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第9章 継母と継子と愉快な仲間たち

第279話 例のブツ

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「はぁ、私はね、王都での騒がしい暮らしが嫌になって、孤独で静かな暮らしを求めてテオドアール領に来たんだよ。」



おばばは茶会の席について、高級なカップで高級な紅茶を飲みながら言った。



「うんうん、なんかそんな設定あったね!( ´_ゝ`)!」




エレンはグッと親指を上げながらいい感じの笑顔で言った。





「設定じゃないわい!とにかく!私は!静かな暮らしを求めてたんだよ!


それをあんたのせいで森からでなくちゃいけなくなって、薬局を開いて、老人会に入って、会計になって、来年は副会長にならなきゃいけなくって!!


極めつけになんだ!小規模な茶会だっていうから来てみたら!


なんで隣国の王族が三人もいるんだよ!!」





おばばは口が悪いだけで、割と真面目なので会計もきちんとしており、会員からの信頼もあつく、来年は老人会副会長、ゆくゆくは会長になるともっぱらの評判であった。

この分だと町内会の役員も任せられそうだ。






「まぁまぁ、あんまり怒鳴ると血圧上がるよ!( ´_ゝ`)!

まぁ、王族って言っても他国だからさ、おばばとバルバラのあねさんに上下関係があるわけじゃないし。

おばばが税金払ってるのうちに対してだし、グランデル王国がおばばに何かしてくれたわけじゃないから特に媚びる必要もないし。

いつもどおり自由にしててよ( ´_ゝ`)」





「はぁ、あんたと関わったのが運の尽きだね。」





「そうそう。何事も諦めが肝心だよ( ´_ゝ`)ケケケ」
 



エレンは割と悪魔なのでおばばのため息もまったく気にしないし、病み上がりに濃い面子の茶会を開催されてまた具合が悪くなって、ブツブツ言ってるウィルも気にしないし、予期せず姉妹が揃ってしまい、闇が濃くなってるアンジュも気にしない。




「ところでバルバラお姉様!そろそろ例のブツの在処を教えていただけないでしょうか!?」



「なんだいなんだい!例のブツって!王族だけでもめんどうだっていうのに、犯罪に関わるのなんてごめんだよ!!」




「あはは、おばば殿、例のブツとは犯罪ではないので安心してください。いや、ある意味ちょっと犯罪くさいかな?


でも多分合法だから大丈夫!!」



バルバラのあねさんも割と悪魔なので周りの空気は気にせず、爽やかな笑顔でいいきった。



「ルールーの言ってる例のブツって、アンジュの行動記録でしょ?( ´_ゝ`)?

そんなのが犯罪くさいの??( ´_ゝ`)??

そういえばうちの領にあるって言ってたけど、なんでうちの領にベンジャミンも知らないアンジュの行動記録があるの??( ´_ゝ`)??」


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