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女子高生でした。
華のLJK③
しおりを挟むあれ・・?
私・・・
「生きてる・・・?」
目が覚めると、
私は病院のベットの上だった。
確か、後ろから車がきて・・・
轢かれたんだっけ・・・?
体をベットから起こそうとすると、
全身にズキッと痛みが生じた。
「っつ、痛たた・・・」
私はやっとの思いで、
起き上がると体をさすった。
コンコン、ガチャッ
「失礼します。坂本さん体調どうですか~?」
看護師さんが入ってきた。
「えーと、全身と頭がちょっと痛いです・・・私、一体・・・??」
看護師さんは
テキパキと私の体温や脈を測りながら、
「混乱しますよね・・・
橋本さんは車にはねられて、救急車で運ばれてきたんですよ。
幸い、外傷が頭のたんこぶと全身打撲のみだったので、交通事故の怪我にしては軽い方でした。
結構なスピードでぶつかったと聞いていますが、これ位で済んだのは本当に運が良かったですよ」
と言った。
「そうだったんですね・・・」
ソウが報われないのを知った日に
事故に遭うって、ついてなさすぎじゃない??
私の心はズゥンと重くなった。
「ご両親は、こちらに向かってるみたいです。先程、お友達の方もお見えになって、部屋の外で待たれてるみたいなのですが、部屋に通しましょうか?」
看護師さんが、ニコッと笑った。
もうやる事は終わったのか、戻るようだ。
「はい、お願いします」
友達・・・璃歩かな??
家に中々来ないから心配かけたよね。
「少々、お待ちくださいね~」
看護師さんが部屋から出て行くと、
「グスッ、グス、なる~!!!生きててよかったぁ~~」
璃歩が泣きながら入ってきた。
やっぱり、璃歩だ!
「心配かけてごめんね~。体中痛いけど、無事だよ~~」
私は、璃歩に笑いかけた。
「なる中々来ないし、電話もLINEも繋がらないし、救急車の音聞こえるし、なんか不安になって、なるの家に電話したら、車にはねられて救急車で運ばれたって言うから・・・」
「まさか私も轢かれるとは・・・。その時の事全然覚えてないんだけど」
一体なんで私は轢かれたんだろう??
直前までソウの事を考えてた記憶はあるがそれ以外はさっぱりだ。
「なんか、居眠り運転の車が、なるにたまたま突っ込んだらしいよ。運が悪かったね・・・私はてっきり、ソウの事がショックのあまり、なるが自分から飛び込んだのかと思ったよ」
璃歩が真剣な顔で私を見てくる。
・・・て、おい。
「流石にそこまでしないから!!」
私は、頬をふくらませた。
「ふふ、でも元気そうでよかったよ!
そろそろお母さん達くると思うし、帰るね~!これお見舞いのお菓子と、なるが元気になるもの。私が帰ったらみてね~!じゃあ、またね!」
璃歩は私に、お菓子の袋と紙封筒を渡すと病室から出て行った。
「心配かけちゃったな・・・にしても、これなんだろう?」
私は封をあけて、中を見た。
中には一枚の紙が入っていた。
・・・こ、これは!!!
そこには、ソウとラアラのイラストが描いてあった。しかも、私の思い描いていた結婚式!!ハッピーエンド!!
しかも、圧倒的クオリティ。
本家を超えたといっても過言ではない。
璃歩はBL好きが高じて、
自分で薄い本を出すレベルの画力の持ち主だ。
「恥ずかしいから・・・」
と言って、頼んでも描いてくれなかったのに・・・
私が喜ぶと思って急いで描いてくれたのだろう。璃歩の優しさが心に沁みた。
本家では報われなかったが、
璃歩のおかげでハッピーエンドを見ることができたよ。
ありがとうマイフレンド。
「退院したら璃歩にお礼いわな・・」
ぷつん
何かが切れた。
あれ??
目の前が真っ暗になる。
あ、これはダメなやつかも・・・・
薄れゆく意識の中で
私は、璃歩から貰ったイラストをぎゅっと抱きしめた。
バタッ
この後、
私は二度と目を覚ます事はなく、
坂本奈留(18)としての人生は
こうして幕を閉じたのである。
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