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開拓編
夢の続き
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またあの夢を見た
いつもの一人の女性が複数の女性に虐められている光景
今日はトイレで虐められるようだが今回の夢は今までと少し違った。これまでは自分が第三者視点で見ていたのに対し今日の夢は自身がその女性に成り代わっていた
(おい、ちょっとこっち来いよ)
いつものメンバーがこちらの返答を待たずに襟を掴んでどこかへと連れていこうとする
これから何をされるのか理解しているヴァイオレットは抵抗しようとしたが、体は自分の意思で動かすことはできなかった
どうやら女性自身に成り代わっただけで夢の内容を変えるようなことは出来ないらしい
(お前昨日の放課後マサト先輩と何話してたんだよ)
(えっ……あ、あの、ハンカチ落としたのを拾ってもらっただけ……です)
(アンタさぁ、マナミがマサト先輩の事好きって知っててわざとやったんでしょ)
(ち、ちがっ……!)
否定しようとする黒髪の女性に対しそれを待たずになんと女性が服の中から刃物らしきものを取り出しこちらの顔に当ててきた
(その無駄に整った顔ムカつくんだよ。顔に傷でもつけたらマサト先輩も近づこうとしないかも)
(顔はバレるし面倒だから止めときな)
マナミと呼ばれている主犯格と思われる女性が刃物を当ててくる女性を制止
女性の目に黒髪の女性が抱いていたであろう恐怖と助かったという安堵が入り交じった感情両方がヴァイオレットにも流れてくる
だがそれも束の間、マナミはいいことを思いついたといったような不敵な笑みを浮かべながらこちらを見つめてきた
(顔はダメだけど……その長くて鬱陶しい髪は切っちゃってもいいんじゃない?)
(いいね、流石マナミ)
(や、やめて!それだけはやめて下さい!)
(抵抗してもいいけど間違って違うところ切っちゃうかもよ?)
そう言われ抵抗が弱まったところを複数人の取り巻き達によって押さえつけられる
髪をグッと押さえつけられ先程の刃物で乱暴に切っていく。切れ味が悪いのか鋸のようにギコギコと力を入れられながら
そうして綺麗だった黒髪は見るも無残な姿に変わり果ててしまった
(キャハハ!いいじゃん似合ってるよ。アンタにはその髪型がお似合いよ)
(その髪は自分でやったことにすんのね。もし私達にやられたとか言ったら分かってんでしょうね)
そう言い捨てて女性達は談笑しながらトイレをあとにした
切り捨てられた髪を泣きながら拾いあげる女性
普段であればこの辺りで目を覚ますはずだが、今日の夢にはまだ続きがあった
突然場面が変わり学校ではない一軒家の前にやって来ていた
ヴァイオレットにとっては初めて見るはずの場所、だが何故か見覚えがあったのと同時にどこか懐かしさも感じた
玄関前で立ち尽くしている黒髪の女性、そこへ背後から声がかかる
(シオリ?)
(お、お母さん)
話しかけてきたのはこの人物の母親
いつもお前やアンタなどで呼ばれていたので知る機会がなかったが、母親の言葉で初めてこの女性の名が判明した
その名を聞いた時、ヴァイオレットはまるで自分の名を呼ばれているような感覚を覚えた
いつもの一人の女性が複数の女性に虐められている光景
今日はトイレで虐められるようだが今回の夢は今までと少し違った。これまでは自分が第三者視点で見ていたのに対し今日の夢は自身がその女性に成り代わっていた
(おい、ちょっとこっち来いよ)
いつものメンバーがこちらの返答を待たずに襟を掴んでどこかへと連れていこうとする
これから何をされるのか理解しているヴァイオレットは抵抗しようとしたが、体は自分の意思で動かすことはできなかった
どうやら女性自身に成り代わっただけで夢の内容を変えるようなことは出来ないらしい
(お前昨日の放課後マサト先輩と何話してたんだよ)
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(アンタさぁ、マナミがマサト先輩の事好きって知っててわざとやったんでしょ)
(ち、ちがっ……!)
否定しようとする黒髪の女性に対しそれを待たずになんと女性が服の中から刃物らしきものを取り出しこちらの顔に当ててきた
(その無駄に整った顔ムカつくんだよ。顔に傷でもつけたらマサト先輩も近づこうとしないかも)
(顔はバレるし面倒だから止めときな)
マナミと呼ばれている主犯格と思われる女性が刃物を当ててくる女性を制止
女性の目に黒髪の女性が抱いていたであろう恐怖と助かったという安堵が入り交じった感情両方がヴァイオレットにも流れてくる
だがそれも束の間、マナミはいいことを思いついたといったような不敵な笑みを浮かべながらこちらを見つめてきた
(顔はダメだけど……その長くて鬱陶しい髪は切っちゃってもいいんじゃない?)
(いいね、流石マナミ)
(や、やめて!それだけはやめて下さい!)
(抵抗してもいいけど間違って違うところ切っちゃうかもよ?)
そう言われ抵抗が弱まったところを複数人の取り巻き達によって押さえつけられる
髪をグッと押さえつけられ先程の刃物で乱暴に切っていく。切れ味が悪いのか鋸のようにギコギコと力を入れられながら
そうして綺麗だった黒髪は見るも無残な姿に変わり果ててしまった
(キャハハ!いいじゃん似合ってるよ。アンタにはその髪型がお似合いよ)
(その髪は自分でやったことにすんのね。もし私達にやられたとか言ったら分かってんでしょうね)
そう言い捨てて女性達は談笑しながらトイレをあとにした
切り捨てられた髪を泣きながら拾いあげる女性
普段であればこの辺りで目を覚ますはずだが、今日の夢にはまだ続きがあった
突然場面が変わり学校ではない一軒家の前にやって来ていた
ヴァイオレットにとっては初めて見るはずの場所、だが何故か見覚えがあったのと同時にどこか懐かしさも感じた
玄関前で立ち尽くしている黒髪の女性、そこへ背後から声がかかる
(シオリ?)
(お、お母さん)
話しかけてきたのはこの人物の母親
いつもお前やアンタなどで呼ばれていたので知る機会がなかったが、母親の言葉で初めてこの女性の名が判明した
その名を聞いた時、ヴァイオレットはまるで自分の名を呼ばれているような感覚を覚えた
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