竜皇女と呼ばれた娘

Aoi

文字の大きさ
上 下
193 / 201
竜魔決戦編

湯浴み

しおりを挟む
『んーあともうちょっとで勝てそうな気がするんだけどな』
魔力全開放オーバードライブを使わずに我とあれだけ戦えるだけでかなりのものだがな』
『ルージュもまた強くなったな。俺ももっと精進せねばな』
『今日は負けちゃったけど次は勝たせてもらうからね!』


鍛錬から帰ってきたヴァイオレット達はカラミティへ帰る道中今回の鍛錬の感想を言い合っていた


『でもやっぱりもっと強くなりたいな。目指すなら私のお父さん位に』
『イグニスか……やめておいた方がいい。あれは竜の中でも別格の存在で強さの底が見えない。一度戦った我が言うのだから間違いない』
『えー……じゃあお母さんは?というかお母さんが戦ってるところなんて見たことないけどどれ位強いんだろうう』
『バシリッサはイグニスとは別種の強さだからな。あれを参考にしない方がいいだろう』
『どっちもダメじゃ目標を立てられないじゃん』
『とりあえず今は魔力全開放オーバードライブを使わずに我に勝てるようになることだな』


魔力全開放を使うのは最終手段、その手札を切らないで二フリートに勝つことができれば十分な強さを手に入れたことになるだろう
ここをああすれば、あれをこうしたらなど四者が色々と話しているとやがてカラミティへと到着する
ヴァイオレットの自宅までやって来るとメイド服を着た二足歩行の猫、ケットシー族のミニャが出迎えてくれた


『おかえりなさいませニャヴァイオレット……様』
『ただいまミニャ。どうしたの?そんな怪訝な顔して』
『ヴァイオレット様……また二フリート様と鍛錬ですニャね』
『え?うん、そうだけど』
『はぁ……強くなることも大事ですがあなたはこの大陸の主、人前に出る時は身だしなみにはもっと気を遣ってくださいニャ』
『えぇー別にそんなの誰も気にしないよ』
『いけません!さぁこっちに来て下さい!』


ミニャに引っ張られ言われるがままに浴場へと連れて来られるヴァイオレット
脱衣所には既に他の給仕人がお風呂の準備をしていて手分けしてヴァイオレットの汚れた衣服を脱がしていく
丸裸にすると今度は手足に分かれてお手製の石鹸で体を綺麗に洗っていく
ヴァイオレットはこれがどうにもこそばゆくて苦手だった


『うぅ……こんな大勢でやらなくても一人でできるよ』
『いけませんニャきちんと綺麗にしておかなくては。皆の主の前にヴァイオレット様は乙女なのですからニャ』
『お風呂に入るのは好きだけどそういうのは性に合わないんだよなぁ』


ミニャは家事全般が得意という才能を買われメイド長として他の者を付き従えヴァイオレットの住む家の管理を任されている
押しが強い一面もありヴァイオレットはこうして言われるがままにミニャの言うことを聞いている


『はい、綺麗になりましたニャ。私達はこれで失礼しますのであとはゆっくり浸かって下さいニャ』
『ありがとうねぇ』


ミニャ達に隅々まで体を洗われたヴァイオレットは浴槽に浸かり体の芯まで温めてから湯舟から出て、綺麗に畳まれて置いてある服に着替えて浴場をあとにした

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。 しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。 どうせ転生するのであればモブがよかったです。 この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。 精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。 だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・? あれ? そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。 邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央
ファンタジー
 糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。  一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。  だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。  そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。  この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。 2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト) 前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した 生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ 魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する ということで努力していくことにしました

処理中です...