継母ができました。弟もできました。弟は父の子ではなくクズ国王の子らしいですが気にしないでください( ´_ゝ`)

てん

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第8章 継母と継子

第246話 魔女とお菓子

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「やれやれ。

それで今日はなんの用だい?

見るからに厄介な感じしかしないけど。」

表に閉店の看板を出して戻ってきたおばばは嫌そうな気持ちを隠しもせずに言った。

「まぁまぁ。人を見た目で判断するのはよくないよ( ´_ゝ`)」


「ふん!

相変わらず減らず口だね!

そっちの黒いのは置いといて、あんたの場合は見た目じゃなくて過去の実績に基づいて言ってるんだよ!

あんたがそういう顔をしてるときは大体やっかいごとを持ち込むときさ!!」


「いや~。さすがおばば。

だてに老人会の平均年齢を上げてないね( ´_ゝ`)

まぁやっかいごとといえばやっかいごとだし、

やっかいごとじゃないと思えばやっかいごとじゃないから、

その辺はポジティブに行こうよ( *・ω・)ノ」

エレンはとりあえずいい感じの笑顔でそういうととりあえず飲み物ちょうだいと図々しく言った。

以前は腐った魚みたいな香りのするお茶がお気に入りだったが、最近はひなたぼっこしたあとの猫みたいな香りのお茶がエレンのお気に入りだった。

おばばはブツブツ言いながらもいそいそエレンの気に入っているお茶を用意し始めた。

なんだかんだ皆エレンには甘いのだ。

「アンジュ、ここは薬局だけど変わったお茶やお菓子も食べられるんだ( ´_ゝ`)

だけど身体に悪いものもあるから勝手に触ると危ないから気をつけてね( ´_ゝ`)」

興味深そうにキョロキョロしていたアンジュはエレンの言葉にこくこくと頷いた。

ちなみにアンジュは店に入ってから一言も言葉を発していない。

「ほれ、お茶だよ。

町長にもらったクッキーもあるからお食べ。」

おばばはお茶とクッキーをエレンと黒い固まり(アンジュ)の前にだすと自分も椅子に座った。

おばばは黒いローブを着ていてTHE魔女感半端ない格好をしていたし、アンジュも似たようなものだった。

色味があるのはエレンだけだったがパッと見二人の悪い魔女と、お菓子を食べさせられて騙されて生け贄にされそうな幼女みたいに見えるが、どちらかというと騙されて生け贄にされそうなのは魔女二人である。


「やや!

これは東地区のチャムス菓子店のふわふわジャムクッキーじゃないか!

しかも朝から並ばないと買えない限定品、『虹色イチゴ味』だ!

町長も気が利くようになったね。

昔は町長手土産なんか持ってこなかったのにね。

気のきいたちょっとしたお土産のバリエーションが婦人会という荒波を乗り切る唯一の道だと言い聞かせたのが最近ようやく分かってきたみたいだね。

いただきまーす( ´_ゝ`)

ほら、アンジュもお食べ( ´_ゝ`)」

エレンはいそいそクッキーを食べて、お気に入りのお茶を飲んで、

『美味しいお菓子を食べると疲れが癒されるな( ´_ゝ`)

やっぱ頑張ってるといいことあるな( ´_ゝ`)』

としみじみ思った。

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