47 / 233
魔法学校編
二回目の試験
しおりを挟む
王都の外で思う存分遊ばせたことでルージュの溜まっていたものが発散できたのか、以前よりも大分大人しくなってくれた
これからも定期的に外に出てはルージュの遊びに付き添ってあげた方がよさそうだ
だが今はそれよりも気にしなくてはならないことがある
それは今日これから控えてる試験についてだ
『はぁ……遂にこの日がまたやってきちゃったね』
『前回はなぁなぁになっちゃったからね、やるだけのことはやったつもりだからあとはなるようになるだけだわ。あなたも私が付きっきりで勉強見てあげたんだから酷い点数は取らないでよね』
『うん、頑張るよ。でもこの試験が終わったらミーシャちゃんとは別の部屋になっちゃうかもしれないのかぁ。寂しいなぁ』
『別に部屋が一緒じゃなくても毎日嫌という程顔を合わせてるでしょ。そんな心配よりもヴァイオレットは最下位にならないことね。最下位になったら今度こそ追い出されるわよ』
『そういえばそんな決まりあったねぇ。頑張らないと!』
ヴァイオレットは自分の頬を叩き自身に喝を入れる
その後筆記試験が行われたが、ミーシャと日頃から勉強していたお陰か前回よりもいい点数を叩き出せたような気がした
実際は半分いくかどうかの点数だろうが、それでもヴァイオレットにとっては上出来ともいえる結果だった
『次は実技だね、今回も前と同じように迷宮に行くのかなぁ』
『前の事があってからまだ一月しか経ってないんだからそれはないでしょう』
『待たせたなお前達』
実技試験の内容発表を待っていたヴァイオレット達の前にケーニッヒがやってくる
『えー実技試験の内容だが今回は対人戦だ』
『入学試験の時みたいな感じかな?』
『あれよりもっと実戦的なやつじゃないかしら』
『今日の対人戦の為に来てもらった方々だ。まぁ一度面識はある相手だがな』
ケーニッヒの言葉と同時に現れたのは前回来た魔法騎士団の面々だった
そしてそこには団長であるミュゼルの姿もある
『マジかよ、ミュゼル団長と当たる可能性があるってことかよ。完全にハズレ枠だな』
『いや他の団員も十分精鋭だぞ。端から勝たせるつもりはないってことか……』
口々にそう呟く生徒達を横目にケーニッヒは続ける
『今から名前を呼ばれた者は俺が決めた団員と戦ってもらう。今自分が出せる全力を相手にぶつけるんだ』
それからケーニッヒは生徒達に担当する者を次々と言い渡していく
ヴァイオレットは自分の相手が誰になるのかと楽しみにしながらその時を待った
『次、ヴァイオレット』
『はーい、私の相手は誰かなぁ』
『お前の相手をしてくれるのは……』
『妾じゃ、よろしく頼むの』
『私の相手は団長さんか、楽しみだなぁ』
周りからしたらハズレくじを引いたように思われているのだろうが、ヴァイオレットからしたらその逆
団長という位だから当然この中できっと一番強いのだろう
ここ最近戦闘で思い切り戦うということができていなかったし、この相手なら久しぶりに思う存分力を発揮できるかもしれないと高揚し始めていた
これからも定期的に外に出てはルージュの遊びに付き添ってあげた方がよさそうだ
だが今はそれよりも気にしなくてはならないことがある
それは今日これから控えてる試験についてだ
『はぁ……遂にこの日がまたやってきちゃったね』
『前回はなぁなぁになっちゃったからね、やるだけのことはやったつもりだからあとはなるようになるだけだわ。あなたも私が付きっきりで勉強見てあげたんだから酷い点数は取らないでよね』
『うん、頑張るよ。でもこの試験が終わったらミーシャちゃんとは別の部屋になっちゃうかもしれないのかぁ。寂しいなぁ』
『別に部屋が一緒じゃなくても毎日嫌という程顔を合わせてるでしょ。そんな心配よりもヴァイオレットは最下位にならないことね。最下位になったら今度こそ追い出されるわよ』
『そういえばそんな決まりあったねぇ。頑張らないと!』
ヴァイオレットは自分の頬を叩き自身に喝を入れる
その後筆記試験が行われたが、ミーシャと日頃から勉強していたお陰か前回よりもいい点数を叩き出せたような気がした
実際は半分いくかどうかの点数だろうが、それでもヴァイオレットにとっては上出来ともいえる結果だった
『次は実技だね、今回も前と同じように迷宮に行くのかなぁ』
『前の事があってからまだ一月しか経ってないんだからそれはないでしょう』
『待たせたなお前達』
実技試験の内容発表を待っていたヴァイオレット達の前にケーニッヒがやってくる
『えー実技試験の内容だが今回は対人戦だ』
『入学試験の時みたいな感じかな?』
『あれよりもっと実戦的なやつじゃないかしら』
『今日の対人戦の為に来てもらった方々だ。まぁ一度面識はある相手だがな』
ケーニッヒの言葉と同時に現れたのは前回来た魔法騎士団の面々だった
そしてそこには団長であるミュゼルの姿もある
『マジかよ、ミュゼル団長と当たる可能性があるってことかよ。完全にハズレ枠だな』
『いや他の団員も十分精鋭だぞ。端から勝たせるつもりはないってことか……』
口々にそう呟く生徒達を横目にケーニッヒは続ける
『今から名前を呼ばれた者は俺が決めた団員と戦ってもらう。今自分が出せる全力を相手にぶつけるんだ』
それからケーニッヒは生徒達に担当する者を次々と言い渡していく
ヴァイオレットは自分の相手が誰になるのかと楽しみにしながらその時を待った
『次、ヴァイオレット』
『はーい、私の相手は誰かなぁ』
『お前の相手をしてくれるのは……』
『妾じゃ、よろしく頼むの』
『私の相手は団長さんか、楽しみだなぁ』
周りからしたらハズレくじを引いたように思われているのだろうが、ヴァイオレットからしたらその逆
団長という位だから当然この中できっと一番強いのだろう
ここ最近戦闘で思い切り戦うということができていなかったし、この相手なら久しぶりに思う存分力を発揮できるかもしれないと高揚し始めていた
16
お気に入りに追加
225
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~
銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。
少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。
ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。
陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。
その結果――?

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる