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第3章 王都にて(後)
第85話 ディアナとウィル
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ディアナは泣きながらすべてをウィルに打ち明けた。
ウィルはディアナの話を最後まで黙って聞いていた。
「うん。わかった。僕は再婚してもいいよ。
ちょうど国王がリアナ様を襲った時期は、
僕が平民のための学校を作る話のために、
王宮に出入りしていた時期だ。
対外的には、
そのとき僕がリアナ様を見初めて、
手をつけたことにすればいいよ。
うちは元々王家の傍系だから、
初代当主も銀髪だったし、
確か三代前の当主も銀髪だったはずだ。
産まれた子が銀髪でも、
先祖がえりと言い張ればなんとかなる。
産まれた子が男の子だったら、
テオドアール家を継がせてもいいよ。
産まれる子は王家直系だ。
ご先祖様も文句はないだろうし、
僕は後継者問題を解決できるし。
ただ、僕は構わないけど、エレンの意思を確認したい。
正式な返事はエレンに確認してからでいいかな?
まぁ、あの子は母親とキョウダイが欲しいと常々言っているから、
多分大丈夫だと思うけど。
正直あの子が何を考えているのか僕にもよくわからないんだ。」
ウィルは笑って言った。
「それは、それは、もちろん、
私もエレンが嫌なら無理強いしたくないわ。
ウィル、あなたは、あなたは、いいの?」
「かまわないさ。
結婚って言ったって、形式的なものだろ?
人助けだしね。
きっとティナだって君やリアナ様の役にたてというに決まっているよ。
僕が王宮の侍女に手をつけたっていったら、
家名に傷をつけたって親族連中が多少うるさいかもしれないけど、
すでに家名は僕のおかげで傷だらけだから、
今さら傷のひとつやふたつ問題ないさ。
けどさ、リアナ様はそれでいいの?
リアナ様にも選ぶ権利はあるんじゃない?」
「もちろん、リアナにも意思を確認するわ。
リアナの家族にも。
リアナには父親と弟がいて、
リアナは自分のことより、
父親と弟を心配するような優しい女性よ。」
ディアナはウィルにリアナの生い立ちや、
家族の話をした。
「ふむ。
じゃあリアナ様の父君と弟君も国王の近くにいるのは辛くないかい?」
ウィルはリアナと最終的に結婚するかは置いておき、
リアナの父親にはテオドアール辺境領の平民のための学校の教師を、
リアナの弟には自分が口をきくから隣国の学校に留学したらどうかと言った。
ディアナはウィルの提案に感謝し、
ディアナはリアナやリアナの家族の意思を、
ウィルはエレンの意思を確認してから再度話し合うことにした。
「ウィル、本当にありがとう。」
泣きながら言うディアナにウィルは
「君は結構泣き虫だよね。
ユーリ殿下は君に似たのかな?」
と笑って言って、
テオドアール辺境領に帰っていった。
ウィルはディアナの話を最後まで黙って聞いていた。
「うん。わかった。僕は再婚してもいいよ。
ちょうど国王がリアナ様を襲った時期は、
僕が平民のための学校を作る話のために、
王宮に出入りしていた時期だ。
対外的には、
そのとき僕がリアナ様を見初めて、
手をつけたことにすればいいよ。
うちは元々王家の傍系だから、
初代当主も銀髪だったし、
確か三代前の当主も銀髪だったはずだ。
産まれた子が銀髪でも、
先祖がえりと言い張ればなんとかなる。
産まれた子が男の子だったら、
テオドアール家を継がせてもいいよ。
産まれる子は王家直系だ。
ご先祖様も文句はないだろうし、
僕は後継者問題を解決できるし。
ただ、僕は構わないけど、エレンの意思を確認したい。
正式な返事はエレンに確認してからでいいかな?
まぁ、あの子は母親とキョウダイが欲しいと常々言っているから、
多分大丈夫だと思うけど。
正直あの子が何を考えているのか僕にもよくわからないんだ。」
ウィルは笑って言った。
「それは、それは、もちろん、
私もエレンが嫌なら無理強いしたくないわ。
ウィル、あなたは、あなたは、いいの?」
「かまわないさ。
結婚って言ったって、形式的なものだろ?
人助けだしね。
きっとティナだって君やリアナ様の役にたてというに決まっているよ。
僕が王宮の侍女に手をつけたっていったら、
家名に傷をつけたって親族連中が多少うるさいかもしれないけど、
すでに家名は僕のおかげで傷だらけだから、
今さら傷のひとつやふたつ問題ないさ。
けどさ、リアナ様はそれでいいの?
リアナ様にも選ぶ権利はあるんじゃない?」
「もちろん、リアナにも意思を確認するわ。
リアナの家族にも。
リアナには父親と弟がいて、
リアナは自分のことより、
父親と弟を心配するような優しい女性よ。」
ディアナはウィルにリアナの生い立ちや、
家族の話をした。
「ふむ。
じゃあリアナ様の父君と弟君も国王の近くにいるのは辛くないかい?」
ウィルはリアナと最終的に結婚するかは置いておき、
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「ウィル、本当にありがとう。」
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「君は結構泣き虫だよね。
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と笑って言って、
テオドアール辺境領に帰っていった。
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