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開拓編
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トカゲの獣人集団に遭遇しついてくるようにとジェスチャーで伝えられたヴァイオレット達は、警戒をしつつも大人しく後ろをついていった
『あのーどこに向かってるの?』
『?』
道中何度か会話を試みるもやはり言葉は通じないようでこちらが話しかけても首を傾げるだけ
相手の意図を理解することもできず黙って歩いているとやがて木の幹を加工し壁のように築いた場所が目の前に現れた
ここが彼らの縄張りのようで一人が門がある場所まで行くと叩いて中にいる者を呼んで何か話し始めた
少しすると話を終えたようなので門が開くのかと思いきや、そこから更に待たされる羽目になった
夜も更けってきて食後だったこともありルージュはウトウトとしだした頃、ようやく門が開き中にいた仲間達が入るように促してきた
『アグゥラ。ゴアルギア』
『だから何言ってるか分からないよぉ』
こちらに語りかけながら奥へと案内してくるトカゲ獣人についていきながら辺りを見渡す
門の中は人の村に似ていて家屋が存在していたが職人が造った建造物とは似て非なるもので、隙間があったり斜めになっていたりと素人目から見ても正直住処としてはあまりいい出来栄えとは言えなかった
トカゲ獣人の数は大人子供合わせて五十弱といったところだろうか
男女の見分けはつかないがなんだか随分と線が細くやつれた者達が多いように見えた
『ググ』
案内していた者が足を止めた先には年老いたトカゲ獣人がヴァイオレットが来るのを待ち構えていた
周りにいる者達が頭を下げている様子からしてどうやらあの者が一番偉い人物のようだ
『ようこそ、我等の村、よく来てくれた』
『人の言葉!あなたは喋れるんだね』
『昔、少しだけ、人の村いた』
片言ではあるがようやくまともに話すことができる人物が現れた
これで自分達がここに連れて来られた理由を聞くことができる
『ねぇ、私達を連れてきた理由は何?』
『うむ、まずは、我等の自己紹介、する。我等はリザードマン、このアルカナの森には二百年近く前から住んでいる』
『アルカナの森?聞いたことないなぁ。ここはどこの国なの?』
『この大陸、国ない。ここユーレシカ大陸言う』
『ユーレシカ大陸も聞いたことない……というか私達国どころか別の大陸に来ちゃってたの!?』
衝撃の事実を教えられたヴァイオレットは驚きを隠せなかった
気を失っていた僅かな時間でそれほどまでの距離を移動するなんてかなりの速度で空でも飛ばない限り不可能
自分達を助けてくれたあの人物の存在がより気になるところだったが、お尋ね者として追われる心配を一先ずしなくていいことにも気づき少し気が楽になった
『あのーどこに向かってるの?』
『?』
道中何度か会話を試みるもやはり言葉は通じないようでこちらが話しかけても首を傾げるだけ
相手の意図を理解することもできず黙って歩いているとやがて木の幹を加工し壁のように築いた場所が目の前に現れた
ここが彼らの縄張りのようで一人が門がある場所まで行くと叩いて中にいる者を呼んで何か話し始めた
少しすると話を終えたようなので門が開くのかと思いきや、そこから更に待たされる羽目になった
夜も更けってきて食後だったこともありルージュはウトウトとしだした頃、ようやく門が開き中にいた仲間達が入るように促してきた
『アグゥラ。ゴアルギア』
『だから何言ってるか分からないよぉ』
こちらに語りかけながら奥へと案内してくるトカゲ獣人についていきながら辺りを見渡す
門の中は人の村に似ていて家屋が存在していたが職人が造った建造物とは似て非なるもので、隙間があったり斜めになっていたりと素人目から見ても正直住処としてはあまりいい出来栄えとは言えなかった
トカゲ獣人の数は大人子供合わせて五十弱といったところだろうか
男女の見分けはつかないがなんだか随分と線が細くやつれた者達が多いように見えた
『ググ』
案内していた者が足を止めた先には年老いたトカゲ獣人がヴァイオレットが来るのを待ち構えていた
周りにいる者達が頭を下げている様子からしてどうやらあの者が一番偉い人物のようだ
『ようこそ、我等の村、よく来てくれた』
『人の言葉!あなたは喋れるんだね』
『昔、少しだけ、人の村いた』
片言ではあるがようやくまともに話すことができる人物が現れた
これで自分達がここに連れて来られた理由を聞くことができる
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『うむ、まずは、我等の自己紹介、する。我等はリザードマン、このアルカナの森には二百年近く前から住んでいる』
『アルカナの森?聞いたことないなぁ。ここはどこの国なの?』
『この大陸、国ない。ここユーレシカ大陸言う』
『ユーレシカ大陸も聞いたことない……というか私達国どころか別の大陸に来ちゃってたの!?』
衝撃の事実を教えられたヴァイオレットは驚きを隠せなかった
気を失っていた僅かな時間でそれほどまでの距離を移動するなんてかなりの速度で空でも飛ばない限り不可能
自分達を助けてくれたあの人物の存在がより気になるところだったが、お尋ね者として追われる心配を一先ずしなくていいことにも気づき少し気が楽になった
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