竜皇女と呼ばれた娘

Aoi

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魔法学校編

一蹴

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迷宮の最奥に辿り着いたヴァイオレットと王女エリザの前に現れた黒マントを羽織った謎の人物達
そのうちの二人がヴァイオレットを無力化しようとしてくる


『安心しな、大人しくしてれば痛い目には遭わせないであげるよ』
『こっちは二人かぁ。王女様の方が人多いみたいだしこっちはサクッと終わらせて助けにいってあげなくちゃ』
『ハッ、面白いこと言ってくれるじゃないか。私達相手に啖呵を切るなんて随分と余裕ね』
『でかい口を叩く奴ほど程度が知れてるってことを今から思い知らせてあげるわ』


声からして恐らくどちらも女性で体格は自分と大差なし
相手を分析しつつ出方を窺っていると、片方から煙のようなものが出現し始めた


『これは……霧?』


女を中心に霧がどんどんとヴァイオレット達がいる空間を埋めつくしていく
やがて一体が霧に包まれ視界の確保が出来なくなってしまった


『どう?この霧で私達がどこにいるか分からないでしょう』
『でも私達にはあなたがどこにいるかは手に取るように分かる。一方的に痛めつけて眠らせてあげる』


霧自体に女の魔力が込められていて他の魔力が探れない仕組みになっている
こうなるとどこから魔法の攻撃がくるか分からない
だがヴァイオレットはこの手の魔法の弱点を知っている
女の位置を特定し迷うことなく霧の中を突き進んで行った


『なっ!』
『この魔法の弱点は霧が濃い場所を探せば大抵所有者がいること。速攻で叩けば別に怖くないよね』
『ニナ!』


ヴァイオレットの素早い動きに反応が遅れた女の一人は逆に眠らされてしまった
魔物であれば毎日のように殺しきたので迷うことなく手を下せるが、人だとやはり抵抗がありできなかった


『くそっ!舐めやがって!ってあのガキ、一体どこに消えて……ぐふっ!』
『声出してたら場所分かっちゃうよ』


ヴァイオレットの姿を見失ったもう一方の女は自身の腹部に激痛が走ったのでその部分を見てみると、先程まで相方の方にいたはずのヴァイオレットがそこにいた
抵抗が出来なくなった女を先程と同様に眠らせ、ヴァイオレットの前に立ちはだかってきた二人は完全に沈黙した


『これで終わりっと。早く王女様の加勢に行かなきゃ』


襲ってきた輩を倒したことで霧が晴れ王女様の方の様子が見えたので確認してみると、王女様は多数を相手に無傷で対応していた
よく観察してみると魔法を使っている相手の魔法は王女様に当たる前に全て消滅してしまっていた
以前取り巻きの魔法が誤って当たりそうになった魔法が突然消滅した時同じ光景を目の当たりにしたヴァイオレットはこの現象は王女様が引き起こしているものだということに気がついた


『はえ~凄いなぁ~……ってこんなことしてる場合じゃない!王女様!今助けにいきますよ!』
『ニナとミナがこんなあっさりと……チッ、一旦引くぞ』


加勢に入ろうとしたタイミングでボスと言われていた男が他の仲間に撤退の指示を送り、ヴァイオレットが倒した二人を置いて逃げようとする


『あっ!待て!』
『待ちなさい、追わなくて結構です。後がなくなったらなりふり構わなくなり他の生徒に余計な危害を加えかねません。それよりあなたが倒したその二人の拘束をお願いします』
『それもそっか……』


王女様の指示に従いヴァイオレットは追跡を中断
倒した二人を拘束した後は他の生徒の捜索にあたった

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