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魔法学校編
事件の真相
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自室へと通されたアレクは国王の顔を見ると少し疲れているのが分かったので少しでも安らいでもらえるよう国王が愛飲している茶葉を棚から取り出し紅茶を淹れ始めた
『どうぞ』
『うむ。さて早速話を聞かせてもらおう』
『ハッ、エリザ様を襲ったあの者が脱獄したとの報告が上がった際、私はあの者と親しくしていた者の姿になりすまして接近を試みました』
『お前の能力であれば近づくのは容易であろうな。だがよくすぐ場所を突き止めることができたな』
『親しくしていたという人物が獣人でしたので。行動を共にしている従魔が稀な存在だったで臭いを辿るのは容易でした』
アレクも固有魔法持ちでありその魔法の正体は他者の姿に変身するというもの
対象の姿に変わると記憶に口調や仕草、魔力の質までそっくりそのまま真似ることができる
姿を変えていられる時間はその者とどれだけ親交があるかで決まり、アレクが変身したミーシャとはただのクラスメイトだったので一時間弱程度しか保てなかった
魔法の効果が切れる前にヴァイオレットの前から消えたのはそれが理由だったのだ
『それで?あの女はどうなった?』
『はい、友人に裏切られたと勘違いした相手は何故か突然頭を抱えて苦しみ出したのでその場で刑を執行しようとしたのですが……逃げられてしまいました』
『なんだと……?』
話を聞いていた国王の表情が険しいものとなる
アレクは突如現れた謎の男、その者に居合わせた騎士団全員が一瞬で倒されヴァイオレットを連れて行かれしまい計画が失敗したことを明かした
『わざわざ自分の娘を一度殺めさせてまであの者に罪をなすりつけたというのに……全て水の泡ではないか』
ヴァイオレットに罪を被せたのは襲われたエリザの実の親であるアレクサンドロス
ヴァイオレットとエリザが決勝で戦うことになる展開がある程度見えたところで計画を実行
エリザが一度蘇ることは知っていたので、国王とごく一部の者しか存在を知らない手下を使って実の娘を手にかけたのだ
『申し訳ありません。如何なる処罰も受ける所存であります』
『いい、そんなことをしても何も意味がないだろう。それよりその老人について調べはついたのか?』
『それについて調査中です……ただあれはとても人の枠に収まるような存在ではないように思えました』
『どういうことだ?』
『……いえ、きっと私の思い違いでしょう。今のはお忘れ下さい』
ミーシャの姿に変身したことで五感だけでなく第六感のようなものまで鋭敏化していた
その時アレクは老人からヴァイオレットの傍らにいたルージュと似た気配を感じていた
だが、その後すぐに変身が切れてしまい確かめることができなかったので確信は持てなかった
『ともかくあの女を逃してしまったのなら指名手配をするしかないな。国外に逃げられないよう国境の警備も強化するように』
『ハッ、すぐに手配するよう各所に報告致します』
『どうぞ』
『うむ。さて早速話を聞かせてもらおう』
『ハッ、エリザ様を襲ったあの者が脱獄したとの報告が上がった際、私はあの者と親しくしていた者の姿になりすまして接近を試みました』
『お前の能力であれば近づくのは容易であろうな。だがよくすぐ場所を突き止めることができたな』
『親しくしていたという人物が獣人でしたので。行動を共にしている従魔が稀な存在だったで臭いを辿るのは容易でした』
アレクも固有魔法持ちでありその魔法の正体は他者の姿に変身するというもの
対象の姿に変わると記憶に口調や仕草、魔力の質までそっくりそのまま真似ることができる
姿を変えていられる時間はその者とどれだけ親交があるかで決まり、アレクが変身したミーシャとはただのクラスメイトだったので一時間弱程度しか保てなかった
魔法の効果が切れる前にヴァイオレットの前から消えたのはそれが理由だったのだ
『それで?あの女はどうなった?』
『はい、友人に裏切られたと勘違いした相手は何故か突然頭を抱えて苦しみ出したのでその場で刑を執行しようとしたのですが……逃げられてしまいました』
『なんだと……?』
話を聞いていた国王の表情が険しいものとなる
アレクは突如現れた謎の男、その者に居合わせた騎士団全員が一瞬で倒されヴァイオレットを連れて行かれしまい計画が失敗したことを明かした
『わざわざ自分の娘を一度殺めさせてまであの者に罪をなすりつけたというのに……全て水の泡ではないか』
ヴァイオレットに罪を被せたのは襲われたエリザの実の親であるアレクサンドロス
ヴァイオレットとエリザが決勝で戦うことになる展開がある程度見えたところで計画を実行
エリザが一度蘇ることは知っていたので、国王とごく一部の者しか存在を知らない手下を使って実の娘を手にかけたのだ
『申し訳ありません。如何なる処罰も受ける所存であります』
『いい、そんなことをしても何も意味がないだろう。それよりその老人について調べはついたのか?』
『それについて調査中です……ただあれはとても人の枠に収まるような存在ではないように思えました』
『どういうことだ?』
『……いえ、きっと私の思い違いでしょう。今のはお忘れ下さい』
ミーシャの姿に変身したことで五感だけでなく第六感のようなものまで鋭敏化していた
その時アレクは老人からヴァイオレットの傍らにいたルージュと似た気配を感じていた
だが、その後すぐに変身が切れてしまい確かめることができなかったので確信は持てなかった
『ともかくあの女を逃してしまったのなら指名手配をするしかないな。国外に逃げられないよう国境の警備も強化するように』
『ハッ、すぐに手配するよう各所に報告致します』
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