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第一章勇者の子供は親分?
勇者の子供は統括上手
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勇者率いるパーティーが国を興してから五年の月日が経った。
聖女の力によって、邪神率いる魔族達の国と群雄割拠の乱世の呈を成していた人族の国との境にある土地は浄化され、人が住める土地が最初に作られた。
次に大魔導士によっていくつかの砦が瞬く間に建てられ、街道が敷かれて行き、いつしか町が出来上がっていた。
聖騎士はその間ボーっとしているのも何なので、自分が生まれ育った国から元部下達を引き抜いていた。
ここまで一週間、奇しくも勇者が元いた世界のある宗教の神が世界を作るまでとほぼ同じ道を辿っている事に苦笑しつつ、勇者は各国に対し警告を行っていた。
それ、すなわち…
おめぇらがバカばっかやってっから俺ら一抜けすっけどちょっかいかけてくんなら容赦無く叩き潰すぞ。
という事だ。
一週間で国の形を作り、一か月後には移住者が雪崩れ込み、一年後にはどの国よりも広く巨大な一つの国と成っていた。
そんなある日、勇者はある女性と恋に落ち、建国から一年半後には子供が生まれ、その子供が転生者であることを生後2年で知る。
産まれた子供は生後三年で国に仕える官僚を手中に収めていた。
「坊、今月の出納帳の提出が遅れてっけど文官のケツ叩かねぇでいいんかい?」
その子供は異様という言葉がよく似あう子供だった。
産まれた直後に叫びはすれども泣きはせず、三か月が経つころにはメンチを切り、一年が経つ頃には無抵抗な相手を壊す術を知っていた。
「子供に坊って呼ばれる父親って可愛そうだとは思いませんか?こう、なんていうかパパとか言ってもいいんですよ?」
勇者で会った現国王徹の言葉に露骨に顔を顰める小さな影、名は神室 真司(カムロ シンジ)と名付けられた前世では96歳という大往生した元ヤ○ザであり、藤堂 源次郎(トウドウ ゲンジロウ)というあちらの世界では名の知れた人物だった。
「坊よぉ…おめぇさんの前世と今世合わせたって俺の半分にも満たねぇんだぜ…?んなガキに対して合計100にちけぇ俺がパパだの父ちゃんだのって呼べっと思うかい?」
いや、まぁ解るっちゃ解るんんだけど…と冷や汗を浮かべる徹。
なんせこの子供…威圧感が凄まじいのである。
邪神と対峙した時でさえここまで相手に恐怖することは無かった彼にとって自身の子供の方がよっぽど怖いのだ…さすが本職とずれた感想を抱きながらわが子の持って来た書類を受け取る。
「相変わらずよく纏まってますねぇ…本当に元ヤ○ザですか?いや、別に疑ってる訳でも何でもないデス」
徐々に深くなる眉間の谷を見て即座に自身の言葉を翻した徹の判断は正しいだろう。
この子供、三歳児にも関わらず桁違いの戦闘力も併せ持っているのだから。
聖女の力によって、邪神率いる魔族達の国と群雄割拠の乱世の呈を成していた人族の国との境にある土地は浄化され、人が住める土地が最初に作られた。
次に大魔導士によっていくつかの砦が瞬く間に建てられ、街道が敷かれて行き、いつしか町が出来上がっていた。
聖騎士はその間ボーっとしているのも何なので、自分が生まれ育った国から元部下達を引き抜いていた。
ここまで一週間、奇しくも勇者が元いた世界のある宗教の神が世界を作るまでとほぼ同じ道を辿っている事に苦笑しつつ、勇者は各国に対し警告を行っていた。
それ、すなわち…
おめぇらがバカばっかやってっから俺ら一抜けすっけどちょっかいかけてくんなら容赦無く叩き潰すぞ。
という事だ。
一週間で国の形を作り、一か月後には移住者が雪崩れ込み、一年後にはどの国よりも広く巨大な一つの国と成っていた。
そんなある日、勇者はある女性と恋に落ち、建国から一年半後には子供が生まれ、その子供が転生者であることを生後2年で知る。
産まれた子供は生後三年で国に仕える官僚を手中に収めていた。
「坊、今月の出納帳の提出が遅れてっけど文官のケツ叩かねぇでいいんかい?」
その子供は異様という言葉がよく似あう子供だった。
産まれた直後に叫びはすれども泣きはせず、三か月が経つころにはメンチを切り、一年が経つ頃には無抵抗な相手を壊す術を知っていた。
「子供に坊って呼ばれる父親って可愛そうだとは思いませんか?こう、なんていうかパパとか言ってもいいんですよ?」
勇者で会った現国王徹の言葉に露骨に顔を顰める小さな影、名は神室 真司(カムロ シンジ)と名付けられた前世では96歳という大往生した元ヤ○ザであり、藤堂 源次郎(トウドウ ゲンジロウ)というあちらの世界では名の知れた人物だった。
「坊よぉ…おめぇさんの前世と今世合わせたって俺の半分にも満たねぇんだぜ…?んなガキに対して合計100にちけぇ俺がパパだの父ちゃんだのって呼べっと思うかい?」
いや、まぁ解るっちゃ解るんんだけど…と冷や汗を浮かべる徹。
なんせこの子供…威圧感が凄まじいのである。
邪神と対峙した時でさえここまで相手に恐怖することは無かった彼にとって自身の子供の方がよっぽど怖いのだ…さすが本職とずれた感想を抱きながらわが子の持って来た書類を受け取る。
「相変わらずよく纏まってますねぇ…本当に元ヤ○ザですか?いや、別に疑ってる訳でも何でもないデス」
徐々に深くなる眉間の谷を見て即座に自身の言葉を翻した徹の判断は正しいだろう。
この子供、三歳児にも関わらず桁違いの戦闘力も併せ持っているのだから。
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