4 / 4
D_200 OK
しおりを挟む
「宮園委員長だけ、元に戻っちゃいましたねぇ」
「戻れなかったら色々と不味いんですよ……!君の描いたキャラ性癖が歪みすぎ……ッ!」
男の体に戻り、宮園は冷や汗を拭う。戻れない可能性があったのかと。結局、3人の女子が集まる部活になっているSF研を改めて見返す。部室に来た時よりも、少なからず内装が変わったような気がする。お手製と思われるカラフルなクッションや、本棚にも手編みのカバーが掛けられてあったり。……掃除をしなくて済んだのは、これ幸いだが。
「本来のお話忘れかけてました、同人誌の頒布ですけど……」
「あっ、この内容でいいですよね!」
とってつけたような口調で、神田はPC画面を見せる。しかし、宮園は直後に絶叫した。
「ゲッ――18禁頒布したら来年以降文化祭が中止になるわ!」
「頒布て……委員長、案外コミケとかサブカル詳しかったりシナイか?」
PCに写された画像。こんなものを学校の文化祭で頒布しようものなら、発禁御取り潰しは間違いない。
「とにかくっ!同人誌はいいにしても、内容は全年齢に修正してくださいっ!」
「黒塗り線で……」
「無茶言うな!」
鬼気迫った様相の宮園に、浦添優子が話しかける。
「それより。――宮園先輩、今だとどういう『認識』になってますか」
「んむ……元の世界の君たちの事は覚えているんだ。だけど、今の君たちが昔から居たって言う認識もあって」
「そうですか……ねぇ、先輩。少しだけ、ボクたちの実験に協力していただけませんか?」
上目遣いの美少女がこちらをじっと見ている。一瞬返答に困って、宮園は単純な断りを入れようとした。
「いや、受験の勉強とかしないといけないし……というか笹倉さんは良いんですか?」
「元々高校卒業したら働く予定だったケド。――でもサ、この現実改変。上手く使えば『誰にでもなれる』んダゼ?それこそ委員長を天才にしてしまえば受験勉強も必要ないッテ寸法ヨ」
一瞬、虚をつかれる。そうだ。宮園が今相手をしているこの3人が何かを企めば、現実が変わってしまう。良い様に現実を変える事も可能であれば――その逆も。その人が『存在しない』と定義されてしまえば、世界から人間を消すことも可能だという事。
――冷や汗。
「わ……分かりました。週一ぐらいにさせていただけませんか?毎週水曜日が塾の休みなんで」
「はいっ、お願いしますっ!」
キラキラした瞳の浦添から逃げるように、平畑は早々に立ち去る。あとに残された3人は、部室に戻りながら話をしていた。
「今度はどうしましょうか、先輩?」
「――その、何ダロナ。お姉ちゃんプレイって結構凄いのナ。少しだけ見えたけど委員長が気持ちよさそうだっタシ」
「ボク達をアニメキャラそっくりに変化させるのも面白そうですね」
「よーしお姉ちゃん頑張っちゃうぞーカキカキ」
当の3人は、危険性を理解せず。ただ単純な愉しみのためにその力をどう使おうか話すのみであった。
「戻れなかったら色々と不味いんですよ……!君の描いたキャラ性癖が歪みすぎ……ッ!」
男の体に戻り、宮園は冷や汗を拭う。戻れない可能性があったのかと。結局、3人の女子が集まる部活になっているSF研を改めて見返す。部室に来た時よりも、少なからず内装が変わったような気がする。お手製と思われるカラフルなクッションや、本棚にも手編みのカバーが掛けられてあったり。……掃除をしなくて済んだのは、これ幸いだが。
「本来のお話忘れかけてました、同人誌の頒布ですけど……」
「あっ、この内容でいいですよね!」
とってつけたような口調で、神田はPC画面を見せる。しかし、宮園は直後に絶叫した。
「ゲッ――18禁頒布したら来年以降文化祭が中止になるわ!」
「頒布て……委員長、案外コミケとかサブカル詳しかったりシナイか?」
PCに写された画像。こんなものを学校の文化祭で頒布しようものなら、発禁御取り潰しは間違いない。
「とにかくっ!同人誌はいいにしても、内容は全年齢に修正してくださいっ!」
「黒塗り線で……」
「無茶言うな!」
鬼気迫った様相の宮園に、浦添優子が話しかける。
「それより。――宮園先輩、今だとどういう『認識』になってますか」
「んむ……元の世界の君たちの事は覚えているんだ。だけど、今の君たちが昔から居たって言う認識もあって」
「そうですか……ねぇ、先輩。少しだけ、ボクたちの実験に協力していただけませんか?」
上目遣いの美少女がこちらをじっと見ている。一瞬返答に困って、宮園は単純な断りを入れようとした。
「いや、受験の勉強とかしないといけないし……というか笹倉さんは良いんですか?」
「元々高校卒業したら働く予定だったケド。――でもサ、この現実改変。上手く使えば『誰にでもなれる』んダゼ?それこそ委員長を天才にしてしまえば受験勉強も必要ないッテ寸法ヨ」
一瞬、虚をつかれる。そうだ。宮園が今相手をしているこの3人が何かを企めば、現実が変わってしまう。良い様に現実を変える事も可能であれば――その逆も。その人が『存在しない』と定義されてしまえば、世界から人間を消すことも可能だという事。
――冷や汗。
「わ……分かりました。週一ぐらいにさせていただけませんか?毎週水曜日が塾の休みなんで」
「はいっ、お願いしますっ!」
キラキラした瞳の浦添から逃げるように、平畑は早々に立ち去る。あとに残された3人は、部室に戻りながら話をしていた。
「今度はどうしましょうか、先輩?」
「――その、何ダロナ。お姉ちゃんプレイって結構凄いのナ。少しだけ見えたけど委員長が気持ちよさそうだっタシ」
「ボク達をアニメキャラそっくりに変化させるのも面白そうですね」
「よーしお姉ちゃん頑張っちゃうぞーカキカキ」
当の3人は、危険性を理解せず。ただ単純な愉しみのためにその力をどう使おうか話すのみであった。
0
お気に入りに追加
11
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
少年女体化監禁事件
氷室ゆうり
恋愛
めったに書かないダークものも、たまには書いてみようかとした結果がこれです。ショートショートとはいえ、あまり好みじゃないということがよく分かりました。
それはそれとしてこういう作品も自身の成長に必要だと思うので。
r18です。それでは!
魔法少女は特別製
紫藤百零
大衆娯楽
魔法少女ティアドロップこと星降雫は、1日かけてしぶとい敵をようやく倒し終わったところ。気が抜けた彼女を襲うのは、日中気にも留めなかった生理的欲求ーー尿意だ。ここで負けたら乙女失格! 雫は乙女としても勝利を手にすることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる