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新たな世界

第十五話 正妻の特権

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 どうすればいいのか。

 ニムは俺がレームにしているようにして欲しいという。
 しかし、俺自身どのようにしているのかわからない。はっきり言って無我夢中というか、レームが受け入れてくれるままにしているのだ。
 甘えに甘えている。それをニムにしろと言われても……。


「ご主人様、してあげてはどうでしょう? 心配なら私が見ていますよ?」

「そう言われてもな……」

 地面にへたりこんだままのニムは懇願するような顔をしていた。

「ふっ、二人きりがいいです……! さっきレーム姉としてたみたいに……」

 その言葉を聞いた瞬間、レームの眉がぴくりと動いた気がした。


「──いいんじゃないでしょうか。ご主人様、いかがですか?」

「なんか不機嫌じゃないか? レーム」

「いいえ? 愛する妹の望みですから。ご主人様がいいのなら拒む理由はありませんよ?」

 ──人の気持ちに疎い俺でもわかる。レームは少し不機嫌だ。

 普段なら隠さない体も布団で隠している。表情が笑顔の分少し怖い。
 最近はずっと誰かしらが一緒にいる状態、──主にニムだが──が続いているので二人きりというのは久々だった。なのでレームも喜んでくれていたように思う。
 言うまでもなく俺の中でレームは特別だ。なるべく平等に振舞ってはいても、レーム相手だと気が緩む。夜にしてもそうだ。イチカやニムとするのとは違ってゆっくりじっくりしていることが多い。
 自分が特別だということをレームは理解しているのだ。だからこそ余裕が有る。そこが崩されそうになっていい顔はしないのだ。

「その……お嫁さんとするみたいなのがしたいです……」

 恥ずかしげに言うニムは本当に少女のようだった。考えてみればそういうのに憧れる年齢でもあるのだ。しかし、しかしだ──。
 ニム、やめろ!
 俺にだってわかる、今のレームが浮かべている笑顔は普段のそれじゃない!
 一番優しいのはレームだが、怒ると一番怖いのもレームなのだ。怒っているようには見えなくても不機嫌なのは分かる。

「それでは私は部屋に戻ります。──ご主人様、優しくしてあげてくださいね?」

 レームは肌を見せないようにしながらそそくさと部屋に戻ろうとする。
 声のトーンは冷たい。普段のそれからは考えられないくらいだ。
 ニムはそれに気づいていない。もう性欲以外の感情がないのかもしれない。
 ──明日からが不安だ。レームに突き放されるようなことがあれば、俺はもうどうすればいいのかわからない。

「レ、レーム──」

「おやすみなさい、ご主人様」

 俺が声をかけるもレームは部屋を出てしまった。レームの私室。俺と寝ているためほとんど使用されることのない部屋。
 ばたん、と少し強めに閉じられた扉が妙に大きく見える。


「ニム、謝るときは一緒に頼むぞ」
「謝る……レーム姉にですか?」
「そうだ」
「ご主人様なにかしたんですか?」
「お前な……」

 普段と同じようにしているつもりなのだろう。だがレームとの行為はある意味では不可侵なもの。妻としてイチカやニムと一線を画すものなのだ。

「ご主人様……さっきしてたみたいにして欲しいんです、レーム姉とするみたいに」

 潤んだ目でこちらを見つめるニムを見てダメとは言えない。
 ──レームに嫉妬しているのか?
 ないとは言えない。いくら俺でもニムの深層心理まではわからないのだ。普通の女の子のような考えを持っていても何も不思議ではない。レームにしてもイチカにしてもそうだ。こういう事態になるといつも後悔する。もう少し誰かと関わって生きるべきだった。知識はあってもわからないことが本当に多い。
 俺と三人だけの空間で嫌われていないだけマシなのだろうが、俺が火種で三人の仲が悪くなるのは困る。やはりレームのご機嫌取りはしたほうがいいのだろう。

 何か記念になるものでも贈るか? ──何が喜ぶんだ? 

「今日だけだぞ。それと……恥ずかしいところを見せるが笑うなよ?」
「あのおっぱいに甘えてるみたいなのですか?」
「──ああ」
「恥ずかしいんですか、あれ?」
「本来は子供がすることだからな。それも乳飲み子が」
「えぇ、いいじゃないですか。ご主人様には見えないんでしょうけど、レーム姉はすごい幸せそうな顔してますよ、あれ。だから私も同じことがしたいんです。どんな気持ちになるのか知りたいんです」
「そうなのか……」

 角度的に俺には見えない。なにせ胸に顔をうずめているのだから。
 恥ずかしさはあってもレーム以外には見られないのだからいいかと思っていた。ニムに知られているということが素直に恥ずかしい。
 俺のほうが遥かに強く長生きしている。でもレームの前では子供同然になってしまう。母性を知らないままこの年になってしまったからだ。受け入れてもらうということに対して免疫がない。

「それでニム、どうすればいい?」
「ええと……ご主人様にリードして欲しいです……」

 ベッドに寝そべり、恥ずかしげに体をさらす。
 レームよりは小ぶりで、それでもイチカよりはある胸。レームの柔らかいそれと比べるとだいぶ張りが強いそれは、重力に負けることなくピンと上を向いていた。
 すでに濡れてしまっているであろう股間を片手で隠している。
 ──珍しい。ニムはあけっぴろげというか、羞恥を捨てているように思っていた。製造過程でなにか間違えてしまったのかと思ったくらいには。
 そういうのはレームやイチカの仕事というか、役割だったのだ。
 今日のニムはしおらしい。
 胸がざわつく。レームに感じるものとはまた違う感覚。
 ピンク色の硬くなった乳首に舌を載せ、ぐっと押す。ニムは身震いするように喘いだ。

「ご主人様……いつもと違う、ぞわぞわします……」

 いつもは自分からグイグイ来るからだ、と思っても言わない。
 性器接触以外興味がないわけではないらしい。俺の方も違和感が有る。いつもならもう挿入して腰を振っているからだ。
 そのまま胸を中心に愛撫を続ける。ニムは小さく喘ぎを発していた。
 あまり聞いたことのない声。レームの妙にそそる喘ぎとは何かが違う。
 可愛らしいというか、本来この年であればこっちのほうが自然な気もする。
 自分の股間が反応しているのが分かる。半ば無理やりにさせられている行為とは違い、今日は俺のほうがしたくなっている。
 だがやはりレームにするのとは違って甘える気にはならない。

「ご、ご主人様……欲しいです、ご主人様の……」

 顔は全体が真っ赤だ。寝室に入ってきたときはこんな様子じゃなかったのに。
 唐突に年相応な対応をされても困る。
 調子が狂う。それでも俺の体は立派に発情してしまっていた。
 体は寝かせたまま、力を入れずにニムの足を開かせる。レームにするように、──妻にするように。
 覆いかぶさって性器同士を擦り付け合う。ニムのおまんこはすでにぐちゅぐちゅになっていて、俺のチンポに吸い付くように感じる。
 割れ目の上から亀頭を押し付けて下にスライドさせていく。
 やがて膣口を見つけた俺は、ゆっくりと狭いその穴にねじ込んだ。

「あああっ、おっきいです、ご主人様!♡」

 根元まで時間をかけて差し込みながら、胸を揉み、吸い、そして舐める。
 熱く、狭い膣内。熱湯に挿入でもしているように感じる温度だ。ごりごりと硬い膣内はほぐれきっていないのか、この年代の少女は本来これくらいの締りを持っているものなのか。──比較対象がない。
 塩辛い汗を感じながら顔をうずめ、そのまま腰を前後し始める。
 レームとするときのようなものとはちょっと違う。あれはどことなく俺がリードされているからだ。今回のニムに対してのそれは完全に俺がリードする形。
 多分恋人同士ならこんな感じでするのであろうものだ。
 レームの柔らかく包み込んでくる膣内とは違い、ニムやイチカの膣内は硬い。
 ツブツブの構造でチンポのほうが削られているような感覚で、自分の顔が自然に歪む。
 ごりごりとした刺激で、俺の形に合わせたりはしないのだ。

「あっ、あっ、あっ!♡ 気持ちいいです、すぐイッちゃうっ!♡ ごしゅじんしゃまっ!♡ イク、イクイクっ♡ あああっ、ああっ!♡ くっついてくだしゃいっ!♡」
「う……キツすぎる……」

 硬く勃起しているのに捻じ曲げられてしまいそうなほど締まる。
 満足に動けそうにない。少しでも激しく動けば射精するのがわかってしまった。
 なのでゆっくり、ゆっくり動く。
 ニムとこんなに密着したのは案外初めてかも知れない。

「これしあわせっ、大切にされてる気がします!♡」
「当たり前だっ! レームだってイチカだって、ニム、お前だって大切だ」
「ああ、へんな、へんなかんじっ♡ あたまほわほわしますっ!♡ もっと言ってください!♡」
「大切だ、好きだぞ」
「ぃひっ、イク、イクッ!♡ これがレーム姉のきもちっ!♡ ずるいっ、こんなの独り占めっ!♡」
「う、俺も出てしまいそうだ……」
「はいっ!♡ 一緒がいいですっ!♡」

 ニムは両手両足で俺にしがみついてくる。
 俺に張り付いて浮いているような状態ではあったが、射精に至るには十分すぎる刺激があった。
 ニムはイキっぱなしだ。膣内が蠢いているのが分かる。
 一体どうしてこんなに淫乱なんだ──。
 自分の口から無意識に声が漏れる。
 ビクンッとチンポが跳ね上がり、勢いそのままに射精が始まってしまう。
 子宮の存在しない体であっても、俺のほうは関係なく奥に注ぎ込もうとしていた。
 びゅくびゅく飛び散って奥の壁に当たり、跳ね返って亀頭に降りかかっているのが分かる。

「ごしゅじんしゃまぁっ!♡」
「ぐ……」

 絞られる。出している途中なのに、ニムの体がもう次を求めている。
 や、やっぱりレームとは違う……!
 労りが全くない!




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