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第6章 王都への旅路
第143話 お年寄りは
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「また沼の主を捕まえようとして沼にはまったんじゃないか!?」
「いや沼の主はもうエレン様が捕まえて干物にして食べてしまったし、
沼はもう探したがいなかった!!
また深淵の森に魔女を探しに行ったんじゃ!!?」
「いや、深淵の森の魔女は、
エレン様のせいでもう森に住むことを諦めて、
今は町の外れで密かに薬屋をしているし、
薬屋にはいなかった!!
またビビビっと来たとかいって温泉を堀当てる気じゃ!!?」
「温泉が吹き出たという知らせは来ていない!!」
エレンは自由人だったが、
夕飯までには必ず帰ってきていた。
そのエレンが夕飯になっても帰ってこなかったので、
テオドアール家の使用人達は慌てて沼やら町やら探しに行ったが見つからず、
テオドアール家はパニック状態に陥った。
「落ち着け!!
我々だけで捜索するのはもう限界だ!!
町長の所に行って事情を説明して人手を出してもらってくる!!」
ヨハンがあわてふためく使用人達を一喝し、
出掛けようとしたところ、
一人の子供がテオドアール家にやってきた。
その子供は町から少し離れた森の近くに住む子で名前をハナと言い、
時々エレンと遊んでいる子供だった。
「ハナ!
もう暗いのに一人で出歩いたらダメだろう!
悪いが今は取り込んでいるんだ。
誰かに送らせるから………
いや、なぁハナ、お前、エレン様がどこに行ったか知らないか!?」
ヨハンは逸る気持ちを抑えてなるべく優しく言った。
ハナは持っていた手紙をヨハンに差し出した。
「あさ、エレンさまがうちに来て、
夕飯前にこれをテオドアール家にとどけるように言われたんだけど、
昼寝してたらねすごしちゃったの。」
ごめんなさいといってハナは申し訳なさそうにヨハンに手紙を渡した。
ヨハンは慌ててエレンからの手紙を読んだ。
『よはんへ
ちょっとおうとまであそびにいってきます。
ついしん
とーさまかぜおだいじに。』
ヨハンは卒倒した。
…………お年寄りは大事にしましょう。
「いや沼の主はもうエレン様が捕まえて干物にして食べてしまったし、
沼はもう探したがいなかった!!
また深淵の森に魔女を探しに行ったんじゃ!!?」
「いや、深淵の森の魔女は、
エレン様のせいでもう森に住むことを諦めて、
今は町の外れで密かに薬屋をしているし、
薬屋にはいなかった!!
またビビビっと来たとかいって温泉を堀当てる気じゃ!!?」
「温泉が吹き出たという知らせは来ていない!!」
エレンは自由人だったが、
夕飯までには必ず帰ってきていた。
そのエレンが夕飯になっても帰ってこなかったので、
テオドアール家の使用人達は慌てて沼やら町やら探しに行ったが見つからず、
テオドアール家はパニック状態に陥った。
「落ち着け!!
我々だけで捜索するのはもう限界だ!!
町長の所に行って事情を説明して人手を出してもらってくる!!」
ヨハンがあわてふためく使用人達を一喝し、
出掛けようとしたところ、
一人の子供がテオドアール家にやってきた。
その子供は町から少し離れた森の近くに住む子で名前をハナと言い、
時々エレンと遊んでいる子供だった。
「ハナ!
もう暗いのに一人で出歩いたらダメだろう!
悪いが今は取り込んでいるんだ。
誰かに送らせるから………
いや、なぁハナ、お前、エレン様がどこに行ったか知らないか!?」
ヨハンは逸る気持ちを抑えてなるべく優しく言った。
ハナは持っていた手紙をヨハンに差し出した。
「あさ、エレンさまがうちに来て、
夕飯前にこれをテオドアール家にとどけるように言われたんだけど、
昼寝してたらねすごしちゃったの。」
ごめんなさいといってハナは申し訳なさそうにヨハンに手紙を渡した。
ヨハンは慌ててエレンからの手紙を読んだ。
『よはんへ
ちょっとおうとまであそびにいってきます。
ついしん
とーさまかぜおだいじに。』
ヨハンは卒倒した。
…………お年寄りは大事にしましょう。
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