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新たな世界

第六話 新たな感覚

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 俺はニムが酒を飲めると知り、少し嬉しく思った。
 この島に引っ越してきてからというもの、毎日酒を飲んでいる。
 それでも酔って理性を失うほどは飲まないのだが、心境の変化というのか、少しだけ明るくなってきたように思う。
 ニムはレームやイチカとはまた違う性格で、明るいというか朗らかな性格だ。
 俺に対しても物おじせずに話しかけてきてくれるのは素直に嬉しい。
 多分友達というのはこういう感覚なのだろうと思えるような、そんな存在である。

「これが酔うってことなんですかね、少し体が熱くなってきました」

 ニムは服の胸のあたりをバサバサとして風を体の中に入れている。
 多分意識などしていないのだろうが、正直少しドキッとするのでやめて欲しい。
 ちらりと見える胸元は結構膨らんでおり、レームやイチカとはまた違う魅力がある。

 この青い髪の少女は明るさが顔に出ているような、そんな見た目だ。レームやイチカとはまた違う系統の顔ではあるが、まず間違いなく美少女だろう。さわやかな顔をしているが、やはり少しだけ幼さも残っている。
 おっとりとした美人のレームとも、人形のような愛らしさのイチカとも違い、陽気な町娘といったような親しみやすさである。

「あまり飲みすぎるなよ。一応は体にいいものではないんだぞ」

「いえ、多分そんなには酔っていないと思います! まだ意識もしっかりとしてますし、ちょっと熱いだけです」

「まぁ一応な……だがいいものだな、人とこうやって酒を酌み交わすというのも。酒場に集まる気持ちが少しわかる」

「味もおいしいですしね。この少しぼーっとするような感覚もなんというか、気持ちいいですよね」

「それが醍醐味というやつだな。嫌なことがあったら酒に逃げるというのはたまにはいいものだ」

「ご主人様、何か……あったんですか?」

 。今でもまだ時折血の匂いがする気がするのだ。
 最近酒におぼれかけているのはあれが関係ないとは言えない。

「いや……特にない。むしろ嬉しいことがあったばかりだ」

「?」

「お前だよ。お前が生まれてからというものイチカは嬉しそうだしな」

 ニムは驚くような表情を浮かべ、その後にゆっくりと顔を赤くした。
 俺も酔っているのだろうか、こんな歯が浮くような言葉を口にしてしまうとは。

「あ、ありがとうございます……その嬉しいです……」

 少し下を見ながら、恥ずかしそうにしていた。
 こうしてみるとニムはやはり女の子なのだと思う。
 俺にはニムの年代の頃に女の知り合いはいなかったが、もしいたら少しは違う人生だったのだろう。
 きっと恋とやらをしてみたり、仕事に精を出して結婚したり、そういう人生もあったのだ。
 だが俺が選んだのは孤独の道だった。
 後悔したことはいくらでもある。それでも今はあの人生に感謝している。今の俺があるのはあ・の・俺・がいたからなのだから。


 日が落ち始め、少し肌寒い風が流れ始める。
 海の側というのもあってここは冷える時間が早い気がした。

 酒のせいもあってか、少し体が冷えてきている。

「ニム、そろそろ戻ろう。少し冷えてきた」

 俺はそう言ってニムの肩に手を置く。特に下心などなかった。
 海の方を眺めポーっとしていた。もしかすると酒が回っているのかもしれない。少し前から声は発していなかった。

「ひゃいん!♡」

 ニムはびくっと全身を震わせて、何とも言えない動揺した高い声を上げる。
 体をすくませたような、そんな体勢でこちらを見ていた。

「ど、どうした? そんなに力を入れたつもりはないのだが……痛かったか?」

「い、いえ、あの違うんです、痛かったわけじゃなくて……」

 顔を紅潮させて、慌てたように否定する。顔の前に両手を上げ、ふるふると手を振っていた。

「な、ならいいんだが……」

 年頃の娘というのはやはりわからない。不用意に触れてしまったので、こちらが悪いのだろうが、レームやイチカならばきっとこのような反応ではないだろう。レームなら喜びそうだし、イチカにしても同様の反応をするのではないだろうか。
 もしかして俺は気持ち悪かったりするのだろうか。そう思うと少し悲しい。
 レームやイチカが異常に優しいだけの可能性もあるということをすっかり忘れていた。
 それでもそこまでひどい容姿でもない気がするのだが、年のせいだろうか。ニムよりは俺の見た目は年上だから仕方ないのかもしれない。
 父親は娘に嫌われる、聞いたことはあったが、もしかするとそれなのかもしれない。




           ♢   ♢   ♢


 やっちゃったやっちゃった!
 ご、ご主人様の前でイッちゃうなんて! 突然触るから!
 顔が熱い、体が熱い。まともにご主人様を見られる気がしない。

 でも、大きかったなぁ、ご主人様の手。肩を触られただけであれなら、どうなっちゃうんだろ……
 どきどきする……もしかして私触ってほしい、のかな。でもきっとこれはお酒のせい、私はそんなにえっちじゃない、と思う。
 んー、ダメだ。すごいむらむらする。どうしよう、あそこがぬるぬるしてきてる。ご主人様にバレちゃうかもしれない。すごい触りたい、触りたいけど今は、今は。

 明日から、我慢は明日からにしよう。今日だけは今日だけは。今日だけはあそこに触っていたい。
 あの気持ちいいことをもっとしたい。今日も寝られないのだろうけど、それでも。
 恥ずかしいけれど、あそこを触るのはとても気持ちいい。ぬるぬるとしているあそこに指を這わせていたい。ドキドキするあの感覚に身を任せたい。


           ♢   ♢   ♢


 先ほどの件があってから、ニムを見るのが少し難しい。
 もしかすると嫌われているのかもしれない、そう思うと体がすくんでしまう。
 せっかく酒を飲める相手ができたというのに、早くもそれを失ってしまった気持ちだ。

 台所にはレームだけがいた。ニムはまだ外にいるし、イチカは多分昼寝をしているのだろう。

「はぁ……」

「ご主人様、どうかなされたんですか? 元気がなさそうですが……」

「いや何でもないんだ。酒のせいだ」

 レームに言い訳をする。嫌われたかも、とは言えなかった。ニムへの風当たりが悪くなるのは避けたい。

「ニム、ですね?」

「い、いや、別に嫌われたとかじゃないんだが……いや違う!」

 思わずこぼしてしまった。なんというか迂闊というか、レームに聞かれると答えてしまう。

「ニムはご主人様を嫌ってなどおりませんよ」

 くすくす、と口元を隠しレームは笑った。
 俺にとっては一大事なんだが、そう思う。

「そのうちわかると思いますよ。お気になさらないでください」

 レームは意味ありげというか、そんな言い方と笑顔を見せる。
 対人に限って言うならレームは俺よりもよっぽど頭がいいのではないかと思う。なにせ俺にはわからないようなことをたくさん知っているのだ。洞察力が鋭いというのだろうか。

「レーム、その、今日も甘えていいか……?」

 心が疲れた。人慣れしていない俺はちょっとしたことでも傷ついてしまうほど弱い。もう少し強い男になりたいものだが、経験値が低いのはごまかせない。
 どうにも嫌われるということに過剰反応してしまう。長年の孤独な生活の弊害なのだ。
 だがレームだけは。レームだけはこんな弱い俺を受け入れてくれる。

「大歓迎です♡ 今日はちょっと趣向を変えてみましょうか? 少し気になっていることがありまして、それを試してみたいのです♡」

「……楽しみだな。正直今すぐしてもらいたいというか、そんな気分になってきた」

「ダメですよ♡ 夜を楽しみにしていてください」

 もどかしい。もどかしいが我慢することにする。本当なら今すぐにでも抱きたいが、ここではニムに見られてしまう。イチカの時の二の舞は勘弁だ。
 それに今見られると余計に嫌われるのではないかと思う。レームは違うといっていても、可能性は排除しておきたい。
 昨夜もあまりにも我慢できなかったせいで扉を閉め忘れてしまっていたし、どうにも俺は足元がおろそかな気がする。一人の時はもう少しまともだったと思うのだが。


 夜になり、お待ちかねの時間がやってくる。
 食事の時も気が気ではないほど楽しみにしていた。
 イチカやニムの手前、冷静なご主人様を演じてはいたものの、隣に座るレームに抱き着きたくてたまらなかった。

「それでは、今日も可愛がってくださいませ……♡」

 息が荒くなってしまう。裸になったレームが俺の前にやってくるだけで興奮は最高潮だ。
 チンポは血液を集め、すっかり上を向いている。

「そ、それで今日は何か違うといっていたが、それは?」

 レームの中に入りたい、あの柔らかな肉に包まれて何度も射精したい。そう思ってもレームの言っていたことには興味がある。

「ご主人様、今日はここ、私のオマンコは使いません♡」

「え、なんで、なんでだ? 俺はずっと楽しみにしてたのに……」

「大丈夫ですよ♡ しっかりと何度もご主人様を満足させますから♡」

 レームはうそを言っていないのだろうが、俺はもう入れたくてたまらないのだ。

「いや、ダメだ。俺はやっぱりその、入れたい。まさか、まさかレームまで俺を嫌いに?」

「いいえ、それだけはあり得ません」

 きっぱりと、先ほどまでの柔らかな空気ではなく、真剣な様子だった。

「ただ、気持ちのいいお射精というのは何もオマンコだけではないのではないかと思うのです」

 片手の人差し指と親指を丸めたような形で、もう片方の人差し指を抜き差しするような動作をする。
 レームがすると非常に卑猥な動きだった。おっぱいは小さく揺れ、それが俺の劣情をさらに煽る。

「あれよりも気持ちいいことがあるというのか……?」

 未だに俺は入れただけでも射精してしまいそうなほどの快感を得ている。それ以上が存在するというのか。

「単純な刺激だけでしたらそうでもないかもしれません。ですがご主人様のお心を満足させることはできるかもしれませんよ」

「ご主人様、こちらに……♡」

 レームはベッドの上に乗り、正座の体勢をとる。
 何をするつもりなのか、イマイチ答えは出ない。

「私の膝の上に寝そべってくださいませ♡」

「これでいいのか?」

 レームの膝の上は温かく、柔らかい。そして頭上、俺の視線の先にはレームのおっぱいがある。
 顔を近づけるだけであの幸せな感触が味わえるというのはなかなかに贅沢に思える。
 レームはその状態のまま、俺のいきり立ったチンポに手を伸ばす。

「ご主人様、是非とも私のおっぱいを♡」

 俺はレームのおっぱいを下から鷲掴みにする。両手を柔らかな感触が包み、何とも心地いい。
 ふよふよとした感触が頭の中をそれでいっぱいにする。この感触は普段から触りたいほどだ。

 ぷっくりとしたピンク色の乳輪の上にはぴんと立つ乳首があり、思わずそれを口に含む。
 柔らかなおっぱいと違い、多少の硬さを持つそれを舌で転がす。少ししょっぱいというかそんな味だ。

 頭がそれの存在感に負け始めて、ポーっとしたような状態になる。
 だがそれは強い刺激で引き戻される。
 優しく俺のチンポを包んでいたレームの手が、少しずつ上下運動を始めたのだ。
 ゆっくり優しく、それでいて絡みついてくるような感触に、縋るような目をレームに向けてしまう。
 レームの言っていたようにオマンコとはまた違う、精神に来るような快感が頭をよぎる。

 今の俺は非常に無様というか、まるで乳飲み子のような姿なのだろう。
 だが甘えるという点において、これはいいものだった。
 俺の知らない母親というか、そんな感覚であり、性感以外のものも満たされていくような満足感のあるものだ。

「レーム、レーム」

 思わず声を出してしまう。乳首にむしゃぶりつき、もう片方の手はおっぱいを揉みしだく手を緩めない。
 チンポからは柔らかな快感が昇り、射精感が高まっているのを感じる。

「ご主人様、いかがですか?♡ といってもお顔を見ればわかってしまいますが♡」

「き、気持ちいい。そろそろ出てしまう」

「たっくさん出してくださいね♡ びゅびゅって私のおててにあったかい精液をかけて下さいませ♡」

「う、ううう」

 びゅるるる!

 音が出そうなほど勢いよく射精してしまう。
 レームは右手でしごき、左手で俺の射精を受け止めている。

「すごい♡ こんなにいっぱい♡」

 俺はというと、射精の快感に耐えるため、必死にレームにしがみついていた。
 終わらないのではないかと思うほど射精は続き、呼吸が荒くなって苦しい。

「う、うう、レーム……」

 レームは射精している間もずっと優しくチンポをしごき続けていた。そのせいでイキっぱなしというかいつまでも止められないのだ。

 ようやく止まったと思うと、レームは左手からこぼれそうなほどにたっぷりと溜まっている俺の精液に舌をつける。
 そしてそれを吸うように飲み干した。
 ずるずると、自分でもよくこんなに出したなと思うほどの量を一息に飲み込んでいた。

「すごく、濃いです……♡」

 ぺろぺろと左手に残っている精液も舐めとっている。
 その姿はとても煽情的で、先ほど出し切って収まったかと思ったチンポが再び硬くなる。
 真っ赤な顔で、真っ赤な舌をこちらに向けるようにれろれろと、指の隙間までしっかりと舐めていた。

 これは一晩中だな、と確信し、俺はレームを押し倒す。やっぱり中にも入れたいのだ。



               ♢   ♢   ♢



 今日もしてる……
 さっきの凄かったなぁ……
 あんなにたくさん出るんだ、精液って。あれがあそこに出されるんだよね……

 じゅん、としたものをニムは股間に感じる。

 お姉さま、すごくおいしそうに舐めてたけど、おいしいのかな……
 気になる、気になる。けど、けど!

 ニムは今日も寝室を覗いていた。真っ赤な顔で目を見開いて。口もぽっかりとあいていた。
 昨夜とは違い、こっそりとばれないように扉を開けたのだ。
 食事にもエリクサーが使われていることをニムは知らない。だから酒のせいだと自分に言い訳していた。
 性への興味。もうレームにはばれているのだからいいか、と少し開き直ってもいる。
 ご主人様にだけバレなければそれでいいと考えているのだ。

 先ほどのレームがしていたように、自分の指を舐める。
 精液の味などわかりはしないが、真似だけでもしているのだ。
 結果としてニムは興奮した。自分がその場にいるような、そんな感覚だった。

 そしてまたこっそりと扉を閉め、部屋に戻る。
 扉を閉める時、レームと目があった気がしたが、ニムはそれを気のせいだと強引にごまかした。
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