青い華が選んだのは。

異世界転生したけどモブでした。

状況を整理する事にしました。

んくんく・・・

美味しい・・・

ミルクって美味しいんだね！！

知らなかった！！


(そりゃそうだ)



結局あの後、
クオーツにラピスラズリが言いくるめられたみたいで、
私の事を預かる事に決まったらしい。
(決まった途端、じゃぁ、そういう事で！と帰って行った)



ぶつぶつ文句を言いつつも、

肩からかけてるポシェット(魔法のポシェット？！)から赤ちゃん用品をだしてくれて、

ミルクを作ってくれたり、

おしめも変えてくれたり、


クオーツの言う通り、
ラピスラズリは面倒見がいい人みたいだ。(クオーツには当たりが強いけど)


今は、私の寝床を作るために家の中をゴソゴソしてくれている。



さてと・・・


お腹も膨れた事だし、
私も状況を整理してみる事にしよう。




私は可能な限り当たりを見渡した。



やっぱり、さっきの彼女達といい、
この場所といい、私は見たことがある。


実際に見たのではなく、
漫画で何回も見ただけだけど。



間違いない・・・・



ここは、



まさかの、



僕の手の世界だ。



彼女達を見て、
すぐに思い出せなかったのは、
原作の漫画では最初に、チラッと国の説明をされた時に出てきただけだから。


名前だけは何回もでてきてたけど。

(精霊主の名前と国の名前が一緒なのはややこしいな！)


ふぅ・・・・


さっきから、
手でパチパチ頬を叩いて、
夢じゃないか確かめているが、
醒める気配は一切なく、普通に痛い。
(もちもち赤ちゃんほっぺが赤くなりそうなので、もうやめた)



どうやら私は本当に
僕の手の世界に転生したらしい。


転生したって事はあの時、
死んじゃったて事よね？？


璃歩に元気って
言ったばかりだったのに・・・


お父さんお母さん、
就職先も決まったばかりで
親孝行する前だったのに・・


他にも・・・
前世でお世話になった人、
仲良かった人に、

「ごめんなさい・・・」と

心の中で謝った。



18歳で死んでしまったのは悲しい。
未練がないと言ったら嘘になるかもしれない。



でも、
でも、
でも、


この世界には、
ソウ(推し)が存在しているはず！

他の登場人物達も！！



今がソウがいる時代なのか分からないけど、未来なら生きていた痕跡(実家のパン屋の跡地とか)見つける事ができるかもしれないし、過去なら小さい頃のソウに会えるかもしれない。



気分は、アイドルの追っかけだ。
私がもう少し成長したら、
聖地巡礼をしよう。
そうしてひっそり細々と生きていこう。


私は、過去よりも今を生きる！！


今の私は、貴族でも無ければ、
金持ちでもない、
ただの捨て子(モブ)だろう。


原作で登場する事もないただのモブ。
自由に行動できるはず！


とりあえず、
暫くはこの世界に馴染む事が最優先事項って事で！


よしっ、


私は密かに決意した。


橋本奈留は前世でも今世でも逞しい女だ
った。




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「できまちたよ～。」


手をパンパンと叩きながら、
ラピスラズリが近づいてきた(しかも、ニコニコしている！)


私を見つめながら、


「なんて、可愛いんだ」


とボソっと呟いた。


あれ？？
ラピスラズリさん、
さっきとキャラ変わってません？？


ラピスラズリは、
私を小さなベット(いつの間に作った？！)にそっと、
寝かせると愛おしそうに
私のほっぺをツンツンし始めた。


美女の顔をこんな近くで見れる時がくるなんて・・・
もっと、この赤ちゃんほっぺを堪能するがいいさ！！

私は「キャキャッ」と喜んで見せた。


「なんて、天使なんだ・・・」


こうして私は、
ツンデレラピスラズリの家族になりました。