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成果
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あれから一月が経った。今日も私は滝修行に励んでいる。しかし、今日はいつもと同じ事してるけど、違う緊張感が孕んだ空気が漂っている。
はじめの頃と違って、今は時の流れが緩やかに感じる。
そう、やり始めた頃はウサギが心配で気になって、集中がうまく出来ない日々が続いた。幼い頃に(今も幼い)、本を読んだだけで魔法を習得したときとは全く違い、ここまで来るのに時間がかかった。一月前に師長様から指示出されたコップに氷入りの水を注ぐ事、集中力を高めるための滝修行の他。山道に出くわす魔物退治と、小石を魔力を使って木にくくりつけている指先程の小さな的に当てるのを百回。と、やってきた。
そして、本日。師長様に修行の成果を披露する日が来た。滝から上がり、場所を移動する。目の前には、最初の課題でもあった何の変哲もない透明なコップが地面に置かれている。
「では、貴方のタイミングで始めてくれて構わない」
師長様は、そう私に声を掛けて名簿を片手に審査に入る。
…気のせいか、前より距離が離れたところにいるような。まぁ、散々あちこちの修行で、土砂崩れや洪水、火事等を起こしたからだろうか。それを思い出すと、この距離感について何も言えない。
でも、そんなことは今は絶対起こさせないし、起こさない。この一月で自分でも感じるくらい、力が身についたと思う。実際、土砂崩れとか、災害レベルのミスはここ五日くらい起こしていない。
それに、師長様の事を以前より不安に感じることが少し減った。少なくとも、私の目の前で愛しのウサギたちのことを変に扱う事もなく、寧ろ魔物から守ってくれたこともあった。
あの時は、どうしてウサギのことを守ってくれたのか疑問で質問した。すると彼は何の事もないというように「貴方の大切なものだろう?なら、私にも大切なものだからだ」と、答えた。
その時から彼にウサギたちのことを任せても、大丈夫なんだと理解した。実際、ウサギたちも彼のことを少なくとも嫌悪は抱いてない。お陰で、その時から私も修行に集中することができるようになった。
「では、いきます」
息を細く小さく吐いて、目の前の課題へ集中する。あの頃とは違い、実力的にも精神的にも成長することができた。
だから、大丈夫。
「…ふむ、お疲れ様」
師長様は、目の前の出来についてサラサラとペンを動かしていく。目の前の氷入りの水はあの頃より、キラキラと輝いて見えた。
「合格だ」
結果、師長様に提示された課題はクリアした。
「では、暫く達者でな」
「え?」
師長様は気付けば、小荷物を肩に背負って今にも、魔方陣で飛び立とうとしていた。
まだ、師長様から教えてもらったことは魔力コントロールの一つしか無い。
実技以外でも、知識を増やしたいのに。
私は、慌てて止め…ようとしたけど止めた。
忘れかけていたけど、この方は応急魔導師をまとめる魔術師のトップなのだ。
私にばかり構ってもらう暇などないのだ。
師長様の立場を思い出して、引き留め欠けていた手を下ろす。
人など、やることが終わればそれ以上のことは無益でやるなどしないものだ。
彼は、これで役目を果たしたと言うことだろう。
「なんだ?落ち込んでるのか?」
落ちこんでる?
誰が?と、辺りを見渡す。しかし、いるのは私と師長の他には、足下のピーターラビットのようなウサギのピタちゃん(♂)しかいない。
「あー、自覚無いのか。まぁ、いいか」
と、師長様は一人納得したようなつぶやきを漏らす。どういうこと?自覚って?
ピタちゃんを抱き抱え、私もまぁ気にしても意味ないかと考えることを放棄する。
師長様は、その間に移動魔法の魔方陣を発動させた。もう、これで彼と会うこともないだろう。何故か、少しだけ不安のような落ち着かないような気持ちがよぎるがそれを無視して見送る。
「この一ヶ月、楽しかった。また、会おう」
彼は消える直前にそう言葉を残し、姿を消した。王宮に戻ったのだろう。
目の前には、その場には何もなかったかのように、短い草花が生えた地しかない。
「楽しかったって言った…?」
私と過ごして、そんな言葉が出てくるのは珍しいことだ。恐らく、今までそんな言葉を掛けてもらったことはないだろう。
「私がウサギと一緒にいて、楽しいと思うのと同じように感じてくれたのかしら?」
そうだとしたらと考えると、悪い気はしなかった。なんだか、胸の辺りが暖かく感じる気がした。
ウサギを抱いてるからかしら?
その感情がなんなのか分からないけれど、嫌な気はしないので、その気持ちを抱いたままその場を後にした。
本日は日曜日と言うことで学校はお休みだ。
しかし、図書室と食堂と予約をすればテラスも使えるようになっている。
私は、ピタちゃんを抱いたまま図書室へ向かった。
本当は、担任に師長様から合格を頂いたことを報告しなければいけないんだろうが、休日の日は教師も休みだ。学校に残ってる教師は極々僅かな人物しかいない。
幾つかの道を通り過ぎ、重厚で品のある佇まいの扉の前に着いた。この先が図書室になってるのだ。
「はっ、ご、ご機嫌ようでございます!リンヴィーラ嬢様!」
扉を開くと、目の前にはすっかり見慣れた少年が受付の椅子から立ち上がり、敬礼でもする勢いで、私にそう挨拶をした。
「ご機嫌よう、司書様。今日も観覧させて頂きますね」
「どうぞどうぞ!ごゆっくり、お過ごしくださいませ!」
ここは、一様図書室なのだが、司書を勤める彼がこんなに賑やかで良いのだろうか?
まぁ、たまには元気が良い図書室があっても良いかと納得している。別に邪魔してくるわけでもないし。
さて、遠慮無く見て回ろう。
こないだはこの棚まで見たから、次の棚を見ようっと。
そうして、目的の場所へ移動する。
この図書室には初日の方から、暇があれば通うようになっている。そして、受付の少年は初日からあんな感じだ。寧ろあれでも大人しくなった方で初日は椅子から転げ落ちて、周りの紙束が倒れ場は酷い有様になった。そのときの私は、なんだか素通りするのも申し訳ないので、紙の山に埋もれる彼を助けて、一緒に書類を整理した。ずっとおどおどしてて、なんだかウサギみたいな方だったわ。
そのことを思い出して、少しクスッと笑ってしまう。まぁ、人間嫌いの中でも、その出来事から彼は別に私にとって、大丈夫な部類であると判断した。…あら、また受付の方で物音がしたような。また、彼がドジをしたのかもしれない。一様、様子を見に行くことにした。
「いててて…」
「大丈夫ですか?」
様子を見に行くと、彼は紙に埋もれはしなかったものの、今度は数冊の本が散乱して倒れていた。その状況から、まずは彼の怪我の有り無を確認するため側に寄った。
「え、え?!り、リンヴィーラ嬢様?!」
「お怪我はございませんか?」
一件見ると、眼鏡が外れてしまったこと以外、特に何もないようだ。
だが、一様見えないところで打撲とか出来たかもしれないので聞いてみた。
「へ?え?怪我は…大丈夫です。えぇっと!あわあわ」
なんだかとても慌てているが、元気なようなのでスルーする。床に落ちた眼鏡を拾い、彼に渡す。
「怪我がないのでしたら、安心しましたわ。後、眼鏡が外れてますわよ」
「…え」
その途端。まるで眼鏡が外れた事実にショックを受けたような表情で、私の手のひらにある眼鏡を凝視した。
「…あ、あの」
彼は眼鏡を受け取らずに、私に恐る恐る声を掛ける。片腕にピタちゃんを抱えてるため、早く受け取って欲しいのだが。
「気持ち悪くないんですか?」
「?何がです?」
「え?本当に言ってます?ぼ、僕のこの目ですよ!これ見ても貴方は平気なんですか?!」
そう言われ、顔を上げた彼の目を見る。これは、本で読んだことがある。ハッキリした事情は分からないが、稀に目の色が両方違う人間が生まれるとか。
それが、目の前にいた。
彼の目は、水の澄んだような綺麗な青とその青とは違った柔らかい若木のような黄緑色をしていた。
で、彼はなんと言った?この目が平気かって?
「えぇ、私の体は健康を維持してますわ」
何をそんなに恐れているのか分からないが、私の健康状態を気にしたので答えた。うん、健康だ。ピタちゃんといられて、心も体も安定している。
「なんか、求める答えと違うような気がするけど…本当に?皆、僕の目を見ると恐いとか、化け物とか、呪われるって言って…。気味悪がられるんです」
「そうなんですか。しかし、私には何もありませんし、貴方の目は綺麗だと思いますわ」
「……え?綺麗?」
彼はその言葉に引っかかったようで、私を信じられないとでも言うように見てきた。
「澄んだ青と若木のような緑の目、だと私は感じますわ」
よく分からないが、感じたことをそのまま伝える。尚も彼は固まり動かない。ストレスでも抱えているのだろうか?
なら、この目の前の本を片付けてあげようかしら?これで、ストレスが少しでも軽減されると良いのだが…。
と、言うことでピタちゃんを床に下ろして、散らかった本を集める。
「え、な、何してるんですか?」
「これ、棚に戻す本ですよね?本を探すついでに片付けておきますわ」
「何で?!あ、いや、えっと」
思わず素が出たのだろう。顔を青ざめて口ごもった。
「私は気にしませんわ。話しやすい口調で結構ですよ。では、また後ほど」
彼には何もなかったようですし、大丈夫だろうとその場を後にする。また、ここを出るときに様子を見ようと思いながら、ピタちゃんを連れて本が囲む道を進んだ。
はじめの頃と違って、今は時の流れが緩やかに感じる。
そう、やり始めた頃はウサギが心配で気になって、集中がうまく出来ない日々が続いた。幼い頃に(今も幼い)、本を読んだだけで魔法を習得したときとは全く違い、ここまで来るのに時間がかかった。一月前に師長様から指示出されたコップに氷入りの水を注ぐ事、集中力を高めるための滝修行の他。山道に出くわす魔物退治と、小石を魔力を使って木にくくりつけている指先程の小さな的に当てるのを百回。と、やってきた。
そして、本日。師長様に修行の成果を披露する日が来た。滝から上がり、場所を移動する。目の前には、最初の課題でもあった何の変哲もない透明なコップが地面に置かれている。
「では、貴方のタイミングで始めてくれて構わない」
師長様は、そう私に声を掛けて名簿を片手に審査に入る。
…気のせいか、前より距離が離れたところにいるような。まぁ、散々あちこちの修行で、土砂崩れや洪水、火事等を起こしたからだろうか。それを思い出すと、この距離感について何も言えない。
でも、そんなことは今は絶対起こさせないし、起こさない。この一月で自分でも感じるくらい、力が身についたと思う。実際、土砂崩れとか、災害レベルのミスはここ五日くらい起こしていない。
それに、師長様の事を以前より不安に感じることが少し減った。少なくとも、私の目の前で愛しのウサギたちのことを変に扱う事もなく、寧ろ魔物から守ってくれたこともあった。
あの時は、どうしてウサギのことを守ってくれたのか疑問で質問した。すると彼は何の事もないというように「貴方の大切なものだろう?なら、私にも大切なものだからだ」と、答えた。
その時から彼にウサギたちのことを任せても、大丈夫なんだと理解した。実際、ウサギたちも彼のことを少なくとも嫌悪は抱いてない。お陰で、その時から私も修行に集中することができるようになった。
「では、いきます」
息を細く小さく吐いて、目の前の課題へ集中する。あの頃とは違い、実力的にも精神的にも成長することができた。
だから、大丈夫。
「…ふむ、お疲れ様」
師長様は、目の前の出来についてサラサラとペンを動かしていく。目の前の氷入りの水はあの頃より、キラキラと輝いて見えた。
「合格だ」
結果、師長様に提示された課題はクリアした。
「では、暫く達者でな」
「え?」
師長様は気付けば、小荷物を肩に背負って今にも、魔方陣で飛び立とうとしていた。
まだ、師長様から教えてもらったことは魔力コントロールの一つしか無い。
実技以外でも、知識を増やしたいのに。
私は、慌てて止め…ようとしたけど止めた。
忘れかけていたけど、この方は応急魔導師をまとめる魔術師のトップなのだ。
私にばかり構ってもらう暇などないのだ。
師長様の立場を思い出して、引き留め欠けていた手を下ろす。
人など、やることが終わればそれ以上のことは無益でやるなどしないものだ。
彼は、これで役目を果たしたと言うことだろう。
「なんだ?落ち込んでるのか?」
落ちこんでる?
誰が?と、辺りを見渡す。しかし、いるのは私と師長の他には、足下のピーターラビットのようなウサギのピタちゃん(♂)しかいない。
「あー、自覚無いのか。まぁ、いいか」
と、師長様は一人納得したようなつぶやきを漏らす。どういうこと?自覚って?
ピタちゃんを抱き抱え、私もまぁ気にしても意味ないかと考えることを放棄する。
師長様は、その間に移動魔法の魔方陣を発動させた。もう、これで彼と会うこともないだろう。何故か、少しだけ不安のような落ち着かないような気持ちがよぎるがそれを無視して見送る。
「この一ヶ月、楽しかった。また、会おう」
彼は消える直前にそう言葉を残し、姿を消した。王宮に戻ったのだろう。
目の前には、その場には何もなかったかのように、短い草花が生えた地しかない。
「楽しかったって言った…?」
私と過ごして、そんな言葉が出てくるのは珍しいことだ。恐らく、今までそんな言葉を掛けてもらったことはないだろう。
「私がウサギと一緒にいて、楽しいと思うのと同じように感じてくれたのかしら?」
そうだとしたらと考えると、悪い気はしなかった。なんだか、胸の辺りが暖かく感じる気がした。
ウサギを抱いてるからかしら?
その感情がなんなのか分からないけれど、嫌な気はしないので、その気持ちを抱いたままその場を後にした。
本日は日曜日と言うことで学校はお休みだ。
しかし、図書室と食堂と予約をすればテラスも使えるようになっている。
私は、ピタちゃんを抱いたまま図書室へ向かった。
本当は、担任に師長様から合格を頂いたことを報告しなければいけないんだろうが、休日の日は教師も休みだ。学校に残ってる教師は極々僅かな人物しかいない。
幾つかの道を通り過ぎ、重厚で品のある佇まいの扉の前に着いた。この先が図書室になってるのだ。
「はっ、ご、ご機嫌ようでございます!リンヴィーラ嬢様!」
扉を開くと、目の前にはすっかり見慣れた少年が受付の椅子から立ち上がり、敬礼でもする勢いで、私にそう挨拶をした。
「ご機嫌よう、司書様。今日も観覧させて頂きますね」
「どうぞどうぞ!ごゆっくり、お過ごしくださいませ!」
ここは、一様図書室なのだが、司書を勤める彼がこんなに賑やかで良いのだろうか?
まぁ、たまには元気が良い図書室があっても良いかと納得している。別に邪魔してくるわけでもないし。
さて、遠慮無く見て回ろう。
こないだはこの棚まで見たから、次の棚を見ようっと。
そうして、目的の場所へ移動する。
この図書室には初日の方から、暇があれば通うようになっている。そして、受付の少年は初日からあんな感じだ。寧ろあれでも大人しくなった方で初日は椅子から転げ落ちて、周りの紙束が倒れ場は酷い有様になった。そのときの私は、なんだか素通りするのも申し訳ないので、紙の山に埋もれる彼を助けて、一緒に書類を整理した。ずっとおどおどしてて、なんだかウサギみたいな方だったわ。
そのことを思い出して、少しクスッと笑ってしまう。まぁ、人間嫌いの中でも、その出来事から彼は別に私にとって、大丈夫な部類であると判断した。…あら、また受付の方で物音がしたような。また、彼がドジをしたのかもしれない。一様、様子を見に行くことにした。
「いててて…」
「大丈夫ですか?」
様子を見に行くと、彼は紙に埋もれはしなかったものの、今度は数冊の本が散乱して倒れていた。その状況から、まずは彼の怪我の有り無を確認するため側に寄った。
「え、え?!り、リンヴィーラ嬢様?!」
「お怪我はございませんか?」
一件見ると、眼鏡が外れてしまったこと以外、特に何もないようだ。
だが、一様見えないところで打撲とか出来たかもしれないので聞いてみた。
「へ?え?怪我は…大丈夫です。えぇっと!あわあわ」
なんだかとても慌てているが、元気なようなのでスルーする。床に落ちた眼鏡を拾い、彼に渡す。
「怪我がないのでしたら、安心しましたわ。後、眼鏡が外れてますわよ」
「…え」
その途端。まるで眼鏡が外れた事実にショックを受けたような表情で、私の手のひらにある眼鏡を凝視した。
「…あ、あの」
彼は眼鏡を受け取らずに、私に恐る恐る声を掛ける。片腕にピタちゃんを抱えてるため、早く受け取って欲しいのだが。
「気持ち悪くないんですか?」
「?何がです?」
「え?本当に言ってます?ぼ、僕のこの目ですよ!これ見ても貴方は平気なんですか?!」
そう言われ、顔を上げた彼の目を見る。これは、本で読んだことがある。ハッキリした事情は分からないが、稀に目の色が両方違う人間が生まれるとか。
それが、目の前にいた。
彼の目は、水の澄んだような綺麗な青とその青とは違った柔らかい若木のような黄緑色をしていた。
で、彼はなんと言った?この目が平気かって?
「えぇ、私の体は健康を維持してますわ」
何をそんなに恐れているのか分からないが、私の健康状態を気にしたので答えた。うん、健康だ。ピタちゃんといられて、心も体も安定している。
「なんか、求める答えと違うような気がするけど…本当に?皆、僕の目を見ると恐いとか、化け物とか、呪われるって言って…。気味悪がられるんです」
「そうなんですか。しかし、私には何もありませんし、貴方の目は綺麗だと思いますわ」
「……え?綺麗?」
彼はその言葉に引っかかったようで、私を信じられないとでも言うように見てきた。
「澄んだ青と若木のような緑の目、だと私は感じますわ」
よく分からないが、感じたことをそのまま伝える。尚も彼は固まり動かない。ストレスでも抱えているのだろうか?
なら、この目の前の本を片付けてあげようかしら?これで、ストレスが少しでも軽減されると良いのだが…。
と、言うことでピタちゃんを床に下ろして、散らかった本を集める。
「え、な、何してるんですか?」
「これ、棚に戻す本ですよね?本を探すついでに片付けておきますわ」
「何で?!あ、いや、えっと」
思わず素が出たのだろう。顔を青ざめて口ごもった。
「私は気にしませんわ。話しやすい口調で結構ですよ。では、また後ほど」
彼には何もなかったようですし、大丈夫だろうとその場を後にする。また、ここを出るときに様子を見ようと思いながら、ピタちゃんを連れて本が囲む道を進んだ。
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