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第1話 世話係をクビになったようです(ФωФ)
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「今日から私がアンナ様とハンス様のお世話をするから、あなたはもうクビよ!」
ある麗らかな春の日の早朝、
王宮で働く侍女達が住んでいる建物の一室で、アンジェリカ・カスケード侯爵令嬢がエヴァ・ランディール伯爵令嬢に解雇を言い渡した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
早朝、貧乏伯爵令嬢エヴァ・ランディールは出勤しようと与えられた自室で身支度を整えていた。
肩より長い黒髪をひとつにまとめてお団子にし、真っ黒な猫目をキョロキョロ動かして鏡で身なりを確認するとよしと呟いた。
すると突然自室の扉が『バーン!!』と開けられ、一見して高位の貴族と見てとれる金髪碧眼の美少女が堂々とエヴァの自室に入ってきた。
『やべ(ФωФ)
また鍵かけ忘れた(ФωФ)』
エヴァは警戒心や危機感が非常に薄く自室の鍵をよくかけ忘れた。
エヴァの上司にあたる侍女長にも『いくらこの建物が男子禁制で安全だからといっても、一応、一応貴女も今年で18歳になる女性なんだから鍵くらいかけなさい!!』と何度もお叱りを受けていた。
『鍵をかけ忘れたのばれたらまた侍女長様に怒られるかな……(ФωФ)』
そんなエヴァの明後日の方向の心配など露知らず金髪碧眼の美少女は、エヴァをチラリと見ると『フフン♪』と聞こえときそうな勝ち誇ったような顔で笑った。
「貴女がエヴァ・ランディール?」
「はい(ФωФ)
私がエヴァ・ランディールです(ФωФ)」
「そう、私はアンジェリカ・カスケード、カスケード侯爵家の三女よ。
今日から私がアンナ様とハンス様のお世話をするから、あなたはもうクビよ!」
「え??(ФωФ)??」
「理解が悪いわね!!
貴女はお二人の世話係でありながら、先日お二人に怪我をさせてしまったでしょ!!
本来なら貴女を罰するところだけど、今回は特別に罰はなしで、解雇だけで済ませてあげるって言ってるの!!
温情に感謝しなさいよ!!」
「あ、え!?あー。あ、ありがとうございます?(ФωФ)?」
「フン!!
分かればいいわ!!
今日からこの部屋は私が使うから貴女はとっとと荷物をまとめて、夕方私がここに帰ってくるまでの間に出ていってちょうだい!!」
「え!!?(ФωФ)?!!
あの、私は実家がもうなくて、ここを追い出されると行くところが……」
「フン!!
そんなの私の知ったことじゃないわ!!
私はこれからお二人にご挨拶したり忙しいの!!
貴女に構っている暇なんてないの!!
詳しいことは侍女長にでも聞いてちょうだい!!
じゃあね!!」
アンジェリカは言いたいことだけ言うと、慌ただしく部屋を出ていってしまった。
そんなアンジェリカをエヴァは呆然としながら見送った。
「うぇ~~~~~(ФωФ)
まじか~~~~~(ФωФ)」
エヴァは大きな溜め息をつくと、アンジェリカに言われたとおり、詳しいことを聞くため侍女長の所に向かうことにした。
ある麗らかな春の日の早朝、
王宮で働く侍女達が住んでいる建物の一室で、アンジェリカ・カスケード侯爵令嬢がエヴァ・ランディール伯爵令嬢に解雇を言い渡した。
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早朝、貧乏伯爵令嬢エヴァ・ランディールは出勤しようと与えられた自室で身支度を整えていた。
肩より長い黒髪をひとつにまとめてお団子にし、真っ黒な猫目をキョロキョロ動かして鏡で身なりを確認するとよしと呟いた。
すると突然自室の扉が『バーン!!』と開けられ、一見して高位の貴族と見てとれる金髪碧眼の美少女が堂々とエヴァの自室に入ってきた。
『やべ(ФωФ)
また鍵かけ忘れた(ФωФ)』
エヴァは警戒心や危機感が非常に薄く自室の鍵をよくかけ忘れた。
エヴァの上司にあたる侍女長にも『いくらこの建物が男子禁制で安全だからといっても、一応、一応貴女も今年で18歳になる女性なんだから鍵くらいかけなさい!!』と何度もお叱りを受けていた。
『鍵をかけ忘れたのばれたらまた侍女長様に怒られるかな……(ФωФ)』
そんなエヴァの明後日の方向の心配など露知らず金髪碧眼の美少女は、エヴァをチラリと見ると『フフン♪』と聞こえときそうな勝ち誇ったような顔で笑った。
「貴女がエヴァ・ランディール?」
「はい(ФωФ)
私がエヴァ・ランディールです(ФωФ)」
「そう、私はアンジェリカ・カスケード、カスケード侯爵家の三女よ。
今日から私がアンナ様とハンス様のお世話をするから、あなたはもうクビよ!」
「え??(ФωФ)??」
「理解が悪いわね!!
貴女はお二人の世話係でありながら、先日お二人に怪我をさせてしまったでしょ!!
本来なら貴女を罰するところだけど、今回は特別に罰はなしで、解雇だけで済ませてあげるって言ってるの!!
温情に感謝しなさいよ!!」
「あ、え!?あー。あ、ありがとうございます?(ФωФ)?」
「フン!!
分かればいいわ!!
今日からこの部屋は私が使うから貴女はとっとと荷物をまとめて、夕方私がここに帰ってくるまでの間に出ていってちょうだい!!」
「え!!?(ФωФ)?!!
あの、私は実家がもうなくて、ここを追い出されると行くところが……」
「フン!!
そんなの私の知ったことじゃないわ!!
私はこれからお二人にご挨拶したり忙しいの!!
貴女に構っている暇なんてないの!!
詳しいことは侍女長にでも聞いてちょうだい!!
じゃあね!!」
アンジェリカは言いたいことだけ言うと、慌ただしく部屋を出ていってしまった。
そんなアンジェリカをエヴァは呆然としながら見送った。
「うぇ~~~~~(ФωФ)
まじか~~~~~(ФωФ)」
エヴァは大きな溜め息をつくと、アンジェリカに言われたとおり、詳しいことを聞くため侍女長の所に向かうことにした。
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