A world free of distortion

カイザー

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見知らぬ空の下

依頼

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この世界の技術は魔法により、元の世界よりも高水準だということを思い知らされた。目の前にある酒場の掲示板を見るとそう思わざるを得なかった。光魔法により、それは近未来感溢れる巨大ディスプレイだった。この世界の言語や文字は、日本で使っていたものと遜色ない。しっかりエリアスという文字が有り、ここに最近登録された新人冒険者の名前が乗る様だ。

「よう、にいちゃん。まあ、死なない程度に頑張れよ。」
ここのおっさん達は、気さくな人が多いようだ。ここは素直に聞いたほうがいい。

「弱いモンスターのいる、初心者向けの狩場ってありますか?」

「街を出てすぐ南に森があるんだ。そこなら、敵も弱いし初心者にはちょうどいいだろ。アーマービートルとか、ウイングラビットばっかで、オレ等にはつまらんがね。」

「ありがとうございます。」
最近は、若い人が来ないからおじさん達は、少なからず期待しているらしい。...後でステータス確認もしなきゃな。

さっき立ち寄った店で、武器屋と道具屋の場所を聞こうと思い、声を掛けた。

「メシアさん、武器屋と道具屋の場所を教えていただけませんか」
少し、メシアさんが笑った気がした。

「ポーションは、ウチで扱っているよ。武器屋は、僕が付いていくよ。同じ街の人間が居た方がいいだろ。ただし、その後少し手伝ってもらうよ。」
悪い人では無さそうだから、いいかな。

「じゃあ、ポーションを10個下さい。」

「10個で100リムだよ。」
...安過ぎないか!?ポーションって結構するイメージだったのに。

「冒険者支援団体組合があって、材料費はそこが負担して、仕入れてくれるから、実質タダで作れるんだよ。」
そんな組合があるのか。感謝感謝

「じゃあ行こうか、君。」

何で俺の名前が分かったんだ。一度も言ってないぞ。

「ゴメンゴメン。僕は見えるんだよ、人の名前がね。冒険者じゃないけど、そういうスキル持ちはいるんだよ。君にも有ると思うよ。」
そう言われて、ギルドカードの設定をいじり、ステータスを表示した。...まあ、予想はしてたよ。
能力値は、智と動だけ少し高く、後は普通らしい。

「まあ、皆こんなもんだよ。その内強くなるって。スキルはどうなの?」
面倒くさい事に、2ページ目に表示されるみたいだ。
「スキルは、多角認識と高速処理、精密動作位で後は...8個???が有るだけです。」
正直、多角認識は要らない気がするが。

「???は、シークレットスキルって言う、ある条件を満たすと解放されるスキルで、大体がレアスキルなんだよ!」
何だかわからないけど、取り敢えず良いものらしい。 使えなきゃ意味ないけどな!

そのスキルの事は、隠しておいた方がいいよ。たまに、妬みで別の冒険者を襲う奴もいるからね。」
当然そのつもりだった。ギルドカード見られたら、たまったもんじゃないな。
~~~~~~~~~~~~~~~
ー武器屋ー
使う武器と言っても、短剣かソード位だろう。ー侮っていた。他にも、いろんな武器があるじゃないか。弓や斧も有るがどうするか。
「一人だったら、ソードか鎌がオススメかな。ソードは、素早い戦闘にも対応できる。鎌は、リーチが長く一人で広範囲をカバーできる、といった感じだね。」

うーむ、鎌も良いがクロスボウガンも良いな。メインが鎌でサブでクロスボウガンにしよう!

「フラットリッパーとフラットショットをください。」
合わせて1200リムだった。ここも組合の支援があるが、それに加えてメシアのおかげで、200リム分安くなった。後、クロスボウガンはあまり使う人がいないらしい。と言うのも、ほとんど弓か魔法を使うからなんだと。

「じゃあ依頼内容だけど、南の森の薬草取りを手伝って欲しい。そのついでに、魔物と戦ってみると良いよ。」

ようやく冒険者らしくなってきてワクワクした。初めての依頼に心を弾ませ、僕とメシアさんは、森へ向かった。
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