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竜魔決戦編
違和感のある決着
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自動回復
常に魔力を消費し続ける事で負った傷を癒してくれる回復魔法
要は通常の回復魔法の永続版のようなもの
なので回復魔法が使える者なら大体は扱えるこの魔法だが、実際にこれを戦いながら使おうと思う者はいない
何故ならこの自動回復は並の魔力量では一分と満たない間に魔力切れを起こしてしまう程燃費の悪い魔法だからである
『いくよ』
自動回復をかけた状態でヴァイオレットはミュゼルに突っ込んでいく
それを簡単に許すはずもなく、ミュゼルは再び不可視の魔法攻撃をヴァイオレットに放つ
ヴァイオレットはその攻撃に対して避ける動作を行わず、ミュゼルの攻撃を全てくらう
だが傷を負うと同時に自動回復によって傷がみるみるうちに癒えていった
『この程度の攻撃では止まらぬか』
『もうそのチクチク攻撃は意味ないよ』
自動回復を使えば傷など気にせず攻撃に集中することができる
装備一つ分の貯蓄魔力を使うことにはなるだろうが背に腹はかえられない
ヴァイオレットは相手の攻撃をくらいながらミュゼルに攻撃を仕掛ける
身体能力は圧倒的にヴァイオレットの方が上、肉薄した戦いにしてしまえばこちらが有利
『怖いのー、かすっただけで吹き飛ばされてしまいそうじゃわい』
余裕な素振りを見せながら防御魔法を展開してヴァイオレットの攻撃を凌ぐミュゼル
だが徐々に追い詰めているのはヴァイオレット
実際ヴァイオレットの連打に対して防御魔法が間に合わなくなってきている
このまま押していけばやがて攻撃が当たる
そう感じながら間髪入れずに攻撃をしていると、突如ミュゼルに異変が起きた
先程まで展開していた防御魔法、そしてヴァイオレットに向けて放っていた攻撃がピタリと止んでしまったのだ
『……?もらった!』
隙ができたところにヴァイオレットの拳がミュゼルの脇腹にクリティカルヒットする
攻撃をモロにくらったミュゼルは吹っ飛ばされ木にぶつかってその場で倒れ動かなくなった
本気で殴ったので中の臓器も破裂しているだろうしまず間違いなく死んでいる。そうでなくても暫くは身動きできないはずだ
普通ならばここでミュゼルを倒すことができて喜ぶべきなのだろうが、ヴァイオレットはあまりにもあっさり倒してしまったことにどこか違和感を覚えていた
『なんか殴った感触が変だったな……それに最後なんで急に魔法を使うのやめちゃったんだろ。でも今はそんな事気にしてる場合じゃない。早く皆のところに戻らなくちゃ』
気になる点はあったがそれよりも仲間の元に向かった敵を倒すことを優先し、ヴァイオレットはカラミティへと戻っていく
その様子を今まで気配を完全に殺し、木陰で覗き見していた人物が姿を現す
『まだ未完成じゃったか。まぁよい、回収して次の研究材料にでもしようかの』
ヴァイオレットがいなくなった場所で一人そう呟きながら倒れたミュゼルを担いで森の奥へと消えていった
常に魔力を消費し続ける事で負った傷を癒してくれる回復魔法
要は通常の回復魔法の永続版のようなもの
なので回復魔法が使える者なら大体は扱えるこの魔法だが、実際にこれを戦いながら使おうと思う者はいない
何故ならこの自動回復は並の魔力量では一分と満たない間に魔力切れを起こしてしまう程燃費の悪い魔法だからである
『いくよ』
自動回復をかけた状態でヴァイオレットはミュゼルに突っ込んでいく
それを簡単に許すはずもなく、ミュゼルは再び不可視の魔法攻撃をヴァイオレットに放つ
ヴァイオレットはその攻撃に対して避ける動作を行わず、ミュゼルの攻撃を全てくらう
だが傷を負うと同時に自動回復によって傷がみるみるうちに癒えていった
『この程度の攻撃では止まらぬか』
『もうそのチクチク攻撃は意味ないよ』
自動回復を使えば傷など気にせず攻撃に集中することができる
装備一つ分の貯蓄魔力を使うことにはなるだろうが背に腹はかえられない
ヴァイオレットは相手の攻撃をくらいながらミュゼルに攻撃を仕掛ける
身体能力は圧倒的にヴァイオレットの方が上、肉薄した戦いにしてしまえばこちらが有利
『怖いのー、かすっただけで吹き飛ばされてしまいそうじゃわい』
余裕な素振りを見せながら防御魔法を展開してヴァイオレットの攻撃を凌ぐミュゼル
だが徐々に追い詰めているのはヴァイオレット
実際ヴァイオレットの連打に対して防御魔法が間に合わなくなってきている
このまま押していけばやがて攻撃が当たる
そう感じながら間髪入れずに攻撃をしていると、突如ミュゼルに異変が起きた
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『……?もらった!』
隙ができたところにヴァイオレットの拳がミュゼルの脇腹にクリティカルヒットする
攻撃をモロにくらったミュゼルは吹っ飛ばされ木にぶつかってその場で倒れ動かなくなった
本気で殴ったので中の臓器も破裂しているだろうしまず間違いなく死んでいる。そうでなくても暫くは身動きできないはずだ
普通ならばここでミュゼルを倒すことができて喜ぶべきなのだろうが、ヴァイオレットはあまりにもあっさり倒してしまったことにどこか違和感を覚えていた
『なんか殴った感触が変だったな……それに最後なんで急に魔法を使うのやめちゃったんだろ。でも今はそんな事気にしてる場合じゃない。早く皆のところに戻らなくちゃ』
気になる点はあったがそれよりも仲間の元に向かった敵を倒すことを優先し、ヴァイオレットはカラミティへと戻っていく
その様子を今まで気配を完全に殺し、木陰で覗き見していた人物が姿を現す
『まだ未完成じゃったか。まぁよい、回収して次の研究材料にでもしようかの』
ヴァイオレットがいなくなった場所で一人そう呟きながら倒れたミュゼルを担いで森の奥へと消えていった
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