬さを取り戻す。
そしてお互いがへばるまでの間、ずっとそのやり取りが続くのだ。
「ダメだ、我慢できない」
ユウは布団の下のほう──サクヤの足のほう──へ向かい、パジャマを下ろしていく。
起こさないように少しずつ、だが確実にずり下ろし、膝のほうまで下すと一気にはぎとる。
あおむけの状態になったサクヤを眺め、ユウは満足げな顔を浮かべた。
パジャマの上の方は半分ほどボタンが外され、胸の大部分が露出している。
足元、露出した白い肌には三角形の布が張り付いていた。
布──パンツはピンク色の綿でできていて、うっすらと割れ目が浮いていた。
ユウの視線はそこに張り付いてしまう。
足を閉じているために強調されてしまっていたのだ。
ユウにとっては下着姿の方が珍しく思える。
幼いころから見ようと努力してきたものの、サクヤには隙がなくほとんどが叶わなかった。
それが今目の前に。
サクヤは熟睡していて、完全に気付いていない。
同意がない、というのが余計に興奮を煽っていた。
音をたてたり、ベッドをきしませないように横から近づき、サクヤの股間に顔を寄せる。
ほんのりとした体温の膜を抜け、ユウは緊張を強めた。
サクヤの反対側──ユウから見て遠い方──の布団の上に手を置き、ベッドがあまり沈まないようそっと体重をかける。
顔を見て目を覚ましていないことを確認し、股間を凝視した。
見るからに柔らかそうな割れ目のふくらみに鼻を近づけ、匂いを嗅いでみる。
甘い香りがした。
多分洗剤の香りだろうとユウは判断する。
サクヤには体臭と呼べるものがほとんどない。
匂いがあってもいい股間であってもそれは変わらなかった。
「ホント、綺麗だよな……」
太ももも白く、肌はものすごくきめ細かく見えた。
青い血管が浮いていて、股間の周辺は少しピンク色だ。
黒ずみもない。
くびれた腰に抱き着いて、柔らかい腹に顔をうずめたい。
きっとサクヤは頭を撫でてくれるだろう。
今度起きているときにやってみようかなと考える。
妙に甘えたい気持ちがあった。
普段はサクヤの方が甘える役だが、盛り上がってくるとユウも甘えてしまう。
二人でべたべたとくっつきあって、お互いの欲望をぶつけ合う。
性的な欲求以外も満たされる行為で、ユウは大好きだった。
ユウのチンポはガチガチになっていて、上を向こうと必死にびくついていた。
だがパンツが邪魔をして下を向いている。
痛みを覚えたユウはサクヤから離れ、ベッドから降り、下半身をむき出しにした。
少し肌寒い季節になってきているというのに、体が熱い。
自分の息が興奮で乱れていることにも気づいた。
はぁはぁと、短いスパンで体が空気を交換している。
パンツを脱がしてむしゃぶりつきたい。
思っても、起こさないで実行できる自信はない。
サクヤはどうしているんだろうか。
ユウが寝込みを襲われているときは、全裸にされていることが多々あった。
自分がされているときは全く気付かない。
意外とわからないものなのか?
考えてみるも実行したことはない。
単純に自分が鈍感な可能性もある。
ユウは寝つきがいい方だった。一度寝てしまうと熟睡してしまうのだ。
普段サクヤを脱がすときには腰を浮かせてくれたりとサポートがある。思ったよりも体に密着していて、力ずくというわけにはいかないからだ。
結果、ユウは実行することにする。
バレたらバレたで問題はないのでは、そう考えた。
少しの不安はあるが、きっとサクヤは怒らない。そういう考えもある。
ベッドの上に乗り、閉じた足の上にまたがるように乗る。
一応は起こさないように気を付けて、腰に手を伸ばす。
一気に行くべきか、ゆっくり行くべきか。それが問題だ。
基本的にはチキンであるユウはゆっくり行くことにした。
数ミリ単位で下げていく。
サクヤの顔や息遣いに注意をしながら。そして自分の息にも気を付けて。
シチュエーションにも興奮していたユウは手が震えた。
いつもはサクヤから誘ってくれる。
そのため、ユウは誘うという行動が苦手だった。
夜這いじみた行為をしたのは当然初めての経験だ。
存外にもするすると下着は下がっていく。
が、尻のふくらみがそれを邪魔した。
「あと少しなのに……」
ぼそっとユウは悪態をつく。
半分ほどがずり下がっているが、肝心なところはまだ見えない。
これ以上は流石にばれるんじゃないか?
一瞬躊躇が生まれるも、元の状態に戻せないことにも気づく。
どちらにせよ、バレる。
そう思った時に理性は吹き飛んだ。
引っ張るように、一気にパンツを脱がせる。
「……」
目に入ったのは上部に生えた少しの陰毛と、ふっくらとしたピンク色の割れ目。
陰毛はほとんど面積がない。
産毛のように細い毛が申し訳程度にある。
抱き着きながら正常位でするときには下腹に当たる感触のあるものだ。
なんとなくくすぐったい印象があった。
体質なのだろうか、サクヤは体毛が全体的に薄い。
顔から上には生えているのに、その他はほとんどないのだ。
見とれてしまった後、起こしてしまったかと思い、顔を見る。
静かな寝息を立てているだけで起きる気配はなかった。
何もはみ出ていない割れ目の横の肉へ指を伸ばす。
伸ばした人差し指が吸い込まれるようにめり込み、ユウは思わず声を出した。
「柔らか……」
サクヤの全身の中で一番柔らかく思えた。
何度も触っているものの、いつ触っても感動するものだ。
ぴくん、とサクヤの腰が小さく浮く。
焦って顔を見るも、まだ眠っていた。
「危な……」
自分が触ったことでサクヤが反応した。
そう思うとますます興奮する。
今すぐに割れ目の間にチンポをねじ込みたい衝動に駆られる。
抱き着いて、体を密着させて腰を打ち付けたい。
耳元で好きだと、愛していると言われたい。
抱きしめられながら、サクヤの奥に射精したい。
我慢できなくなりつつあるユウは割れ目に舌を伸ばした。
熱い息が割れ目まで到着すると、サクヤは体を少し動かす。
寝ていても感じるものなのか?
自分の場合は感じるというよりも変な感覚で目を覚ますことが多い。
サクヤは、女は違うのか?
目を覚ましたら聞いてみようと思う。
ベッドから降り、閉じた足を静かに、間接に沿って開いていく。
サクヤは軽いМ字開脚の状態になった。
足の隙間にユウは入り、土下座に近い体勢で割れ目に顔を寄せる。
ゆっくりと、起こさないように指で広げてみる。
ピンク色のひだが呼吸に合わせ少し動く。
すごく複雑な構造をしていた。
下にある小さな穴はふさがっていて、とてもチンポが入れそうには見えない。
だが、何度も入れている以上、それは確かなことだった。
本当は普段から舐めたい気持ちがあった。
だがサクヤが恥ずかしがるのであまりしたことはない。
愛液が垂れていない状態をユウは初めて見た。
普段のサクヤは出来上がった状態でユウを誘うからだ。
そこには我慢も理性もなく、完全に発情しきったメスがいる。
白い肌には赤みが浮かび、眼鏡の奥の目は座っていて、口元は緩い笑顔を浮かべてユウを誘う。
その表情はユウの理性を簡単に奪う。
細かいひだの感触、舌触り。
あふれ出る液体を味わいたい。
全身の味を知りたかった。
サクヤの内面も外面も、ありとあらゆることを知りたかった。
舌先をとがらせて、尻のほうから割れ目を這わせる。
濡れていないそこを舐めるのは当然初めての経験だった。
本来なら濡らすためにするものだという認識はあるが、サクヤに関してそれは必要ないものだからだ。
体質なのかそもそもが濡れやすいのである。
それこそキスをするだけでも十分すぎるほど体が火照るのだ。
全体を舐るように舌全体を広げて這わせていく。
興奮しすぎて起こさないように配慮する気が失せていた。
太ももを両手でつかみ、逃がさないようにして舐め続ける。
乾いたそこの舌触りは張り付くような感触だった。
柔らかい肉が舌に張り付き、持ち上げられるように動いて、戻っていく。
四つん這いになっているユウのチンポからは我慢汁がだらだらと流れだし、竿を伝って玉から落ちていた。
もう、限界だった。
「あっ♡ 何、ユウ、なんでっ♡」
さすがに目覚めたサクヤは状況を理解する。
最初にあった感覚は快感だ。
温かくぞわぞわした感覚が股間から立ち上ったのである。
そして目を覚ましてみると自分の股間を一心不乱に舐めるユウの姿があった。
真っ赤な顔で、余裕のない目をしていた。
サクヤが目覚めても止める様子はなく、それどころか一層激しく舌を動かす。
「だめ、だめよ、あ、ああっ♡ 激しい♡」
反応があるようになって、ますます気持ちは盛り上がる。
抵抗するも、力でユウには敵わない。
感じ始めたサクヤは愛液を垂れ流し、ユウはこぼさないように口に含んだ。
ユウはそこで気づいた。
自分がなぜ血を舐めて興奮したのかを。
サクヤの愛液が血の味に似ているのだ。
薄めた血のような、ちょっとだけしょっぱい、汗にも似た味。
ユウの舌は膣口とクリトリスを避けて動く。
Sっ気が出てきたのだ。
もう少し焦らしていたい。
どちらかと言えばユウはSだった。
ぐちゅぐちゅ、ぴちゃぴちゃという音が響き、恥ずかしさからサクヤは顔を真っ赤にする。ユウにばれないように顔を両手で隠す。だが、ユウにはすべてお見通しだった。
少しもどかしい刺激。決定的なものがなく、イキそうなのに完全にはイけない。
軽くイクのを繰り返すだけで、体に快感が充満していくのをサクヤは感じていた。
寝起きでいきなりだと気持ちの準備ができていない。
サクヤが自分から誘うのはそういう理由もあった。
自分が発情してしまっている状態だとすんなり進めることができるのだ。
「んひっ!?♡ ──っ!♡」
舌が膣口から侵入し、膣の浅いところを舐め始めた。
自分の中を舐め回されている不思議な感覚。
今までに感じたことのない刺激にサクヤは悶絶する。
腰をくねらせ、体をこわばらせる。頭を抑えてもユウは止まらなかった。
ざらついた舌ざわりに、ユウは挿入しているときのことを思い出す。
早く味わいたい気持ちもあるが、もう少し気持ちよくさせたい。
「だめ、中舐めないでっ♡ 恥ずかしいっ!♡ ああ、はぁっ♡ イッちゃう、イッちゃうからぁ♡」
腰を浮き上がらせ、ユウの頭を必死に押さえつける。
「ん、んんっ!♡」
ユウもびくつくサクヤを両腕で押さえつけ、口は離さない。
腰が布団に落ちても、膣の中に舌をねじ込み続けた。
イッたばかりで呼吸のおぼつかないサクヤを再度イカせるためだ。
「今だめっ、だめっ!♡ イッて、イッてるからぁっ!♡」
膣の中がぐにぐに動き、普段こんな感じで締め付けられているのかとユウは感動する。
なおも動き続ける舌に、サクヤは全身を震わせていた。
ユウはゆっくりと舌を引き抜き、垂れ流された愛液を舌ですくう。
そして全体をねっとりと舐めた後、触れないようにしていたクリトリスに唇を寄せる。
ぷっくりと膨らんでいて、張りを感じる姿をしていた。
ふう、と小さく息を吹きあてると甘く喘ぎながら腰をくねらせ、太ももはユウの頭をがっちりホールドする。
そして、ユウはとがらせた舌先で、とんっ、とクリトリスを押す。
「くひっ、イッ──っ!♡ は、ああぁっ♡」
足が小刻みに震え、ユウはサクヤがまたイッたことを知り満足げだった。
唇で優しく何度も挟むように小さな豆を刺激する。
舌先をとがらせ、とん、とクリトリスを何度も押す。
声にならない声を上げながら、サクヤは全身をエビぞりにした。
大きく息を吸って吐いて、上下する腹の上にユウはよじ登る。
しがみ付いて顔を腹にうずめ、ゆっくりと力を抜いた。
柔らかい腹は筋肉を感じさせない。それでいて太らないのだから不思議だった。
顔に触れる肌は自分の物とは違い、しっとりと汗ばんでいて、それでいてさらさらとしていた。
耳からはサクヤの呼吸音が聞こえる。
連続でイカされもうろうとする意識の中、サクヤはユウが甘えてきているのに気づいた。
自分の腹の上で、何かに縋るようにしていたのだ。
小さな子供が母親に抱き着いているような姿。
頭を撫でるとユウはじりじりとよじ登ってきて、サクヤの両胸を優しく掴む。
ぐにぐにと揉みながら乳首に吸い付き甘える姿に、サクヤは母性本能をくすぐられてしまう。
「はぁっ、ユウ……赤ちゃんみたい……♡」
「サクヤぁ、俺、もう我慢できない……サクヤとセックスしたい……」
「うん、ユウの好きなようにして……♡」
乳首にむしゃぶりついているユウの頭をゆっくり撫でる。
自分の物とは違う、少し硬めの髪を手櫛で整えていく。後頭部にあった寝ぐせが可愛らしく思えた。
ユウが甘えてくるのは珍しいことだった。
途中で、というのは珍しくもないが、最初からは珍しいのだ。
サクヤの顔のほうまですり寄ってきて、ユウはキスをした。
食べられているような、貪欲なキスだ。
普段のスマートさとはかけ離れた余裕のない姿に、サクヤはきゅんとしてしまう。
普段のユウは余裕がなくても気を遣っている。それはサクヤにも明らかだった。
だが今目の前にいるユウは余裕などみじんも感じさせない。
チンポがおまんこの外側に擦り付けられているのがわかった。
軽く腰を動かして、すりすりと、どこに入ればいいかを探しているような動きだ。
「入れていい……?」
さっきまで夜這いをかけていたとは思えないほど消極的に、懇願するように言った。
サクヤは怒っているような様子ではないが、許可が欲しかった。
受け入れて欲しかったのだ。
自分を求めて欲しかった。
「だめ、って言ったらやめちゃうの?」
「それは、──我慢できないよ。俺もう……」
「私が昨日寝ちゃったから、我慢できないのよね? ごめんなさい、私がユウを満足させてあげなきゃいけないのに」
「ごめん、こんなに我慢できないとは思わなかった……」
「我慢しなくてもいいのよ。かちかちのおちんちん、私に頂戴? 溜まっちゃった精液、全部おまんこにびゅー、びゅーって出して?♡」
ひたすらにおっぱいを揉みしだいていたユウはサクヤの顔を見た。
表情は笑顔で、いつものように蠱惑的なものだった。
受け入れられていることを実感し、ユウは心から安心する。
夜這いは少し不安だった。冷静に考えれば無理やり迫っているのだから。
だが、その心配は消えた。
「サクヤ、愛してる……」
「私も……♡ 大好き……♡」
再びよじ登り、抱きしめながら耳元で囁く。
ユウの背中に手が回され、しばらくそのまま抱き合った。
サクヤはユウの背中に回していた右手を股間まで移動させる。
そしてユウのチンポを掴み、軽くしごきながら自分のおまんこに誘導する。
ガチガチに勃起していて、先端からはぬるぬるした液体が流れていた。
サクヤの手が這いまわるたび、ユウは快感に顔を歪め、サクヤの耳元では荒い呼吸音が響く。
誘導が終わった後、二人は顔を突き合わせる。
何度しても挿入の瞬間だけは少し恥ずかしいのだ。
挿入してしまえばお互いが他の人間に見せない表情をし、声を上げてしまうからだ。
ユウはゆっくりと腰を突き出す。
じっくりと、味わうように挿入していく。
狭い膣内をこじ開けるように。
みっちりと詰まった肉は愛液でぬるぬるしていて、ユウのチンポをしごくように絡みついてきていた。
さっきまで自分が舐め回していた場所の感覚が亀頭から伝わる。名残惜しい気持ちもあったが、腰は自然と奥へ進もうとしていた。
十秒ほどの時間をかけ、根元まで挿入する。
快感のあまり上体が持ち上がり、肺の中の空気がすべて抜けていく。
「サクヤの中熱くて気持ちいい……」
「あああっ、すごい、私もきもちぃ♡ ユウのおちんちんおっきいの……♡ 好き、好きよ♡ こんなに欲しがってくれて嬉しい……♡」
二人は抱き合ってキスをしながらしばらく動かなかった。
ユウは動くとすぐに射精してしまいそうだった。
キスをして、舌を絡ませ合うたびにサクヤのおまんこは執拗なほどの締め付けとうねりをユウに与えてくる。
ユウはなるべく動かないよう、着ていたシャツを脱ぎ捨てる。
べっとりと汗で張り付いて脱ぎにくかった。
「サクヤ、動いていい……?」
「うん……私のおまんこで気持ちよくなって♡ 我慢しなくていいからね♡ 出したくなったら遠慮せずにぴゅっぴゅして♡」
サクヤの言葉を皮切りに、ユウは腰をゆっくり動かし始める。
ぐちゅぐちゅという音を立て、粘液が二人の股間の結合部から漏れた。
二人は一突きごとに喘ぎ、サクヤはユウの背中に爪を立てる。
汗ばんだ皮膚には少し強い刺激だ。
サクヤがイク時にまた新しい傷が背中にできてしまうとユウは思ったが、それでもイカせようとしていた。
もはや何度もされたことで慣れていたというのもある。
それに、ある意味では勲章だ。
ぞりぞりと、サクヤの中を味わうようにこすりつける。
入り口から奥まで、何度も何度も大きく往復する。
亀頭にこつこつとあたる奥の硬いところ。ユウはそこにこすりつけるのが大好きだった。
裏筋を押し当てるたびに声が漏れてしまう。
自分の意志とは無関係に、快感に引っ張られ腰が動く。
サクヤの中で溶けていくような感覚に理性も溶けていった。
普段なら言えないようなこともこうなると自然と喉を通る。
「好きだ、好きだっ!」
「私も、はああっ♡ はぁ、あ、あ、あっ!♡ 好き、好きよっ!♡ あん、そこ、そこきもちぃっ!♡ あああっ!♡」
少しずつ腰の動きが早まっていく。
チンポにはじんじんという、しびれにも近い感覚が充満していた。
ぱんぱんという密着音が大きくなっていく。
背中を掴むサクヤの力はどんどん強くなり、それにあわせてユウの腰はより強く打ち付けられていた。
汗ばんだ体をこすりつけ合い、一つの物体のようになっている。
肩口から首筋、そしてサクヤの耳まで舌をなぞらせ、耳たぶを唇で挟んで、その後に言う。
「サクヤ、出そう、出ちゃいそう! 中に出したい!」
「出してっ!♡ 奥にいっぱい出してっ!♡」
ユウの腰に足を絡ませ、逃がさないようにする。
背中に食い込んだ爪がサクヤの絶頂を示唆しているのをユウは感じていた。
「うう、うううっ! 出る……出るっ!」
「奥にごんっ、ってして!♡ 私もイクからっ!♡ 一緒に、一緒にイキたいのっ!♡」
ユウはなんとか射精をこらえ、最後の一突きをする。
体重を乗せた一突きでユウの我慢は限界に達し、膨らんだ亀頭から精液が勢いよく飛び出していく。
どっくんどっくんと根元から脈動を繰り返し、膣内で精液が放射状に飛び散った。
ピンク色をしたサクヤのおまんこの中は、真っ白なゼリー状の精液で染まっていく。
中のひだの一枚一枚にしみわたるような量が飛び出ていた。
「イク、イク、ああっ、あああんっ!♡ 奥、奥ごんっ、って! ひぃんっ!♡ ──イク、イクっ!♡ あったかい、精液熱いっ♡ はぁっ、きもちぃ、きもちぃっ!♡」
「う、うっ! まだ出る、ううっ!」
「どくどくすごいっ♡ おちんちんすごいぃっ!♡ あああっ!♡ またイキそう、イッちゃいそうっ!♡ ──っイグっ!♡ ひんっ、ふぁぁっ!♡」
サクヤの震える体を押さえつけ、ユウは残っているものを絞るように小さく腰を上下させる。
サクヤはびくびくと震え、ユウの背中には赤い爪跡がくっきりと残る。
サクヤの中のチンポは射精後でも硬いままだった。
ほとんど丸一日していなかったため、ユウの性欲はまだ収まることを知らなかったのだ。
「もっと、もっとしたい、もっと中出ししたい……」
「はぁっ、私も、私もして欲しい……♡ ユウのたまたまの中身全部欲しい……♡ 生理がこないように孕ませて……♡ 赤ちゃん作ろ……?♡」
ぞくりとしたものを感じ、ユウは腰を振り始める。
さっき出したものをこぼさないよう、奥へ奥へ突き進む。
自分の精液のせいでぬめり方が変わり、少し違う感覚の中、チンポを必死に擦り付ける。
サクヤを持ち上げ、対面座位の形にもっていく。
邪魔だと思っていたサクヤのパジャマの上をついでに脱がす。
抱きしめあいながらユウは腰を必死に突き上げた。
お互いの体温を感じ、比較で自分の体の温度を知る。
振り乱れる髪からは甘い匂いが立ち込めていた。
ユウが突き上げるたびに、サクヤは自分の体重で奥を刺激され、圧迫感と快感を覚えていた。
「あ、あっ♡ 硬い、おチンポ硬いぃっ♡ ごりごりすごい、きもちぃとこ全部ごりごりされてっ♡ ああ、ひぃ、またイク、イクぅっ!♡ イキっぱなしっ、死ぬ、死ぬっ!♡ 息できないっ、奥ごんごん苦しいっ、きもちぃっ!♡」
「お、俺も気持ちよすぎてっ! もう俺ダメになりそう!」
「ダメに、ダメになろっ!♡ 一緒にダメになろっ!♡ 何もかも捨てて、えっちだけしよっ!♡ 毎日二人でびくびくってなるきもちぃことだけしましょ!♡ 赤ちゃん作りだけしましょっ!♡」
「それは、あっ、締め過ぎっ! ふうっ、また出る、出ちゃうっ!」
サクヤがしているのは悪魔の誘いだ。
乗ってはいけない。だが、今のユウには判断能力がない。
体のすべてが目の前のメスを孕ませることに全力だった。
「おチンポ、おちんちんびくびくしてるっ!♡ 精液出そうなの、欲しいっ♡ 白いどろどろ、おまんこに欲しいのっ!♡ ユウの赤ちゃん欲しい、産みたいっ!♡」
「うう、ううっ! サクヤ、サクヤ、出るっ! 孕んで!」
「一緒に、一緒にイクっ!♡ 精液どっぴゅんと一緒に孕むわっ!♡ びゅるびゅるしてっ!♡ いっぱい出してっ!♡」
「ふ、ううっ!」
どくんっ、と一回大きな脈動をし、ユウのチンポはありったけを吐き出す。
縦になっているサクヤの膣内に、精液が噴水のように舞い上がった。
重力を感じさせない勢いだ。
落ちてきた精液はユウのチンポが栓になり、膣内にとどまる。
サクヤの膣はぐいぐいと絞り上げるようにこそぎあげる。
数百メートルを全力で走った後のように息が切れ、抱き合ったまま二人はベッドに落ちた。
挿入したままサクヤがユウの上に寝そべっている形だ。
絶頂と運動のせいで息が荒れ、まともにしゃべることが難しい。
お互いの胸は新鮮な空気を欲していた。
「はぁ……はぁ……サクヤ、ごめん……」
「はぁっ、はぁっ、な、なんで謝るの……」
「その、無理やりしちゃったから……」
「はぁっ、はぁっ……すごく嬉しかったわ……いつも私からだったから、少し不安だったの……」
「……恥ずかしくて」
普段あまりしない体位だったため、いつも以上に疲れていた。
寝起きだということも影響している。
「恥ずかしいことじゃないわ。きもちぃことをしたいと思う方が普通よ」
「わかってるけど割り切れないっていうか……」
「ユウ、考えるのはやめましょう? 今は、今だけはそんなこと考えないでイチャイチャしたいわ」
「ん、そうだな……」
顔を向き合わせ、いつものようにキスをする。
少しずつエスカレートしていき、舌を絡め始めていく。
最中ユウはサクヤの頭を撫で、髪の感触を楽しんでいた。
この後ユウはサクヤに丸め込まれ、結局あと二回してしまう。
気持ちよかった……
あったかいサクヤの中で出すのは最高過ぎる。
生でしていると思うといつもよりも多く出てしまう。
自分の抑えが効かないのがわかるのだ。
ただ、そのせいでいつもより学校に行くのは遅れ気味だ。
「朝えっちは興奮するわね。──ユウがいつもより必死だったのも最高だったわ」
「そ、それはあまり言わないでくれると……」
サクヤは少しだけ悪戯っぽく言う。
こちらを見て、口元は笑みを浮かべていた。
は、恥ずかしい……
余裕がなかったのは事実。
気持ちよさ、エロさ、どちらにも勝てなかった。
「いいじゃない。私だって結局ずっとイカされっぱなしで、恥ずかしいところもたくさん見せたわ。それに、二人だけの秘密なんだから」
「なんというか、最近急激にこうなったからまだしっくり来てないんだよなぁ。幼馴染だった時間の方が長いからさ」
「私はもう慣れたわ。ユウとするえっちが気持ちよすぎて頭がダメになっちゃったのかも」
「俺もそうかも……最近少しおかしい気がするんだよな」
「おかしい? 何が?」
「恥ずかしいんだけど、──中出ししたくてたまらないんだよ。すごい孕ませたいんだ。コンドームももう使いたくないくらい」
そう、抑えが効かない。
どう考えてもまずいことだと分かっているのに、コンドームを見て見ぬふりしてしまうのだ。
サクヤと一緒にいると脳みそが機能しなくなる。
「まぁ。素直ね。私はずっと昔からされたくてたまらないけれど。──早く妊娠したいの。ちなみに、一応予定の上ならそろそろ生理が始まる頃合いよ。──ユウが妊娠させてなければ。つまりは安全日なのよ」
「それでも絶対やばいよな……最近ずっとだし」
「毎日あんなにぴゅっぴゅされてたら、可能性はそれなりに高そうよね。──嬉しい」
本当にうれしそうな表情をしていた。
俺はと言うと気が気でない。
一回始めてしまうと動けなくなるまでしてしまう。腰が止まらなくなってしまう。温かい体のさらに熱いところに出し尽くしてしまうのだ。
「ただ、生理っていつくるかわからないのよね、私。私生理自体は重い方だと思うんだけれど、あまり変化を感じないのよ。──普通イライラしたり、前兆があるものなんだけれど。ホルモンバランスが変わるかららしいんだけれど、多分それが少ないのよ。だから来るまでわからないわ」
「自分で自分がわからない、って意味では俺と同じだな。孕んで欲しいのに、今はまずいとも思う。──実際妊娠させたらどうすればいいんだろ」
「──堕ろすのは嫌よ。それだけはユウの言うことでも聞けないわ」
「俺も嫌だよ……」
「──もしできてたら考えましょ。大丈夫。考えてあるから」
「責任は取るから。絶対」
「それも勿論予定済みよ」
くすっと、小さく笑ったサクヤの顔を見て、俺は決意した。
結局のところ今の俺には力がない。
だからもう少し力をつけようと思う。
でないと自分からこの関係性を壊してしまう。
「ねぇ、ユウ。手を繋ぎましょう」
「え、ここじゃ誰かに見られるかもしれないぞ」
学校に行くための通学路。
元々人通りは少ないし、時間も少し遅いためもっと少ない。
でも、それなりにいるのだ。
「いいじゃない。見せつけたって。──手、冷えちゃった」
左手をこちらに向けるサクヤを見て断ろうとは思わない。
「──だな」
サクヤの左手はひんやりしていて、乾いているからか、さらさらした感触だった。
柔らかく、奥の方は熱い。
右手で掴んだ左手を優しく握り、そのまま俺のブレザーのポケットに突っ込む。
一瞬驚いた顔をサクヤはする。
俺がこんなことをするとは思っていなかったんだろう。
俺だって思わなかった。ただ、なんとなくだ。
外の空気はもう冷たく、水たまりは雪の結晶が一部分肥大化したような形で氷を張っていた。踏むとぱりん、と思っていたよりも大きな音がする。中が空洞なのだ。
「ユウの手あったかい」
「サクヤのはちょっと冷たいな」
「手が冷たい女は心が温かいって言うじゃない」
「──あんまり関係ないと思うけど、サクヤはそうだな」
横を見ると、頬には赤みがあった。
寒さから来るものなのか、照れているのかはわからない。
──野暮なので聞きはしない。
そろそろ長い冬がやってくる。
一度雪が降って、溶けて。
そしてもう一度雪が降れば溶けない根雪になる。
今年の冬はきっといつもと違う。
ただ寒いだけの、面倒な季節ではない。
「あ、そう言えば、今年は除雪機を買うみたいよ?」
「あの二十万くらいするやつ?」
雪国特有のものだ。キャタピラ形式で、前面には丸い刃が密集しているもの。
メカニカルな空気が憧れだった。それに楽だ。
「そう。うちとユウの家で共用らしいわ。これで少しは除雪が楽になるわね」
「楽しみになってきたぞ。早く降らないかな、雪」
「現金ね。いつもはめんどくさそうにやっているのに。──そうだ。かまくらを作って、その中でえっちするのはどう? 冬しかできない野外プレイよ?」
「流石に寒くて縮みあがりそう……」
ちょっと気になるとは言わないけど。
途中で崩れてしまってひどい目になるのが想像つく。
個人で作ることができるかまくらは、雪山の中をくりぬいたようなもの。雪のブロックを積み上げて作るのは相当に難しい。人手も準備もいる。
雪国であっても見たことはない。テレビに映るそういうものに普通に感動したりする。
「じゃあこたつの中とか? 確か押し入れにあったと思うわ」
「それはちょっと……してみたいな」
「汗だくえっちね。いつもそうだけれど、それより」
「外では、外ではこういう話やめよう? 誰に聞かれるかわかんないし」
「なら話題を変えましょうか。来週の旅行、楽しみね」
「ああ、二人だけの旅行なんて初めてだもんな」
「不安なのが、もしかしたら生理と時期が被るかもしれないということね」
「その時はその時、普通に旅行を楽しもうぜ」
セックスは勿論したい。
だが、なくてもサクヤと一緒に何かするのは楽しい。
色々と見て回って、お土産屋で一緒に何かを選んだり、湯上りに卓球なんかもいいだろう。多分、サクヤは全然できないだろうけど。
普段行かない場所で、普段離さないことを話したり。
色々なことを知りたい。
色々したいことも行きたい場所もあるが、結局、サクヤと一緒でないと嫌だ。
そんな気持ちで歩く。
学校まではそんなに距離はない。
しかし、到着まではサクヤの左手は俺のポケットの中だ。
俺だけのものだ。
違和感。
──何か、忘れている気がする。
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