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第4章 テオドアール領

第94話 退場

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「あーー!!!

最後で噛んだーー!!

せっかく何回も練習したのに!!!

なんてダメな子なんだ!!」

エレンは自分で自分を叱咤して、

頭を抱えてじたばたした。

「はいはい( ´_ゝ`)

エレンはだめな子じゃないよ( ´_ゝ`)

エレンの気持ちはこの父にはしっかり伝わったよ( ´_ゝ`)」

ウィルはじたばた暴れて悔しがるエレンの頭をぽんぽん叩きながら、

エレンを慰めた。

リアナの父親とレオンはその様子を呆然と見つめ、

控えていた家令のヨハンと侍女頭のサーヤはやれやれとため息をついた。

「エレン、お前の気持ちはこの父がしっかり伝えるから安心おし。

ただお前がいると話が進まないから今日は退場( ´_ゝ`)」

ウィルはきっぱり言った。

「えーーーーー!?

退場!?エレンだけ仲間はずれなんて辛すぎる!!( ´_ゝ`)!!」

エレンは泣きそうになった。

「はいはい。レオン君?

悪いんだけど、エレンの相手をしてくれない?

君にも色々いいたいことや聞きたいことがあるかもしれないけど、

お父上も君がいると話しにくいこともあると思うんだ。

君は留学の準備でしばらくこちらに滞在するだろ?

君とはまた別に話しあうとして、

今日のところはお父上と僕の男同士で腹をわって話してみたいんだけど。

どうかな?」

リアナの父親とレオンは動揺しながらも顔を見合わせた。

しばらくしてリアナの父親が言った。

「レオン、エレン様のお相手をしてあげなさい。

テオドアール伯様のいうとおり、

正直お前には聞かせたくないこともある。」

「わかりました父上。

エレン様。

よければ私の相手をしていただけませんか?」

エレンはレオンにそう言われ、

まだまだ色々練習していた台詞があったが、

しぶしぶ諦めてレオンと一緒に部屋を出た。

「やれやれ( ´_ゝ`)

隠しだてするのは本日の話し合いの趣旨に反するので、

特に言い訳はしませんが、

エレンはあんな感じの子です。

我が家は毎日あの子のお陰で賑やかです。」

ウィルは笑いながらリアナの父親に話しかけた。

「いえ、失礼ですが、

正直なことをいうと、

早くにお母上を亡くされていると聞いていたので、

もっと寂しげな子を想像してました。」



「あの子の母親の遺言が、

笑ってエレンを育ててほしいだったので、

笑って自由に育てていたらあんな感じになりました。

親バカだと言われても仕方ありませんが、

エレンは妻の希望どおり明るくて自由な自慢の娘です。」

ウィルは慈愛に満ちた顔で言った。

「亡くなられた奥さまを愛してらっしゃるのですね。」

「あなたもそうでしょう?

亡くなられた奥さまのことも、

リアナ様のことも愛してらっしゃる。

私達は似た者同士かもしれませんね。」

ウィルは笑って言ってお茶を飲んだ。

リアナの父親はそんなウィルに一層好感を抱いた。

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