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第2章 王都にて(前)
第66話 忘れ物は
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結局リカルドが概要を説明し、
エレンの無罪は証明されたが、
ユーリは泣きすぎて、
気持ちが悪くなって、
ぐったりしてしまい、
衛兵にお姫様だっこをされるはめになった。
「エレン、あなたが悪いみたいに言ってしまって申し訳なかったわ。
あなたが悪いと言ったつもりはないの。
ただ、まだユーリにはあなたは荷が重かったというか、
修行不足だったというか、
とにかく、あなたに嫌な思いをさせてしまってごめんなさい。」
正妃はしゃがんで、
エレンに目線をあわせて謝罪した。
「いやいや( ´_ゝ`)
いきなり泣くから、
ちょっとびっくりしたけど大丈夫( ´_ゝ`)」
エレンは正妃の謝罪をあっさり受け入れ、
それよりユーリを早く寝かせた方がいいんじゃないかと心配した。
ぐったりしているユーリの顔は真っ赤だった。
「そうね。でも多分知恵熱みたいなものだから。
心配してくれてありがとうエレン。」
正妃は衛兵の腕の中でぐったりしているユーリの髪を
愛おしげに撫でながら言った。
「いやー。母上でもあんなに慌てることもあるんですね。
今日は色々珍しいものが見られて有意義でした。」
再びうさんくさい笑顔で言ったリカルドに対し、
「リカルド!あなた剣術の鍛練はどうしたの!
後できっちりお説教ですからね!覚悟しなさい!」
正妃はとりあえずリカルドにユーリに付き添って部屋に戻るように言った。
リカルドは懲りずに、
ニヤニヤしながらエレンにヒラヒラ手を振って、
ユーリと衛兵たちと一緒に部屋に戻っていった。
正妃はウィルとエレンに向き直ると、
「ウィル、平民のための学校のことはまた別に連絡するわ。
エレン、今日はユーリの相手をしてくれてありがとう。」
正妃は優しくエレンの頭を撫でると、
申し訳ないがまだ公務が残っているからと言って去っていった。
「いやー。やっぱりユーリ殿下にはまだ荷が重かったかー( ´_ゝ`)」
ウィルは頭をポリポリとかくとそう呟いた。
「エレン、とりあえず明日の昼過ぎには王都をでるから、
部屋に帰って荷造りでもしようか( ´_ゝ`)」
ウィルは会議で固まった身体でうーんっと腕を伸ばしながらのんびり言った。
「うん!あ。お茶会のお菓子もって帰らないと!( ´_ゝ`)!」
ユーリには了解をもらっているからと言って、
エレンは残っていた侍女にお菓子を包んでくれるように頼んだ。
侍女は困惑しながらも、
お菓子を包んで後でエレンの部屋に持っていくと言ってくれた。
これで使用人たちにも王宮の美味しい御菓子を食べさせてあげられるとエレンはホクホクした。
「エレン、もう忘れ物ない?」
確かめるウィルに対して、
エレンは首をかしげてちょっと考えて重大な事実を思い出した。
「あ!ユーリとかくれんぼするの忘れた!( ´_ゝ`)!」
エレンの無罪は証明されたが、
ユーリは泣きすぎて、
気持ちが悪くなって、
ぐったりしてしまい、
衛兵にお姫様だっこをされるはめになった。
「エレン、あなたが悪いみたいに言ってしまって申し訳なかったわ。
あなたが悪いと言ったつもりはないの。
ただ、まだユーリにはあなたは荷が重かったというか、
修行不足だったというか、
とにかく、あなたに嫌な思いをさせてしまってごめんなさい。」
正妃はしゃがんで、
エレンに目線をあわせて謝罪した。
「いやいや( ´_ゝ`)
いきなり泣くから、
ちょっとびっくりしたけど大丈夫( ´_ゝ`)」
エレンは正妃の謝罪をあっさり受け入れ、
それよりユーリを早く寝かせた方がいいんじゃないかと心配した。
ぐったりしているユーリの顔は真っ赤だった。
「そうね。でも多分知恵熱みたいなものだから。
心配してくれてありがとうエレン。」
正妃は衛兵の腕の中でぐったりしているユーリの髪を
愛おしげに撫でながら言った。
「いやー。母上でもあんなに慌てることもあるんですね。
今日は色々珍しいものが見られて有意義でした。」
再びうさんくさい笑顔で言ったリカルドに対し、
「リカルド!あなた剣術の鍛練はどうしたの!
後できっちりお説教ですからね!覚悟しなさい!」
正妃はとりあえずリカルドにユーリに付き添って部屋に戻るように言った。
リカルドは懲りずに、
ニヤニヤしながらエレンにヒラヒラ手を振って、
ユーリと衛兵たちと一緒に部屋に戻っていった。
正妃はウィルとエレンに向き直ると、
「ウィル、平民のための学校のことはまた別に連絡するわ。
エレン、今日はユーリの相手をしてくれてありがとう。」
正妃は優しくエレンの頭を撫でると、
申し訳ないがまだ公務が残っているからと言って去っていった。
「いやー。やっぱりユーリ殿下にはまだ荷が重かったかー( ´_ゝ`)」
ウィルは頭をポリポリとかくとそう呟いた。
「エレン、とりあえず明日の昼過ぎには王都をでるから、
部屋に帰って荷造りでもしようか( ´_ゝ`)」
ウィルは会議で固まった身体でうーんっと腕を伸ばしながらのんびり言った。
「うん!あ。お茶会のお菓子もって帰らないと!( ´_ゝ`)!」
ユーリには了解をもらっているからと言って、
エレンは残っていた侍女にお菓子を包んでくれるように頼んだ。
侍女は困惑しながらも、
お菓子を包んで後でエレンの部屋に持っていくと言ってくれた。
これで使用人たちにも王宮の美味しい御菓子を食べさせてあげられるとエレンはホクホクした。
「エレン、もう忘れ物ない?」
確かめるウィルに対して、
エレンは首をかしげてちょっと考えて重大な事実を思い出した。
「あ!ユーリとかくれんぼするの忘れた!( ´_ゝ`)!」
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