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開拓編
各地帯の視察 2
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火山地帯の視察を終えたヴァイオレット達は次に砂漠地帯へとやってきた
ここではミノタウロス族族長ダイロスに案内をお願いしている
『お待ちしてやしたヴァイオレット様』
『よろしくね』
砂漠地帯を視察しに来たのは、先日見つけた砂漠地帯と森林地帯の境目辺りに天然で育っていた麦とトウモロコシを自家栽培して大量生産できるかという実験を行っているからだ
『場所によって芽が出ない場所もあるんすがここはようやく芽が出てきやした』
『うんうん、この調子でよろしく頼むよ。あとここは風が吹くと砂ですぐ埋もれちゃいそうだから塀を作ったりこまめに様子を見た方がよさそうだね』
この世界の麦やトウモロコシは砂漠地帯でも育つ品種のようで最低限の水やりと手入れをしてれば勝手に育ってくれるようだ
水やりも水魔法が使える者がいればどうとでもなるので天候によって生育に影響が出ることはそこまでないだろう
ここで見るものはそれくらいなもので予定よりも早く用事が済んでしまった
残すは寒冷地帯のみ。だが時間的に今向かっても到着するのは夜遅くになってしまうのでどうしようかと考えていると、ダイロスが今夜はここで泊まることを提案してきたのでせっかくだから厚意に甘えることにした
といってもダイロス達が住んでいる場所はまだ家を建てることが出来ていないので洞窟内で一晩過ごすこととなった
『そうだ、ヴァイオレット様腹減ってねぇですか?』
『うんもうお腹ペコペコだよ』
『そう思って準備しておきやした』
『えー気が利くなぁ。何が出るんだろう』
ゴツい見た目の割に気が回るななどと失礼な事を考えているとヴァイオレットの目の前に石の皿が置かれる
そしてその上には山盛りのクモらしき見た目をした生き物が乗っかっていた
『え……こ、これなに?クモ……じゃないよね』
『これはこの辺りによくいるソフトシェルスコーピオンっていう魔物でさぁ!』
『い、いつもこれ食べてるの?』
『へい!栄養もあるし焼いたら中々いけやすぜ!そのままガブッといってくだせぇ。あっ尻尾のところは毒あるんでそこだけちぎるんす』
懇切丁寧に食べ方を教えてくるダイロス
だが数々の魔物を食べてきたヴァイオレットでもクモやムカデといった魔物だけは食べた事がなかった
獣系は見た目が悪くても肉にしてしまえば気にならなかったが、こういう類はどうしても手を出すことができなかった
横にいるルージュもとんでもない顔をしている
しかしせっかくダイロス達が自分達の為に用意してくれたのにそれを無下にすることはできない
ヴァイオレットは腹を括りソフトシェルスコーピオンを一つ手に取って目を瞑りながら勢い良くかぶりついた
『……あれ?意外と美味しい……』
『えっ……冗談でしょヴァイオレット』
『正直食感は最悪だけど味はカニとかに近いかも。うん美味しいよ』
『えー……あむっ!あ、ホントだ結構美味い』
『それは良かったでさぁ!ささっ、どんどん食べてくだせぇ』
いい意味で期待を裏切ってくれたサソリの丸焼きでヴァイオレット達は腹を満たす
その頃には風も収まっていたので満天の星空を眺めながら眠りについた
ここではミノタウロス族族長ダイロスに案内をお願いしている
『お待ちしてやしたヴァイオレット様』
『よろしくね』
砂漠地帯を視察しに来たのは、先日見つけた砂漠地帯と森林地帯の境目辺りに天然で育っていた麦とトウモロコシを自家栽培して大量生産できるかという実験を行っているからだ
『場所によって芽が出ない場所もあるんすがここはようやく芽が出てきやした』
『うんうん、この調子でよろしく頼むよ。あとここは風が吹くと砂ですぐ埋もれちゃいそうだから塀を作ったりこまめに様子を見た方がよさそうだね』
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残すは寒冷地帯のみ。だが時間的に今向かっても到着するのは夜遅くになってしまうのでどうしようかと考えていると、ダイロスが今夜はここで泊まることを提案してきたのでせっかくだから厚意に甘えることにした
といってもダイロス達が住んでいる場所はまだ家を建てることが出来ていないので洞窟内で一晩過ごすこととなった
『そうだ、ヴァイオレット様腹減ってねぇですか?』
『うんもうお腹ペコペコだよ』
『そう思って準備しておきやした』
『えー気が利くなぁ。何が出るんだろう』
ゴツい見た目の割に気が回るななどと失礼な事を考えているとヴァイオレットの目の前に石の皿が置かれる
そしてその上には山盛りのクモらしき見た目をした生き物が乗っかっていた
『え……こ、これなに?クモ……じゃないよね』
『これはこの辺りによくいるソフトシェルスコーピオンっていう魔物でさぁ!』
『い、いつもこれ食べてるの?』
『へい!栄養もあるし焼いたら中々いけやすぜ!そのままガブッといってくだせぇ。あっ尻尾のところは毒あるんでそこだけちぎるんす』
懇切丁寧に食べ方を教えてくるダイロス
だが数々の魔物を食べてきたヴァイオレットでもクモやムカデといった魔物だけは食べた事がなかった
獣系は見た目が悪くても肉にしてしまえば気にならなかったが、こういう類はどうしても手を出すことができなかった
横にいるルージュもとんでもない顔をしている
しかしせっかくダイロス達が自分達の為に用意してくれたのにそれを無下にすることはできない
ヴァイオレットは腹を括りソフトシェルスコーピオンを一つ手に取って目を瞑りながら勢い良くかぶりついた
『……あれ?意外と美味しい……』
『えっ……冗談でしょヴァイオレット』
『正直食感は最悪だけど味はカニとかに近いかも。うん美味しいよ』
『えー……あむっ!あ、ホントだ結構美味い』
『それは良かったでさぁ!ささっ、どんどん食べてくだせぇ』
いい意味で期待を裏切ってくれたサソリの丸焼きでヴァイオレット達は腹を満たす
その頃には風も収まっていたので満天の星空を眺めながら眠りについた
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